あけましておめでとうございます。
今年もよろしゅー。
新年早々、不景気な話があちこち出てきたりしてますが、暗い顔してため息吐いてても景気がよくなる訳でもなし。
がんばって遊びましょー。
さて、新年最初の更新ということで、本年の抱負変わりに今年のメイントピックスと成るであろう4eについて、いままであんまり明かしてこなかったいしかわが4eをどう思ってるかについて腹蔵無いところを書いてみようかと。
4e発売からこっち、ずーっと書こうか書くまいか迷ってたコンテンツなんだけど、せっかくなので。
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正直な話、いしかわは4eにスゲエ不満がある。
ぶっちゃけ、これクソゲーじゃね? って思うことも少なくない。
ルールに慣れてないせいかも、と思ってようやく2ケタほどの回数をプレイし、DMも5回ほどやって曲がりなりにもHJオフィシャルのシナリオを作成する身となってみても、未だに、その、なんというか、アレだ。なあ金沢。
じゃ4eのどこがダメなのか?
■ルールが未成熟すぎる
全てはここに帰結するように思う。
3年の月日をかけて編み上げられたはずのルールには穴が多く、プレイの度アラが見えてイラっとくる。
8月に出されたupdateに至っては、レベルに対しての基準目標値を10ずつ下げてくる始末。
http://www.wizards.com/default.asp?x=dnd/updates
基準値にd20足すゲームで10下げるって、それはもう別のゲームだろ。
#ちなみに日本語版はエラッタ適用済らしい。HJ&翻訳チームGJ。
直すことはいい。直さないよりは百倍もいい。
でも、基準値10も変えるようなどデカイ誤りがなぜ発売まで放置されていたのか。
300人以上のプレイテスター達からなんの意見も出なかったのか(*4)。
元々の予定を2年繰り上げたという事情もあるのだろうが、せめてもう半年ディベロップに時間をかけていれば……と思わずにはいられない。
■ゲームスタイルの変更
この点については俺の好みの問題なので客観性に欠けるのかもだが。
D&Dってのは、伝統的に「冒険を」するゲームだったんだよな。
戦闘に関するルールがスゲエ多いし、それにかかる時間も長く、またそこが一番楽しいものだったがために「戦闘級シミュレーションゲームだ」などと揶揄されることも少なくなかったD&Dは、しかし戦闘の影にひっそりと「冒険のための」魔法やアイテム、技能、特技、そしてギミックが無数にちりばめられていた。
そして、そういう部分こそが、戦闘外でのD&DのD&Dらしさを形作っていたように思われる。
例えば、君はD&D以外のゲームでテンサーズ・フローティング・ディスクやロープトリック、レオムンズ・タイニィ・ハットに類する呪文を見たことはあるだろうか?(*1)
そらまあ、この種のものにはいい呪文か、とか効果的な呪文かっていうと微妙なものも少なくない。
けど、こういう雑多な部分を日常の何気ない場面で使ったりするあたりが「D&D」って世界を形作っていた。
そしてこの点がこそ、MMOなんかでは決してできないTRPGの楽しさを作り出す要素なんだと思うのだ。
翻って、4eはといえば……残念なことだが、いまのD&Dは「戦闘のためのゲーム」と言っても過言ではなくなっている。
「冒険」のためのギミックの多くは失われ、技能や特技に今はよすがを残すばかりだ。
仲間の回復やバフに敵への命中判定が必要となったりしてるため、以前は許されていた「戦闘はできないけど他の面では役に立つ」というキャラクターは役割分担が強化されたことで存在が難しくなってしまった。
そして、こういうコンセプトのゲームであればすでに国産ゲームが発売されている。
戦闘のやりとりを楽しもうって言うのが主眼であればアリアンロッドやアルシャードで充分楽しめるし、手軽さやできることの豊富さでも全く劣っていないと思う。
■クラス制の変更と発展性の縮小
変更と言うよりは回帰というべきなのかも知れないが、マルチクラスが(実質)無くなった。
実はこれは良い点と言えなくもない。
初心者にとって3.5eの敷居が高い原因のひとつがこの複雑なマルチクラスにあったからだ。
しかし一方で、前述したように「戦闘ばかり」となった4eでは、勢いパワーも戦闘に関するものばかりで、結果としてクラスのやれることの差が小さくなってしまっている。
例えば射撃型レンジャーとウォーロックは、もちろん細部では異なってはいるものの、実質的にやっていること/やれることは変わらない(*2)。
■戦闘の長大化--パワー管理の問題
戦闘は軽く、簡単になった。 これが4eの売りのはずなんだが、実際に戦闘をしてみると実はそうでもなかったりする。
簡単になったのは間違いない。
3.5eで使用されていた(けどやらない人にとっては面倒でしょうがなかった)戦闘オプションをごっそり切り捨てたのだから。
それをパワーという単位にし、パワーを持つものだけが使える、としたのもルールの単純化の面では非常に有効だと思う。
問題は、戦闘が軽くなっていない点だ。
ルールが簡単になっているにも関わらず、戦闘はずるずると長く、タルいものになりがちなことが多い。
例えば3lvsoloのホワイトドラゴンのhpは200。
適正レベルである2レベルPC5人でこれを倒そうとすると、戦闘の後半は戦闘毎/一日毎パワーを使い尽くし、ダラダラと互いを削りあう、「d20で×以上を出すゲーム」へと変貌する。
これはドラゴンのような強い敵だけでなく、例えば1レベルのコボルドスカーミッシャーでさえhpは27。
実はこのhpの敵を一撃で殺せるのは限られたパワーだけで、低レベル帯ではさらにダイス目に多いに恵まれる必要がある。
これはキャラクターのhpがえらいこと増えていること、にもかかわらずクリティカルで大ダメージが出なくなったことに加え、バフなんかで命判が上がりにくくダメージを与えにくくなったこと、複数回攻撃などの攻撃法も少なくなり与ダメージが小さいことなどが原因と思われる。
またブレイクスルー的なもの(大ダメージを与えるとか即死とか絶対命中とか)が無い(*3)ことも戦闘がダラダラ続いちゃう原因のひとつと思われる。
前述のようにPC間の差が少ない点も、このダラダラ感に拍車をかける原因となっているのではあるまいか。
そして、簡単にしたはずのルールも、マジックアイテムルールでどんどんごちゃごちゃになっているのも気になる。
クリティカルでダメージ倍加ができなくなったのはよしとして(*5)、魔法武器だとクリティカル時にダイスが増えるとか、最近では「ダメージの出目が1か2ならダイス振り直し」とか3.5e時より複雑になっているものもある始末。どんだけ迷走してんだよと。
■フレーバーの大幅削除
これも好き嫌いの話になるんでアレだけど、4eではクリーチャーやクラスに関する記述がごっそり削除されている。
例えばD&Dのアイコンモンスターであるビホルダーの記述を見ても、掲載されているのは戦闘能力ばかりであり、彼らがどのようなところに住んで、どんな生活をしているのか、どんな仲間がいるのかなどといった面に関しては一切(そう、全く!)書かれていない。
MMOの攻略本のおまけコラムだってもうちょっと書いてあるっつーの。
このへん、「設定を知らない人でも入りやすくする工夫」なのかも知らんけど、従来の「このクリーチャーがどんなところに住み、どんな生活をしているかに基づいてエンカウントを作っていく」という楽しみは大きく失われたと言っていい。
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あ、やべえ。書いててどんどん暗澹たる気分になってきた。
んじゃあ、4eって、ダメなの?
そのへんについては以下次号。
*1:実はガープスとかにはあるんだけどね。まあでも、アレはパク(ry
*2:や、3.5eでもファイターとバーバは変わんなくね? っていやそうなんだけどさ。まあ、元はといえば派生クラスだからねえ>バーバ
*3:デザインコンセプトに「いきなりPCが死んじゃうのを減らす方向で」といったことが書かれていたのでこれは意図的だろうと思うんだが、なにごともやり過ぎは良くないと思うんだ。いきすぎたしつけは子供の人格を壊します、ってアレ。
*4:これは推論でしかないんだけど、現在のデザイナーチームの上層部に「人の意見が聞けない」人が混ざってんじゃねーの? とか思ってます。大量のデザイナーの離脱とリストラ、ルールコンセプトの迷走、販売方針の突然の大幅な変更、webでプレイできるのが売りだったのに開発は全然進んでない、etc.etc... いや知らんけど。
*5:や、じつはここも嫌いなところなんだけどな。hp増やしたのにダメージ増やさなきゃ、そら戦闘が伸びるばっかりになるって。このへんも、ホントにテストプレイで誰も何も思わなかったんだろか?
ラブライブ!スーパースター!! 第3期第7話
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今回は上海でLiella!メンバーと一緒にパフォーマンスをして、少しづつ心境が変化していくマルガレーテと冬毬、そしていずれは11人でと思っていても2人を見守るかのんの3人のお話。
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4 日前
8 件のコメント:
みなさんもいってますが、4版はなんか独特のダルさがありますよね
でもぼくはWOCを信じているので4.5版には期待しています。
3.5版やってろ
よくぞ言ってくれました!
というか、立場的にここまでぶっちゃけていいのか心配してしまったりするのですが。
自分も年末プレイしてみたのですが、実際、ここに書かれている通りの展開になり、途中でプレイを断念せざるを得ませんでした。
皆が口を揃えて言います。
「何かが違う」と。
もちろんこれは3.5版ではなく、4版というまったく新しいゲームではあります。しかし、自分たちはこれまで2版、3版、3.5版と遊び続け、そしていずれも楽しんできました。
しかし、今回から爽快感がまったく失われてしまった。
冒険ではなく、戦術級SLGをやらされている気持ちになってしまっている。
これまでのD&Dシリーズ(上記に加え赤箱系列も含めて)とはまったく隔絶したものと認識を新たにしないと失敗してしまう。
そんな感想を抱きました。
……なんでこんなんになっちゃったんだろう。
正直ショックです。
4版を楽しんで遊んでいる人達もいるでしょうに。
まだ後半があるとのことで、そちらの内容に期待させて頂きます。
うなづける点もあるが、日本語版が出始めて意気あがる今、吐き散らすことじゃないわな。4thの情報求めて来た入門者の士気を下げることおびただしい。
これじゃ3.5版老害といわれてもしょうがないぞ?
>4thの情報求めて来た入門者の士気を下げることおびただしい。
無理して士気上げても、仕方ないんじゃないですかねえ?
あくまで一般論ですが、出来の悪いモノが売れてしまうということは、長期的に見るとあまりいい結果をもたらしません(例:ファイナルファンタジーは8が一番売れて、その後はセールスが先細っている)。
少なくとも日本において、4thが3版・3.5版と同じニッチマーケットを埋めるのは難しいように思えます。
あっちのゲーマーは、4thをどう評価しているのでしょうか?
つい最近、4eでDMをやりました。
感想としては、DMとしてNPCとか魔法使いを管理するのは楽そう、というものでした。
正直、3.5で僕が使う魔法使いは有効な魔法を使わず死んでいくだけだったので…。
逆に、プレイヤーにとっては、行動の幅が狭く感じるだろうなとも。
初心者にも優しくとか、コンピュータゲーム的というのは、ソードワールドが2.0で目指ざしたモノと似ている気がします。
まー、3.5と4.0は完全別物として使い分けるといいんだろうな、と思いつつパスファイダーの翻訳を待つ日々です。
ぬは、匿名さん多い(笑)。
ので適当にレス。
>でもぼくはWOCを信じているので4.5版には期待しています。
あんまり信じてねぇぇぇぇ!
>3.5版やってろ
うん、3.5版もやるよ!
まだナインソードキャンペーンとか全員ファイター系で呪文なしの「七人の侍セッション」とか全員異形特技とサイオニックとって「魔界忍法帳セッション」とかやり残したこと山ほどあるし!
>立場的にここまでぶっちゃけていいのか心配してしまったりするのですが
んー、でもcdspe見に来てた人達ってのは俺のこういう「ダメなものはダメ」ってしれっと言っちゃうあたりを楽しみに来てくれてたような気がするですよ。
商業出版に関わるからってそれを止めちゃうのは、なんかこう金に魂を売るみたいでヤじゃないですか。
>……なんでこんなんになっちゃったんだろう
別トピックにちょこっとだけいしかわの推論が上がってます。恐竜がなぜ滅んだかとかそんな話で。
>4版を楽しんで遊んでいる人達もいるでしょうに
んー、その伝でいくと、ネガティブな意見は全て言うべきではない、てなことになっちゃいませんかね?
悪い点はあるってのを隠して新規参入者募っても、その人達が気づいたらそれは同じっつーかむしろ悪い影響を残すような。
そして、いしかわは楽しんでいる人達からの「こうすれば楽しくなるよ!」というご投稿をお待ちしております。ガチで。
>4thの情報求めて来た入門者の士気を下げることおびただしい
よし、じゃあ君が士気上がる原稿書いて投稿だ!
頼むぜ! ガチで!
>sasimininjaさん
とか書いてたら同じことが。
フォローありがとう!
米国での事情は別トピの方にちょっと書いてみました。
Pilgrimさんとのメールのやりとりから出てきたことの抜粋ですが、米国のBBSなんか見てても同じような話は出てるんで、現状は反映されてるんじゃないかと。
>つい最近、4eでDMをやりました
んー、いしかわとその周辺でも同じような感想が多いですねー。
なんだろ。仕組みがデジタルって言うか。
良く言えばサバサバしてるし、悪く言えばあっさりしすぎだし。
ただ、別トピにも挙げてますが、いしかわ的には敵の能力管理がスゲエ楽になった、特にお話にもあるように術者が楽になったのと、hpが増えて死ににくくなってる分、ぞんざいに動かしててもなんとかなることが多いんで、DMとしてはスゲエ楽な割に戦闘の楽しみはそう減ってないのかなーという気がします。
昔ほど幅がないのは確かだけど、決まった枠の中ではそれなりにいろいろできるしね。
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