2008年1月15日火曜日

Iconic races --Richard Baker

PCの種族ってやつは、プレイの早い時期から重要な選択になりうるものだ。
1レベル目のクラス同様、一生ついて回るものだし、レベルアップしても内容が変わるもんでもない。
でも、ぶっちゃけた話、今までの版では種族って「能力値修正と特殊能力のパッケージ」でしかなかったよね。

だから、4eでは新しいデザインコンセプトとして、例えばドワーフならSecond Wind(hpが半分切ると回復する能力らしい)が1回よけいに使えるようになったり、エルフならFeywild(新しく作られた世界・いままでの次元界のひとつに相当)を通り抜けて短距離テレポートする、なんていうような高レベル向けの”種族専用特技”を用意した。ドラウやギスヤンキなんかも同様に特定レベルで修得できる独自の能力が得られるようになる。これのヒントになったのはFRのRacial Feat(種族特技・・・だっけ?)だ。


さて、3eの種族ってのは山のように設定されてる(Scramjetチームが下調べとしてコアとFRとエベロンの種族数を調べてみたら135個もありやがった! レベル修正値つけてPC化できるクリーチャーやSavage Spiecies, Dragon誌掲載分除いてこれだ。エルフだけで11種類もありやがんの(*1)。まいったね)。
おかげで今のまま使おうと思っても、能力値の組み合わせをつっこめる”スキマ”がもうない。なんで、しょうがなくもっとでかい能力値修正や種族的特徴つけて、代わりに”レベル調整値”載っけてキャラクター種族間のバランスを取るって手法をとってた。
でも、これって計算とかめんどくさいんだよねものすごく。
なんで、この辺の問題は4eでは新しいアプローチで整理しておいた。乞うご期待。



でだ。種族って奴はD&Dのコアコンセプトに関わるもので、D&Dってゲームを語る上でエルフ、ドワーフ、人間、ハーフリングあたりを抜きにしてはちょっと語れないわけですよ。
でまあ、残りのノーム、ハーフオーク、ハーフエルフあたりはっていうと・・・・・・まあ、ウン、アレだ。
こんなことも考えつつ、僕らは先の135種族リストと3eでのコア種族を比べたりもしていた。どれを入れてどれを引っ込めるか、なんてことも考えながらね。
この作業をやってる間に考えてたのは「リストに足りない種族はないか?」ってことだった。
そのとき出たのは「しゃべる動物っていないね」って意見だった---ちょうどナルニア国物語が映画になってたからね。でも、結局こういうクリーチャー入れるのってシステム的にしんどそうってのと、動物がぺらぺらしゃべるような絵面をなんかイヤなジョークに使われたりしちゃいそうでアレじゃね? なんて話もあって、結局ボツに。
ほかにも大規模なブレインストーミングやってみたりもしたんだけど、結局出たのは「竜人間もうちょっと使いやすくしようよ」てのと、「ティーフリング入れようぜ!」ってことだった。

2ndで生まれ、3rdで育ってそれなりに市民権が得られるようになってきたティーフリングはきっとウォーロック好きには楽しいと思うんだ。うん。
一方、竜人間--Dragonbornは「新しい」種族であり、ティーフリングが持っているような”歴史”を何も持っていない。
でも、いやだからこそ、彼らが「新しい」D&Dである4eに浸透していくことは重要な意味を持つと思う。
考えてみて欲しい。小説やゲーム、映画、TVなんてありふれたものは、ここ10ー15年くらいでものすごく発展した。
でも、これらが伝統的なヨーロッパの様式を受け継いでるか? っていうと決してそんなことはない。
D&Dでもそれは同じなんだ、と僕は思う。


最後に。僕らにはまだ重要な仕事が残ってる。僕らはPC種族をいったん製図板に戻して、それぞれの物語や役割を組み直さなきゃいけない。
たとえば、3eじゃハーフリングは「ただ小さいだけ」の種族だった。身長や体重を決めることはできたけど、「ちょこちょこ歩く人たち」であって「ヒーロー」ではなかったよね。
それにエルフには森、ドワーフには山なんて具合に居場所があったけど、ハーフリングにはそれさえなかった。
僕らは4eでその辺のことも解決しようと思ってる。まあご覧じろ。



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リチャード・ベイカーによる種族の整理・統合の方針とでも言うんでしょうか。
もっと言やぁ「リストラ方針」なんだろうけど。それがこの章の中心ですかね。



ちょっと不安なのは「種族特技増やすのはいいけど、それ取れるだけの特技の余裕はあるんだろうか?」って言う点。

3.5eでは血脈特技(正式名称失念・「ドラゴンの血」とか「地獄のソーサラー」とかあの辺の特技ね)っていっぱい用意してあるけど、実際あんなの取ってる余裕ねーっつーのな(*2)。
ブレスとか「腕が伸びる」とかのために2つ取るのが精一杯てのが普通じゃねえかな、と。
ぶっちゃけ、「他の有用な特技ぐらい有用じゃないといくら用意しといても誰も使わないアレになるよ」って話なんだけど、この辺大丈夫なんかね。
3e→3.5eのときファイター系上級職のアホみたいな前提特技数とかが減らされたりしてたんで判ってるとは思う・・・・というか思いたいが。さて。


んでまあ、ここ見るに、この本が出た時点で
  ハーフエルフ、ノーム、ハーフオーク → OUT
  ドラゴンボーン、ティーフリング → IN
て路線は固まってたっぽい。
この後に続くページでもその辺の解説があるんで詳細はその辺でやるとして。


うーん、ハーフオーク好きなんだがなあ。
ノームもPCにはしないけど、NPCとしてはスゲエキャラ立つんだけどね。メカ使いとか。
いや、”PCにしない”ってあたりが問題なんだろうけどさ(笑)。
まあノームがいなくなる訳じゃないし、得意クラスがイリュージョニスト→バードとか迷走気味だったんでその辺どうにかなるならそれでもいいんだけど。ね。







*1:原文は”Eleven races of Elves”。うまいこと言ってる場合ではない。
*2:特にソーサラーは取りたい魔法修正特技が山盛りあるのに3レベルに1つしか振ってこない特技を「種族っぽさを出すための」特技に振ってる余裕なんざないっての。ノトスのあれはロマン万歳主義の名の元に泣きながら修得してるんだぜ。 ……ほんとだよ?【いやらしいニヤニヤ笑いを浮かべながら】

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