2008年12月26日金曜日

【4e】マークの相違点について(081228改稿)

4eの前衛クラスっつーか防衛役向けの能力で最も変わった点と言えばこの能力。

正式には「ファイターの標的」、パラディンの「ディヴァイン・チャレンジ」あるいはソードメイジの「ソード・メイジの盾」能力により、任意の敵の行動や攻撃を制限する能力なのだが、同じ「マーク」という用語で括られてるにもかかわらず、クラスごとに効果や継続なんかが結構違っている。

これ、勘違いしがちな上に、役割に強く関係してるとこなんで間違ってると致命的なことにもなりかねない。
ということで、今日はそのへんを比較しつつご紹介。


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[ファイターのマーク:ファイターの標的]
攻撃した相手何体でも*マークでき、使用者の次のターン終了まで持続
・マークされた相手は使用者を含まない攻撃をしたりシフトしたら、即応・割込アクションとして1回近接基礎攻撃できる
・マークされた相手は使用者を含まない攻撃をする際、-2のペナルティを受ける

ここでのポイントは次の通り。
■攻撃さえすればマーク成立
:攻撃の種類・正否は関係ない。つまり、飛び道具で攻撃した相手でもいいし、エリア攻撃なら対象になった全員がマークされる
:逆に言うと、攻撃できない相手はマークできない。突撃で相手を倒してしまった場合などはマークを他に向けたくなるが、それはできない、ということだ。
■マークは次のターン終了まで持続
:つまり、離れた相手をマークしてもそれなりに意味はある
■マークされた相手への攻撃は即応・割込アクション
:つまり機会攻撃ではない。よって「卓越の戦士」は適用できない。

戦闘時、ファイターの役割は敵の足を止めることだと言うことを考えるに、「とりあえず攻撃すれば足止めになる」というこの能力は非常に強力だ。
マークされた相手の行動を
 ・ファイターを殴る
 ・その場でorシフトして別のPC殴る(1回殴れる&命中-2)
 ・移動してファイターの手の届かないところで攻撃(機会攻撃(=移動止められる可能性アリ)&命中-2)
の3つに絞ってしまうってことだからね。
最後の1つはエラドリンのフェイ・ステップみたいなものまでは止められないけど、たとえマーク後の攻撃が当たらなくとも仲間への攻撃を-2できるのは大きい。
つまりファイターは”d20の目が悪かったらどのクラスもゴミ”という4eシステムにおいて、「攻撃指定するだけで仕事ができる」という希有なクラスだということだ。
すごいぜファイター!
(他のクラスのマークも同じだとかガタガタ言わない)


[パラディンのマーク:ディヴァイン・チャンレンジ]
・ディヴァイン・チャレンジはマイナー・アクションを使用する無限回パワーである
近接範囲・爆発5の能力で、マークできるのは1体のみ(ただし複数を同時にマークするパワーもある)
・マークされた相手は使用者を含まない攻撃をしたら、-2のペナルティを受けるとともに、即座に3+【魅】修正分の[光輝]ダメージを受ける(1ターンに1回まで)
・マークしたターン中に相手と”交戦(攻撃するか隣接して終了)”してないとマークが途切れる

ポイントとしては
■マイナー・アクションで発動
:攻撃以外のアクションを行ってても使用できる
:突撃後(=他のアクションが取れない)には使用できない
■効果としては3+【魅】修正分の[光輝]ダメージ
:命判不要→ミニオンは即死
:でもダメージが安い→ある程度hpのある相手は無視できる
■発動は「使用者を含まない攻撃をしたとき」のみ
:相手はシフト等で移動できる

前者は意外と意識されてなかったりするが、実は結構痛い。突撃後できないってのもそうだが、武器持ち替えやボルト装填、ポーションを飲んだときなんかもマークできないってことに。
反面、とりあえず隣接すればマークは維持されるから、”倒せる相手を攻撃→移動・隣接→マーク”なんてことも可能になるという長所もある。
そして効果の問題は実は非常に大きい。3+【魅】修正分というと、1レベル時点では最大でも8点。この程度のダメージだと、ミニオン以外の敵は食らうの覚悟で平然と移動・攻撃してしまう。まあそれでもファイター同様、-2のペナルティは与えられるからいいっちゃいいのかも知れないが。
ファイターのとは違って相手の移動に対しては抑止力にならない、というのもポイントだろう。


[ソードメイジのマーク:ソードメイジの盾]
ソードメイジの場合は上2者とはちょっと違って、キャラメイク時にイージス・オヴ・アソールトイージス・オヴ・シールディングのどっちかを選択する形式を取る。
・どっちも近接範囲・爆発2で、マイナー・アクションを使用する無限回パワーである
・どっちも別の相手をマークするまでそのマークが維持される
・マークされた相手は使用者を含まない攻撃をする際、-2のペナルティを受ける
アソールトの方はマークした対象が10マス以内にいて、使用者を含まない攻撃を行ったら即応・割込で[瞬間移動]・その目標に隣接するマスに移動し、1回の近接基礎攻撃を行える
シールディングの方はマークした対象が10マス以内にいて、使用者を含まない攻撃を行ったら即応・割込でその攻撃のダメージを5+【耐】修正分だけ減少できる


コイツのポイントはというと
■近接範囲・爆発2
:……狭い。
■マークは別の対象をマークするときまで維持、効果範囲は10マス
:長くて広い。強えー。
■マイナー・アクションで発動
:攻撃以外のアクションを行ってても使用できる
:突撃後(=他のアクションが取れない)には使用できない
■発動は「使用者を含まない攻撃をしたとき」のみ
:相手はシフト等で移動できる
■アソールトは[瞬間移動]で対象の隣接マスに移動
:挟撃を含む戦術的な移動が非常に容易

特にアソールトの[瞬間移動]は強力。前衛同士がマークしあって互いに動かなくなる、というのはありがちな光景だが、この能力があればマークも関係なく移動できる。また、移動系能力で位置を移動させられても元の位置に戻ってさせることもできる。しかも戦ってる相手以外の相手でもマークできるので、うまくやれば対面してる相手と2マス離れた相手の実質2人をブロックできるのも強力だ。
強いて言えば、範囲がやや狭いのが欠点か。

ただし、”壁として戦線を支える”のが防衛役の仕事だと考えるとうかつに動きまわるのもアレなので、ほかのマークに比べて戦術眼が必要とされるマークかも知れない。
どちらかといえば迎撃役寄りの、「2人目の迎撃役」として最適な能力と言えるかも。


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ということで、3つのクラスのマークを比較してみたがどうだろう?
ファイターのが近距離パワー型とするならパラディンが遠隔自動型、ソードメイジのが中間型、といった感じだろうか。

ここであえてマーク能力の優劣を付けるなら
ソードメイジ(アソールト)≧ファイター>パラディン=ソードメイジ(シールディング)
という感じになるだろうか。
やはりソードメイジはマークの維持が簡単な点と、攻撃の瞬間に[瞬間移動]できる機動力が素晴らしい。シールディングの方は、ソードメイジは【耐】に能力値がまわしにくそうなのと、ダメージを1Rに1回止めて状況が変わるか、というと微妙な気がするのでこの位置に。やっぱ防御より攻撃だと思うのですよ、4eってゲームは。
ファイターはアクションが不要な点や、「卓越の戦士」とあわせた移動抑止能力が優秀。そして複数同時マークが可能な点が素晴らしい*。
パラディンは範囲等は使いやすいものの、やはりダメージが低いのと、移動を止められないのが痛い。まあ-2だけでも充分といえば十分かも知れないが。


あ、これはあくまで「マークの優劣」である点に注意!
PC数の少ないパーティなら前線を支える確実性から
ファイター>ソードメイジ≧パラディン
になるかも知れないし、パーティの構成要員としては戦闘能力に加えて回復能力のあるパラディンが有用な場合だってあるんだからね。
「どんな能力だろうと、人にはそれぞれ、その個性にあった適材適所がある。 王には王の……料理人には、料理人の……」という言葉もある。
マークだけ強力でもそれだけではどうにもならないし、なによりそれを使うPLの運用あってのものであるということを、ゆめゆめ忘れてはならない。


*ルール誤認による間違いを訂正。ほえほえさん指摘ありがとう!

6 件のコメント:

apilgrim さんのコメント...

ファイターは王。”Martial Power” 本にあるルールがファイターをもっと強くなる。ファイターが自分でTEMP HPを溜めるようになってしまいました。DM時にPC 3人、4人ファイターが珍しくない。
ファイター祭り卓に Immobilize、Dazeできる怪獣が必要です。

パラデインがDMに無視される場合が多い。“Divine Power”本が書き表すまで、この問題が通つけるそうです。

いしかわ さんのコメント...

>Pilgrimさん
>ファイターは王

おお!ついにファイターの時代が!

まあ、Divine Powerが出るまでの命でしょうが(笑)。

>DM時にPC 3人、4人ファイターが珍しくない

ううむ、それはwillを攻める攻撃が必要ですな。
Dungeon誌#346に出てたClass Actのwiz spellがいいと見た。
3.xeならego whipで終了なんだけどなー。

匿名 さんのコメント...

『 ファイターの標的 』 は、対象数に上限はないですよー。
攻撃の対象となった全てのクリーチャーに、マークを宣言することが出来ます。
なので、ファイターは機会攻撃やパワーなどにより与えられた攻撃の機会 ( ウォーロードのコマンダーズ・ストライクなど ) を得れば、どんどんマーク対象を増やすことが出来たり。( ´∀`)
ただし、マークの宣言は攻撃の対象とした相手にのみなので、例えばクリーヴで隣接する敵にダメージを与えたとしても、その隣接していた敵にはマークできないことに注意です。( WotC FAQ より )

あと、ファイターをいぢめるなら意志の他に反応という手も。w
盾を持ってないなら狙い目です。

いしかわ さんのコメント...

>『 ファイターの標的 』 は、対象数に上限はないですよー。

な、なんじゃってー!

……あ、ホントだ。
「1体のクリーチャーがマークされるのは1人からだけ」というのを勘違いしてました。
1モカごっつあんでス!

うっわー、だと評価変わってくるかなあ。
まあソードメイジも複数マークする能力あったりするけど。

>ただし、マークの宣言は攻撃の対象とした相手にのみなので、例えばクリーヴで隣接する敵にダメージを与えたとしても、その隣接していた敵にはマークできないことに注意です。( WotC FAQ より )

おおー。このへんはやっぱり厳守なんですね。
まあ妥当だよねー。

>あと、ファイターをいぢめるなら意志の他に反応という手も。w

あー、どうですかね。
いまのところ両手武器にあんまり意義がないのと、ファイターの仕事を考えるとファイターは盾必須かな、とか思ってますが。
AC以外に反応上がるのは強いよね。
や、エクスキューショナーズアックスみたいな強烈な武器がぞろぞろ出てくるようならまた考え直さなきゃですが(笑)。

匿名 さんのコメント...

>[パラディンのマーク:ディヴァイン・チャンレンジ]

…チャンレンジというと、チャン・コーハンの鉄球が届く範囲とかそんな感じのアレですか?

匿名 さんのコメント...

随分時間が経っていますが#DnDjの流れで投稿。ソードメイジのアソールトタイプは即応・対応では?