2011年12月29日木曜日

kingmaker 第2回(上)

第2回。
公式シナリオなので超ネタバレ。
Kingmakerで遊ぶ予定の人は読まないことをおすすめ。

参加PCは以下の5名+ゲストPC1名。

・アルティン=ゲール PLゆづる
エラスティルのパラディン(ホスピタラー) 人間 秩序にして善 
・ジュゼッペ PL.L-Heart
ファイター(ファランクスソルジャー)  人間 秩序にして中立
・マルティン=ルーサー PL 扇
デスナのクレリック 人間 混沌にして善 
・マルルイス PL備前屋 
バーバリアン1/ローグ1  ハーフエルフ 混沌にして中立
・リルカ PLうら
ウィッチ 人間 混沌にして中立
・(ゲスト)レーニア PL 梅酒
メイガス ハーフオーク  

***

オレグの交易所を冒険者達が発って数日後--アブサロム歴4711年エラスティルの月(7月)4日のことだった。
夕日も地平線に沈もうとしているころ、南の方からもうもうと砂煙を上げながら、騎馬の一団がこちらに向かってくる。
交易所の前を掃き清めていたオレグは、喉の奥でひっ、と小さく悲鳴を上げた。



数日前、彼はこの近辺--ストーレンランドを縦横に跋扈し、無法を行う盗賊団の一団を、流れの冒険者を使って撃退した(といっても、盗賊を交易所に招き入れてからは、彼はテーブルの下に体を丸めて震えていただけだったが)。
冒険者達は見せしめに盗賊団の頭を交易所の防壁に吊るした後、「このことが相手に知れる前に盗賊達の本拠地を襲う」と言い残し、南に30マイルほど先に広がる森--グリーンベルトへと向かっていった。
しかし、捕らえた盗賊の聞き伝えで盗賊の本拠地が探し出せるかどうかもわからない(そもそも奴らが本当のことを話している保障などないのだ!)上、グリーンベルトはトロルやタズルワームと呼ばれる亜龍が巣くうことで知られた剣呑な地域である。
また、オレグの知る限り、盗賊達はまだ10人以上残っていたはずだ。たかが冒険者5人であの恐ろしい森を抜け、数に倍する盗賊団を倒せるものだろうか。
オレグは盗賊から奪った馬を駆る冒険者たちを見送りながら、そんな不安を感じていた。


そして、こちらに向かって走ってくる一団--未だ姿は見えないが、その蹄音と砂塵から10頭以上の騎馬であることが知れる--を見たとき、彼は不安が的中したことを確信した。
冒険者たちは返り討ちに遭い、怒り狂った盗賊たちが頭目の敵を討つべく殺到してきたに違いない。
全身の毛が逆立ち、背筋を冷たく粘りつく汗が走る。
彼は手にしていたほうきをうち捨て、壊れた操り人形のようにひざをがくがく言わせながら交易所に転げ込んだ。




結局、冒険者たちはすべてをやりおおせた。
トロルの徘徊する森を抜け、不確かな情報から盗賊たちの本拠地を探り出し、そこで盗賊たちの不意打ちを受けながらすべてを返り討ちにし、本拠地で飼われていた馬10頭とたくさんの保存食と資材、そして幾ばくかの財宝を持ち帰った。
財宝の中にはかつて盗賊たちに奪われたオレグの妻スヴェタナの結婚指輪も入っており、大喜びしたスヴェタナは腕によりをかけた手料理ととっておきの葡萄酒で彼らに報いた(*1)。
オレグは交易所の危機を救ってくれた冒険者たちに「すべての品を定価で売り買いする」ことを申し出た。本来遠隔地で通常より物価の高いこの地で定価で買い物ができるだけでなく、冒険の最中に見つけたものを定価で買い取ろうという、オレグとしては自分の出来る範囲での最大の援助の申し出だった(*2)。

***

GM「さて、PCたちの帰還した翌朝-エラスティル月の5日の朝。オレグの交易所を訪れる者があった。使い込まれた板金鎧を着た初老の男と、それに率いられているとおぼしき、揃いの鎧を身につけた3人の兵士だ。」
カステン「剣卿から、ここを盗賊たちから守るために派遣されたカステンだ! 門を開けてくれ!」
リルカ「……遅いってのよ」

とはいえ、話してみれば気のいい彼らの任務はここに常駐して、盗賊やモンスターから交易所を守ることだ。
カステン「なに、ここの守りは任せてくれ。わしとて長いこと傭兵で暮らしとった男よ。これだけの防衛施設と、この3人の屈強な兵士がおれば、君たちの帰るところを守るくらいはしおおせるぞ」

さらに昼過ぎにはもうひとり、カヴケンが護衛を伴ってやってきた。
カヴケン「私はエラスティルの司祭、カヴケン。この地に再びエラスティルの教えを広めるためにまいりました」
アルティン「おお、これはこれは司祭さま。」(←エラスティルの聖堂騎士)
カヴケン「おや、あなたもご同朋ですな。これはありがたい、あなたにお願いしたいことがあります。グリーンベルト一帯は、かつて入植者も入っていた開拓地だったのです。あの森には、数百年前にうち捨てられたエラスティル神の神殿と、エラスティル神の似姿がどこかにあるはずです。可能ならば、私はそこを訪れ、古き同朋たちと我が神に祈りを捧げたい。
「しかし、この近辺は危険な生物が多いことで有名です。どうぞ探索の際にはお気を付けて。たとえば……狼男などに備えて銀の武器はお持ちですかな?
全員「遅いわ!

とはいえ、カヴケンは正式に派遣された司祭で「森に隠された神殿のありかを明らかにしてくれたら400gp支払う」と約束してくれた。

他にも、役所からの手配書や錬金術師が材料を求めてオレグの交易所に残していった貼り紙にはタズルワームや大イノシシなどが賞金首として挙げられていた。*3

アルティン「おお、この地を守る領主として、このような危険な生物が野放しになっておるのを見過ごすわけにはいかない! みんながんばろう!」
GM 「ちょw もう領主気取りかよw」

***

レーニア(カヴケンの護衛)「……ところで、私はこれでお役ご免ですよね? ……ようあんたら、冒険者だろ? 俺も同行させてくれないか?」
ということでゲストPCであるハーフオークのメイガス レーニアが一行に参入。

この手の拠点型シナリオはこうやってすぐPCを補充できるところがいいよね!
何人死んでもすぐ穴が埋められるからな!
【サメのような笑みを浮かべながら】

レーニア「コンゴトモヨロシク」


とりあえず情報収集を終えた一行は、早速全員で軍馬を買いもとめ、第一任務である土地の見聞&地図作成へ。
とはいえ、特にどこに行こうってな当てもないので、近場から順に盗賊の住むという森(グリーンベルト)を調べていくことに。

***

エラスティルの月 6日


草原を探索中、タズルワームに襲われる。タズルワームは突撃からのひっかきで大ダメージを負わせたあげく、組み付きに成功すると【敏】への毒をはきかけてくるという危険生物だったが、突撃ができないとあんまりやることのない生き物だったため、イニシアチブをとられたところでほぼ終了。 
賞金がかかっていることを思い出され、首を刈られて持っていかれる。

エラスティルの月 7日


森を探索中、小高い丘でコボルド4匹がニンジンのようなモノを掘り出してはかじっているのを発見。
リルカ「・・・あのニンジン、オレグのところで賞金付き*4で探してたやつじゃない? ムーンキャロットとかなんとか」
レーニア「(話の途中で)チャージ。・・・・・・あ、クリティカル・・・ダメージ54点だけど生きてる?
GM「・・・(ころころ)ウワ、大規模ダメージ落とした! いやー残念、通してりゃ生きてたかもしれないのにー」
ジュゼッペ「こっちのコボルドに・・・あ、シケた。6点」
GM「死んだーw」
レーニア「うるせえよw」
まあ、コボルド4匹なんざ問題外だって話ですよ。ええ。

夜は夜で野営中に群れをはぐれたらしいイノシシと遭遇するが、夜番に立っていたレーニアが突撃一発で葬り去ってしまったため、他のPCは朝まで遭遇があったことに気づくことすらなかった。哀れボアはボタン鍋の材料に。合掌。



というあたりで長くなったので(下)に続く。


*1:実はここで指輪の報酬として、さらに1000gpが支払われた。一介の交易所のおかみがたかが50gp程度の指輪になんでこんな高額を支払うことができたのかは謎。
*2:シナリオ読んだ感じ、拾えるお宝が少なそうなので補填のためにこういう処理にしてみた。拾える金増やしても同じなんだけど、高値で旅人にものを売りつける交易所(偏見)としてはこんな好意の示し方もありかなーと。
*3:野外中心のシナリオだと敵がお宝持ってないなんてことはしょっちゅうなので、その辺埋めるためにこういう処理になってるんだと思われる。確かに、CRのわりにはお宝でないやつ多いもんなあw
*4:ニンジンの報酬として、オレグのおかみから250gpが支払われた。一介の交易所のおかみがなんでこんな高額を(略

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