2011年12月30日金曜日

Kingmaker 第2回(下)

第2回。
公式シナリオなので超ネタバレ。
Kingmakerで遊ぶ予定の人は読まないことをおすすめ。

ということで、続きー。



エラスティルの月 8日

森を探索中のこと。なにやら目に見えぬ気配がPCのあたりを飛び回る。
時折クスクスと笑い声。
リルカ「このあたりの森、フェイウィルドの力が強いらしいですから、妖精なんかが良く出るって聞いたことがあります(〈知識(自然)〉成功 )」
アルティン「へぇ、妖精ねえ・・・ん?」

ふと見れば、彼らの行く先に小さな人形がふわふわと漂っている。
何に支えられているでもなく、風に乗るかのように宙に漂うその人形は、うっすらと輝きながら、舞うような優しい動きで森の道を漂っていく。

アルティン「・・・・・・ついてく?」
マルルイス「・・・・・・まあ。」

人形に導かれた先には、こんこんと清水が出る泉だった。昼の陽のせいだろうか、きらきらと輝く水面は、清浄な雰囲気を漂わせている。
人形は水面を歩き回るかのように、ふわふわと泉の上を漂いはじめる

ジュゼッペ「・・・なんだろ。入れってことかね?」
マルルイス「ふむ・・・よし、私が入ってみましょう」

ざぶーん。

GM「見た目よりも深い泉に首までマルルイスがつかると、昼さがりの暑気が泉の冷たい水に冷やされて大変心地いいね。

というところで、空から再びぱさりぱさりという羽音と、こらえきれないといわんばかりに吹き出す声が聞こえてきた」
マルルイス「ん? 吹き出す声?」
GM「ふとマルルイスが我に返ると、君が首まで浸かっていたキレイな泉は動物の糞と死体でどろどろになった汚水だまりのようなところだということに気がついた! その姿を見て、空中で甲高い、けたたましい笑い声が木々の向こうに飛び去っていく」*5
マルルイス「ギャー! 化かされた!」
バーバリアンとしての意地か、その後の頑健セーヴをくぐり抜けたマルルイスは、水場を見つけるまで超ばっちい生き物として微妙にパーティからハブられとったそうな。

その後、オレグの交易所に戻って一斉に冷たい鉄製の武器をそろえはじめる冒険者たち
ウェアウルフのときといい、毎回泥縄だなお前らw

そのほか、平原で一人世捨て人生活を満喫する薬師ボッケンのところを訪れてファングベリーの実をとってくるよう依頼されたり、荒れ地に金の鉱脈を見つけたり。
金鉱はすごい発見なんだけど、いま現金にならないため地図に記入するだけして終了。切ない。



エラスティルの月 12日

草原を抜け、荒れ地に入ってしばらく進んだ小高い丘に、巨大な樹が一本生えていた。
葉もすべて落ち、乾いて灰色になった樹皮をむき出しにしたその樹は、細く鋭い枝を天に100ftも突き出し、日の沈みかけた灰色の空に突き出された巨大な手のようにも見えた。
一行はその樹の根元に、無数の人型生物の小さな足跡と、地下につながるとおぼしき開口部を見つける。


「冒険者とは、穴が開いてるのを見つけるとうれしそうな顔をして入っていく生き物である」
その言葉通り、一行はうれしそうな顔で開口部に潜り込んだ。

***

その穴は、マイトの巣だった。
マイトというのはフェイウィルドの住人の中で最も惨めで哀れな者たちといわれている、つまりはこんな奴ら。

マイトの巣は狭く、天井も低い。半ば這うようにして地下を進む一行は、やがて地下に住むマイトが通路の奥に逃げていくのを見つける。彼らを追ううちに、地下洞の続く中に10ftほどの幅の大きな亀裂に行き当たった。
マイトたちは蔓を編んだ橋を渡り、それを落として亀裂の向こうを逃げていく。

マルルイス「・・・深いね。といって、10ftだと飛び越えるのが怪しい人もいるか・・・」
ジュゼッペ「あ、僕ハシゴ持ってますけど。10ftの」
全員「ちょwww なんでそんなものwww」
ジュゼッペ「や、なんかキャラ立てにいいかなって」
アルティン「なんのキャラだw まあ、あるんなら使おう。じゃあ私から」

ということで渡りはじめたところで、亀裂の向こうに逃げたはずのマイトたちが、物陰に隠れながらダーツを放ちはじめる。

マイト「侵入者に死を! ギャワギャワ!」

とはいえ、ACの高いアルティンにとって、マイトのダーツなど通じない。まずはアルティンが、次いでマルルイスが亀裂を渡り、矢を構えたマイト達に向かっていったとき--

マイト「モジャモジャ! 助けて!」
マルルイス「・・・・・・モジャモジャ?」

パーティを分断していた亀裂の底から、身の丈20ft以上もある巨大な虫が這い上がり、鎌首をもたげるように一行をねめつける*8。
威嚇するようにカチカチと牙を打ち鳴らしながら、体の左右に生えそろった無数の脚をうごめかせ、ヒュン、ヒュンと鞭のようにしっぽを振り回した。

おなじみウィップテイル・ジャイアント・センチピードでした。

センチピードはまだ亀裂を渡っていない3人の方に鎌首を向ける。
先日野営中に痛い目にあわされたことのあるジュゼッペが、顔を強張らせながら後衛の2人を守るためにセンチピードの前に立ちふさがる。
先行した2人はジュゼッペの防御力を信じて、まずは奥に隠れているマイト達を一掃することに決定し、あたるを幸い右から左へマイトを斬り捨てて通路の奥へ進んでいく。

マイト「チックルバック! 助けて!」
マルルイス「・・・・・・・・・・・・チックルバック?」
チックルバックはこんなんでした。

マイト「チックルバック、新しいご飯! 食べる! 食べる!」
マルルイス「ギャー!」

大蜘蛛に騎乗したマイトに率いられるように、さっきまで逃げ惑うばかりだったマイト達が戦列を組み、アルティンとマルルイスに向かって来る。

GM「ふふふ、これぞマイト族必殺の誘引の計! マイトと蜘蛛に挟撃されて死ぬがよい!*6」
アルティン「くっ! ・・・蜘蛛って悪?w」
GM「うん、こんな地獄の悪鬼のように邪悪な見かけだから、きっと悪じゃないかな?」【サメのような笑みを浮かべながら】
アルティン「はいはい、中立ですね! 知ってたよくそ!」

とはいえ、ACの高いアルティンが被害担当として前に立ち、マイトやチックルバックの攻撃を受け止めて、マルルイスが挟撃をとって回るという戦法の前には抗す術もなく。チックルバックが思ったよりいいダメージを稼ぎ出していたものの、挟撃要員のマイトがいなくなるとやっぱり攻撃が当たらなくなる。
後衛組も、ジュゼッペのACに攻撃を阻まれ、マルティンやリルカの呪文、そしてレーニアの魔法剣が唸りを上げて、どうにか撃退に成功する。

結局数匹のマイトは討ち漏らしたものの、一行はマイトがため込んでいた宝物や粗末な作りの地図のようなものを見つけるとともに、檻に入れられたコボルドを発見する。
コボルドの話を聞いてみると、彼は川辺に住むスートスケイルというコボルド一族の御曹司だという。

ミクメク「大足!*7 お前ラ 俺連れて帰る、親父すごく喜ブ、お前らお宝でウハウハ! だからお日さま肉、俺を助けル!」
アルティン「・・・助けるのはいいけど、お前の家って?」
ミクメク「知らン! 俺、さらわれてきた! 川のそば! でもどこか知らン!」
マルティン「・・・めんどくさいの拾っちゃったなぁ・・・」

そんなわけで、取り急ぎ近くに生えてたファングベリーを集めてボッケンに届けたりとか、新しく仕立てたプレートメイルを受け取るためにオレグのところに戻ったりしたところで以下次号。

なんつーか、よく考えたらkingmakerでたころってAPGもまだだったって考えたら、UCまで入ってるこのパーティ相手には敵が歯ごたえがなさ過ぎるような気がしてきた。
次回あたりからもうちょっと調整入れるべきかしら。
などと考えつつ。



*5:フェアリードラゴンとグリックのコンビプレイ。この森はフェイウィルドの影響が強いため、こういうクリーチャーが多い。らしい。ちなみにグリックはこんな美少女(笑)でした。

*6:や、まあ、偶然なんですがw シナリオ的には”モジャモジャと闘ってるところで数ラウンド遅れてチックルバック登場”みたいな感じになるんですが、前衛2人が勝手にチックルバックの方に突っ込んでいってしまったためになんか誘引の計で分断に成功したみたいな感じに。おかげでCRより遥かに強力なエンカウントになりましたw
*7:コボルドスラング。中型以上の人型生物はBigfeets、恒温動物はsunmeatと呼ばれてるらしい。このへん参照。http://4thcage.blogspot.com/2008/10/blog-post_04.html
*8:マイトは虫と心を通わせる”Vermin Empathy”というナウシカ的な能力を持っているため、センチピードや蜘蛛を従えたりできる。ので、実はあんまり油断できなかったりとか。

2 件のコメント:

さんのコメント...

やはりAPGやUM,UCを導入するとPC強くなりますかねー。
 一つ一つの能力は基本と比べてもそれほど強いとは思わないのが多いですが(なかにはおかしいのもありますが)、組み合わせ方によっては強くなるのかな。

 単純に脅威度を上げるだけだとインフレ気味になるので、特技などの差し替えなどでバランス取れないかなと思うのですが実際はどうでしょう。

いしかわ さんのコメント...

や、けっこう強くなってる感じですな。
特にアーキタイプ系と特技や特徴との組み合わせが。

敵も同様に特技とか呪文で強化してやればいいんでしょうが、そこそこ手間がかかるので時間があれば、ですかね。
時間がなければPaizoが推奨するようにAdvancedテンプレート付けちゃうのがラクでよいかとー。

あとは数ですかね。特に今キャンペーンではPC2人増えてるんで、敵もちょっと増やさないと、遭遇がつまんないってのもそうですが、経験値が足りなくなるんですよねー。