2008年1月30日水曜日

Humans  ----Bruce Cordell

今回はコーデル先生からの「人間とは」ってお話。

4eにおける人間の立ち位置とか、「なんで人間が4e世界に一杯いるの?」とか。
まあ結論から言うとこれまでとはあんまり変わってなかったりなんだけど、4e世界の歴史設定についても触れられてるんでちょっと訳してみた。

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物語、神話、伝説----人々は自らの歴史を物語として語り、アイデンティティを築き上げる。

でも、原初の神話なんかを見てみると、それはあいまいで、いいかげんで、失敗だらけだったりする人間たちは、その一方で世界を闊歩する多種族と比べてやたらと適応力が高いことが見て取れる。

ドワーフの口伝に言う。「ドワーフは大地の骨から削り出されて生まれたものである」と。
また、エルフの古伝には「エルフはFeywildの野生の原に生い茂るがごとく生まれ出でたり」と歌われている。

しかし、人間には確固たる起源は伝えられていない。

賢者や伝説はもっともらしいことを述べている---数百万の年月を経て、猿から人が生まれたなどという説さえあるくらいだ---が、真実は不明なままだ。


出自ははっきりしないものの、とにかく人間は生まれ出でた後に爆発的に地上を席巻した。
人間はしなやかで、高い適応力、予想できない思考、そして強力な融通性を併せ持つ種族なのだ。
その文明は森の木の葉のごとく多様であり、いくつかは強大な帝国を作るに至った。
強力な戦士を集めた帝国もあれば、知恵と論理でまとまった帝国、魔法の大国、また商業により金と鉄と絹を集めた帝国もあった。



しかし、いかなる帝国であっても、滅びは不可避であった。

滅んだ帝国は今や遺跡や廃墟、あるいは神話に名を残すのみである。

Nerath帝国もまた、ほんの一世紀ほど前にオークやゴブリン、デーモン---そして一部のものが言うには古き呪い---によって崩壊を余儀なくされた。いまや人間たちの文明は未開にして暗黒の世界のあちこちに、残り火のごとく点在しているに過ぎない。

しかし、人類は未だ彼らの運命が決していないことを知っている。

人類の”やればできる can-do”精神は平凡な農夫を次代の英雄となし、未だ見ぬ次なる「帝国」を作り出す第一歩とするのだ。 

人間は意欲的で、やる気にあふれ、実際的で、勇敢で、クリエイティブで、機知に富んだ種族なのだ。

こうした人間の特質がもたらすパワーは新たな展望や経験をいつも欲していて、暗闇を手探りで進みながら知識や力を見つけ出す。 そして、その作業の繰り返しが歴史を、世界を作り上げて行くのである。
いまや人類は武器、秘術呪文、そして信仰を手に、自らを守ることを学んでいる。これらのものはいずれも無数の経験と試行錯誤の上に進化し発展したものであり、またこれからも進歩を続けていくだろう。


世界最後の帝国は人間によって統治されながら、多くの異種族を含んでいた。滅んだ今でも帝国の存在は人類のよりどころであり、同時にドラゴンボーン、ティーフリング、エルフ、ドワーフなどたくさんの種族の故郷でもある。
人間の欲望は辺境への進出と、居留地の拡大へと繋がっている。
また美術の分野でも、エルフやドワーフがそれぞれ定型的な嗜好を持つのに対し、人間の表現方法は非常に多彩である。

こうした「力」の原動力は一体何だろうか?

ひとつには人類の短命さが上げられるだろう。人間族はせいぜい3世代しか同時にいることはできない(これがエルフならひいーひいーひい爺さんくらいまでは一緒に活動するはずだ)。よって、人間族は他の長命種と比べ不安定で、動揺しやすい。一方で、古い世代に気兼ねせずに済む分、新しい世代が様々な分野で活発に働くことが可能でもある。
こうした性質は人類の特質としての進歩性や発展性の原動力となるものだが、それは同時に争乱や革命を引き起こしもする----そしてそれは戦争などといった災厄の形をとって人々に襲いかかるのだ。

他種族からは、人間族は野卑で無秩序な種族だと見られている。しかし、誰もが人間の力---諦めずに何かをやり遂げる力を認めている。人間族は、たとえ何かに失敗しても、成功するまで何度でも、諦めずにそれを繰り返す。たとえその世代ではなしえなかったことでも、次の、またその次の世代がそれを引き継ぎ、達成してしまうのだ。
帝国が滅んだとしても、1-2世紀の間には必ず次の帝国が生まれてきた。

断固たる意思を持つ人間には到達しえぬゴールなどなく、どんな野心も壮大すぎることはないのだ。
No goal seems out of reach to a determined human, no ambition too grand.





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Nerath帝国てのはここでいきなり出てきた言葉なんだけど、4eのコアに掲載される世界の歴史の一部らしい。
enworld調べてみたらちょっとだけ出てきてるけど、コア内でどのくらい濃く使われるものかは不明。

http://www.enworld.org/archive/index.php/t-215321.html

まーでも他の記事見ててもちょくちょく出てくるから、頭の片隅くらいにはおいといてもいいかもね。


人間の立ち位置ってのは、どうもこれまでとほぼ同じっぽいね。

短命故に無思慮で無謀、でもそれが進歩の原動力となって他の長命な種族より広く早く世界に浸透していく、みたいな。


・・・・しかしコーデル先生、結構こういう原稿ではいい事書くんだよなあ。
3eの頃もそうだったよね。



どうしてシナリオではあんな(以下略)

たぶんこう、大がかりな物語とかストーリーとか場面を考えるのはスゲエ上手いんだけど、細部をルールに落とし込んだりシステムに沿ったものにする作業が苦手な人なんだろうねコーデル先生。
「DMやらすと万人が喜ぶマスターになるけど、そのシナリオを人にやらせると全然上手く回らない」みたいな。




・・・という話を最近「日本にもこういうデザイナーさんがいるよねー」って文脈で話してましたよ。



なあ、t(以下危ないので略)


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