2009年4月10日金曜日

Google Book Searchを見てみた

Google Book Searchがどれくらいヤバいのか?
実際に使ってみよう。

ということでベータ版Googleブック検索にアクセスしてみる。
http://books.google.co.jp/books
あ、もう日本語化されてたんだ。びっくり。

ではさっそく。検索語を「dungeons and dragons」でやってみたところ1050件hitあり。



なんすかこの見慣れた表紙群。
コアルールはもちろんのこと、Dummiesも小説も入ってるよ!

下の方みるとAD&Dのころのモンスターマニュアルなんかもある。
そのほか、種族本なんかはもちろん、4e発売直前に出てたRaces&Classesなんかもあるよ!
まだ本文データは見れないみたいだけど。

本文データがあるのは「部分プレビューの書籍を検索」って記載のあるやつだけっぽい。じゃ、記載されてるDungeon Masters for Dummiesはどんくらい見れんの?



読める
おもっくそ読める
何が「部分プレビュー」なのかわからんくらい読める。
あ、黄色くハイライトされてるのは検索語ね。

んで、ざっと見さすがに本文をコピペしたりはできないし、書誌情報以外の部分は保存も印刷もできないみたい。
ま、そらそうだよねー。
ものによってはpdfのダウンロードもできるみたいだけど。

でもpdf化されてないやつでも(ここでやってるように)一回画像として取り込んでからOCRかけるとかって手はあるだろうし、この辺の作業を一括でやっちゃうソフトを作ってばらまくやつが出るんだろーなーとか思わんではないけど。
単純にページごとに印刷するソフトができるだけでもかなり使い出あるよねー。とか。


ん? じゃ日本語で検索したらどうなんの?
というわけで今度は検索語を「ダンジョンズ」にしてみた。


おわー! 見慣れた表紙が!


下のほうにはトーチポートもあるよ

日本語書籍は(いまのところ)あげられてる書籍のほとんどが「プレビューを利用できません」、つまり表紙と販売リンクの紹介だけになってるので、本文を読むことはできない。
ってもこの点は時間の問題なんだろうなー。
すでに読めるものもあるし。 例)「クトゥルフ」で検索した本


なんにせよ、読み手としては非常にありがたい時代がくるようだ。
ていうか、今のやり方が維持されるなら書き手にとってもうれしいんだよね。
絶版されて誰の目にも触れないような状態になるくらいなら、ただでも使ってもらった方がなんぼかましだろ。とか。

であると同時に、この強烈なシステムに対して出版社やなんかがどのように対応するのか非常に気になる。
「書籍文化を守るために」って作られたこいつのせいで出版社が収入激減してバタバタつぶれるような事態が起こって結局書籍分野が廃れる、なんてことになれば本末転倒なわけで。
まあ実のところ、そんなことはほぼ100%起こらない(そもそも絶版になってるもんじゃんね)とは思うけど、これをお題目に裁判でもめることは不可能じゃなさそうだよね。

や、出版社にも従来品のPRとかって意味でメリットはあると思うけどなあ。
まあ図鑑的な本とかはアレだけど。
あ、あと古本業界は大変なことになるのかもねー。


ところで、いまのところアップされるデータは絶版本に限るようだけど、出版社が「じゃウチはすべての本を絶版しません」とか言い出したらどーなんのかね。
オンデマンド出版つかうこと考えたら理論上「品切れ重版未定」状態もなくなるわけじゃん? 
管理コストの小さいデータの保存だけでいいんだからさ。

絶版=版権を放棄することだけど、維持してたって別に作家への支払い義務とかないよね? 
まあ作家が求めたらどうなるかは知らんけど。

版権委譲に関して(googleと作家/出版社ではなく)出版社と作家間で裁判になったり、書き手が「GoogleBookに権利を委譲できない」って契約させられたりする時代がくるのかしら。
わけわかんねー。

和解の内容についてはこんなみたいだけどよくわかんね。
この辺詳しい人教えてプリーズ。

3 件のコメント:

何て名前で投稿してたか忘れた さんのコメント...

聞くところによると、来年かさらいねんかわかりませんか、googleさんに作家さんが「載せないでね」と申告しないと載るようになるとかって話でした。
日本の出版者で本人の代理がつとまるのかは、まだわかりません。交錯しているようです。

もっと詳しい人あと頼みます。

いしかわ さんのコメント...

>「載せないでね」と申告しないと載るようになる

なんというジャイアニズム宣言!


まあ絶版本って作者がどこいったかわかんなくなる事が多いんで、いちいち許可取ってらんねーってとこなんでしょうけど。
日本だと絶対やらないやり方ですよね(笑)。

>日本の出版者で本人の代理がつとまるのかは

や、全米作家協会との和解は集団和解訴訟なので、がベルヌ条約参加国の全ての著作者に適用される、という解釈のようです。
なので出版社は著作権に関しては蚊帳の外。
これで売り上げ落ちた等の損害がなければ口挟む権利がないのです。

TO@としょかんやさん さんのコメント...

こちらがわかりやすいかと。

グーグル「ブック検索」和解が拡げる日本出版界への波紋(1)
(東洋経済オンライン 2009.4.16)
http://www.toyokeizai.net/business/strategy/detail/AC/ea6aa8ccfc31899b13651d2af780a0d4

問題になっている「図書館プログラム」ですが、記事中にあるとおり日本からは慶応義塾大学図書館のみが参加しています。慶應の提供しているものは著作権保護の切れた昭和初期以前の日本語書籍約12万冊です。

Google、ブック検索で慶応義塾大学図書館と連携--図書館はアジアで初の参加
(CNET Japan 2007.07.06)
http://japan.cnet.com/marketing/story/0,3800080523,20352355,00.htm

それでもってブック検索に画像が収録される和書は
①「パートナープログラム」により出版者が提供したもの(基本的に新刊)
②慶応義塾大学図書館の提供した古書
③海外で「図書館プログラム」に参加した図書館が提供したもの
ということになります。

そして③の中に自らの保護期間中の著作物がある著作権者は『「載せないでね」と申告』しないと載せられちゃうわけです。

ちなみにグーグルへの和解参加拒否通知の期限は2009.5.5
日本国内の新聞媒体での告知は2009.2.24…


米海外の著作権者としての対応は、日本文藝家協会の主張の線になるんじゃないでしょうか
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/04/16/23171.html


参考までに国会図書館も同種の事業を進めていますが、こちらは慶應と同じく著作権保護期間の終了した資料を中心としています。

電子図書館 | 国立国会図書館-National Diet Library
http://www.ndl.go.jp/jp/data/endl.html
(これは近代史の1級資料の原文も見れて面白いです)

日本国内での落としどころは、著作権保護期間中のものは基本的に後回しという線で進んでいるんですけどねー