Kingmakerで遊ぶ予定の人は読まないことをおすすめ。
第4部「Blood for Blood」(血は血を招く)第2回。
Blood for Blood (Kingmaker #4)
領主 :アルティン=ゲール子爵 パラディン(PL:ゆずる)
将軍 :騎士ジュゼッペ ファイター(PL:L-Heart)
外交官 :アイリス バード(PL:ほりび)
宮廷魔術師:マーティン クレリック(PL:扇)
執行官 :騎士マルルイス バーバ/ローグ(PL:備前屋)
諜報長官:リルカ ウイッチ(PL:うら)
***
敵兵の唯一の生き残りである騎士アメオンを伴い、一行はテレポートでシュリークウォールへ帰還する。
彼はマルルイスが趣味で作っているモンスターの剥製が居並ぶ謁見室に連れこまれ、その異様な光景にやや怯みながらも、「この度は面妖な呪術の前に武運つたなく破れたが、騎士としての処遇を要求する」と胸を張る。
アルティン「うむ、私もパラディンの端くれ、騎士たる君の名誉を守ると約束しよう」
GM 「(……珍しくまともなことを言い出したな……)」
アルティン「ところで私はこれから二時間ほど散歩に出てくるので、皆のもの、しばらく彼との会話を楽しんでおいてくれたまえ」
GM「あ、やっぱりですかw」
アルティン「そもそも私は狩りの神のパラディンだよね? で、アメオンて獲物じゃん? 狩った獲物って、どうしようが私の勝手だよね?」
アッハイ。そうですね。
ともあれ、〈交渉〉だか場の雰囲気による〈威圧〉だかよくわからないもので、アメオンからは命との引き換えを条件に以下の情報を聞き出すことができた。
・現在、砦にはもともとの兵士120に加え、パイタックスの傭兵200、蛮族兵200、さらには丘巨人12体が詰めている。
・タズルフォードの陥落を待って隊を動かすつもりらしく、現在は兵の休養もかねて待機している。ために、街の治安はかなり悪くなっている。
・ドレレヴ男爵には、義兄に当たるイメッカスという強力なウィザードの他、冒険者時代からの仲間であるクレリックやファイターが幹部として付き従っている。また、パイタックスの貴族の令嬢が保護を求めてやってきて、砦に住んでいる。形は保護だがその実はドレレヴの愛人であると専らの噂だ。
・兵の指揮はドレレヴ卿がとることになっているようだ。アーマグは配下の精鋭を連れて砦を出ている。何かを探しているようで、砦に来たときも地下を探していた。
マルルイス「地下……一体何が……」
アルティン「しかし、いまアーマグがいないならチャンスかもな」
ジュゼッペ「先遣隊の全滅が伝わる前なら油断してるかも知れませんしね」
キサンドラ「なるほど……それなら、城下町で一番大きな遊技場、『ヴェルベット・コーナー』の女主人、サティンダーを訪ねるといいでしょう。彼女なら私の名を出せばきっと助けてくれますわ。」
キサンドラは証しとして自身の印象指輪を貸してくれるとともに、シェア・メモリーでリルカにヴェルベット・コーナーの記憶を譲り渡した。
GM「なので、テレポートの際には『慣れ親しんだ場所』としてテレポしてOKです」
リルカ「それでは例によって後衛陣はポータブルホールへ。さっさと跳びましょう」
かくしてドレレヴ城下町の娯楽場に転移した一行は、女主人 サティンダーとの面会を果たす。
さすが街一番の「遊技場」の女主人にして熱情を司り娼婦とか密偵を信徒に持つカリストリアの司祭。エローイ。
開店前の薄暗いホールに転移したためこそ泥と間違われたりしつつも、サティンダーや用心棒たちからは以下の情報を得た。
・市街は占領軍がわがもの顔でふるまっており、かなり荒れている。
・砦では夜間外出禁止令を出されている。 日暮れ以降は場内を丘巨人や傭兵たちが歩き回り、略奪をしたり、戯れに家を破壊したりしている。
・ドレレヴ卿は一戦を交えることもなく降伏した。町民の中には最初からパイタックスや蛮族と通じていたのではと疑う声もある。
・ドレレヴ卿は蛮族の求めに応じ、有力な騎士や配下から長女を人質として差し出させた。彼女たちはすでに去った蛮族の長、アーマグとともに砦を出て、現在どこにいるかは不明である。そのなかにはキサンドラの姉も含まれている。
・本国ブレヴォイやレストヴに助けを求めようと、幾人かの有志が秘密裏に町を出ようとしたが、いずれも捕まり殺されてしまったようだ。
アルティン「うむ、この空気を味方につければ、占領軍討伐後の統治にも有用かもしれん」*1
GM「もう再占領の計画かよw」
アルティン「再占領とは人聞きの悪い! 圧政からの解放もパラディンの大切な仕事ですよキミィ。」
マーティン「そそ。強権による支配はこの世から無くさないとね!」*2
***
その後、作戦会議を経て、第一攻撃目標を夕方街に出てくる丘巨人どもに定めたPCたちは、ドレレヴ砦の城門前で透明化やバフの準備をしながら晩鐘が鳴るのを待った。
晩鐘が鳴ってしばらく後、一個分隊の兵士とともに丘巨人たちが姿を現した。その姿を見るなり、住人たちは戸板を立て、窓の鎧戸を硬く閉め切る。
下卑た笑い声を上げながら、兵士と丘巨人たちは全く無警戒のまま、透明化したPCたちの前を行進していく。
そして、先頭を歩く丘巨人が、マルルイスの刃の届く範囲に入った刹那。
兵士たちは丘巨人の頸動脈が左右ともに切り破られ、ぐらり、と道路の石畳に倒れるのを見た。
事態を理解できぬまま呆然と立ち尽くした兵士は、後からジュゼッペのベク・ド・コルヴァンの一撃を浴び、人形のように倒れ伏す。
数秒の合間に、次々と姿を現した冒険者たちの刃、あるいは強大な魔力に蹴散らされ、兵士たちは抵抗する間もないままに全滅する。
しかし、それを見た城兵が黙っているはずもない。
あちこちでドラや木鐸が打ち鳴らされ、警戒を告げる笛の音が鳴り響く。
城門の向こうから、待機していた蛮賊兵や丘巨人が武器を手に駆けつけようとしているのが見えた。
アルティン「ふふん、この程度の連中ならもう一暴れしてやるか」
剣の血糊を振り払い、不敵に笑うアルティン。
しかし、一行は気づいていなかった。
砦の鐘楼から、一行を望む人影に。
GM「虎の子の丘巨人がやられたとなれば、こちらも全力でいくしかないなあ。というわけで、天守閣から術が飛んできます。アルティンを中心にブラック・テンタクルズ」
突如石畳から生えだした黒い触手が何人かのPCに絡みつき、ギリギリと締め上げる。
しかし。
マーティン「では、自由の呼び声発動で。30ft内の味方全員にフリーダム・オヴ・ムーブメント相当のオーラが展開します」
GM「知ってたよ! くそ!*3 次ラウンド! では、避けられることがわかったので、チェイン・ライトニング……」
リルカ「む、6レベル呪文か!」
GM「を、最大化で。全員に78点、反応DC23で半減な。」
全員「!! 最大化!?」
よりによって回復担当であるアイリスとマーティンが揃ってセーヴを落とし、一撃で昏倒する。
そしてそこに殺到してくる敵の兵士たち with 丘巨人。
リルカ「ヤバイヤバイヤバイ! みんな、私のそばへ!」
近づく敵を幻惑化ロッドを使ってのライトニング・ボルトで足止めしつつ、かろうじてアイリスを回復し、ディメンジョン・ドアとテレポートで逃亡する。
しかし、砦のウィザードの攻撃は、いまだ終わってはいなかった。
高レベル術者に狙われるヤバさをひしひしと感じながら以下次号!
*1:シナリオ上は単純に町を奪回するだけでなく、傭兵を選んで倒したり、街の人を助けたりすることで「liverative」ポイントをため、蛮族の追放後の街の支配権を決める、みたいなギミックがあり、「ほっとくと毎日ポイントが減るよ!」というGMの宣言によって街の奪回作戦がスゲエ急ピッチで進められたりしてた。
*2:そういやデズナ様は自由すぎる自由の領域もちであることからもわかるように、圧政からの解放を目指す宗派なんだった。リプレイにはあんまり掲載していないが、PLは意思決定においてはこの種のロール(役割という意味での)を意識してプレイしてます。
*3:GM的には無効化されるのはわかっているが、”ウィザード”はPCのことをほとんど知らないためまずは無力化の手段として使用。こういう「ロール」は戦闘をヌルくするが、あまりに有効な攻撃ばかりしかけてくるってのもアレなので、まあやむなし。
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