2014年3月25日火曜日

【PF】Kingmaker第23回【プレイレポ】 纐纈のドレレヴ砦

公式シナリオなので超ネタバレ
 Kingmakerで遊ぶ予定の人は読まないことをおすすめ。

第4部「Blood for Blood」(血は血を招く)第3回。


Blood for Blood (Kingmaker #4)

領主 :アルティン=ゲール子爵 パラディン(PL:ゆずる)
将軍 :騎士ジュゼッペ ファイター(PL:L-Heart)
外交官 :アイリス バード(PL:ほりび)
宮廷魔術師:マーティン クレリック(PL:扇)
執行官 :騎士マルルイス バーバ/ローグ(PL:備前屋)
諜報長官:リルカ ウイッチ(PL:うら)

(前回までのあらすじ)
敵の砦を強襲中、いきなりの最大化チェイン・ライトニングを浴び、ほうほうの態で脱出したPCたちのあしたはどっちだ。

***

高レベル術者からの思わぬ洗礼を受けた一行は、体勢を立て直し、戦力を増強するため、また、ドレレヴ砦の戦力情報を求めて(遅い)、レストヴへと跳んだ。

アルティン「やっぱりいいねえ! テレポートのある生活!」
アイリス「買い物で移動一月、とかしなくてすみますもんねえ。本陣への奇襲も簡単ですし」
GM「まあ、敵も同じことしてくるけどね!」

そして、このGMの言葉がガチであることを、PCたちは後に知ることになる。




PCたちは、まずレストヴの大貴族にしてアルドリ流剣術道場の当主 紅夫人の屋敷を訪問し、情報を求めることに。

紅夫人「……ドレレヴが落ちた、か……」

その報に、夫人は思わず瞑目し、小さくため息をついた。

アイリス「パイタックスと蛮族の連合軍だったようです」

紅夫人「パイタックスがグリーンベルト一帯、わけてもシュリークウォールを狙っているのは以前から解っていたが、ドレレヴ卿が手を貸したか……見誤ったわ」

アルティン「手を貸した?」

紅夫人「パイタックスと蛮族は合わせて数百。背後に本隊が控えているとしても、あの砦なら本国から援軍が来るまで耐えられぬことはあるまい。わけてもドレレヴ卿はお前たち同様冒険者上がりだ。腕の立つウィザードやクレリックもいるのに、数百の兵相手に降伏はするまいよ」

アルティン「……なるほど」

紅夫人「気を付けろよ。卿の国はいちどきに豊かになりすぎた。富は小人の妬みを呼ぶものだ。ましてや当主の出自が自らと同じともなれば、妬みもひとしおであろうさ」

***

屋敷を辞す際、紅夫人は街での道案内兼護衛として道場の若い衆をつけてくれた。
そうして巻物やワンド等の必要なものを買いそろえに中心街をめぐったあとのこと。

GM「さて、突然ですがジュゼッペは意思セーヴ。DC22で」*1
ジュゼッペ「22? (ころころ)……成功するわけねー」
GM「ですよねーwww では、大通りを歩いているところで、路地の方から悲鳴が。見るとこんなのが3体、通行人をはね飛ばしながら向かってきます。」

ビアデッド・デヴィル

若い衆「ぬ、いかん! アルティン卿と街のものを守るのだ!」

道場の若い衆は軽装にも関わらず果敢に剣を抜き、通行人やPC達を守るようにデヴィルの前に立ちはだかる。

アルティン「おお、さすが! よし、ここは君たちに任せ……」

GM「……自分とこの若い衆がむざと殺されたと知ったら、紅夫人はどう思うかねー」

アルティン「……てはおれん! 我々が前に立とうではないか!

若い衆「何を申されます! 戦こそ我らが誉れ! 例えこの地に臥すとも本もぐわぁぁっ!

デヴィルの鋭いグレイヴが若者たちを切り裂く。

アルティン「だから退けって言って……」

GM「若い衆がむざと殺されたと知ったら、紅夫人はどう思うかねー」

アルティン「わかっとるわ! くそ!」*2

ビアデッド・デヴィルは得意の足払いからの攻撃でPCたちの行動を制限しながら攻撃する。
さらに次ラウンドにはインヴィジビリティで姿を消していたボーン・デヴィルが挟撃する形で飛来し、手薄な後衛を狙って近接攻撃を仕掛ける。

しかし、「眠る敵ならどうとでもなる」の格言そのままに、SRがあっても超常能力だからなんの関係なくリルカのまどろみにボーン・デヴィルが倒れ、ついでビアデッド・デヴィルが一体ずつ討ち取られていく。

GM「ちぇー、結局大きな損害なしか」

アイリス「しかし、この調子で何度も来られるとまずいですね」

アルティン「PFだとテレポート止めるの厳しいからなぁ。占術避けくらいしか方法がないっぽい。」

リルカ「……今なら、むこうもテレポート2回と、サモンモンスター分は消耗してますよね」

マーティン「こちらの消耗は、ヘイスト1発とエネルギー放出ぐらいだから、大したことはないです」

アイリス「いまなら追加の買い物もすぐできますね」

アルティン「……よろしい、ならば戦争だ」

かくして、PCたちの逆襲が始まった。

***

前回の教訓を活かし、可能な限りの準備を尽くす。
移動のためのテレポートのほか、ファイヤーボール・ネックレスや聖水、足留め袋を買い込む。

さらには敵の強力な攻撃呪文のみならず、砦に詰める兵士や丘巨人、さらには背後に控えている術者たちへの対策として、『バフのクリスマスツリー』状態に。

ざっとメモっていた分だけ書き出してみると
コミュナル・スペル・イミュニティファイヤーボール、ホールドパーソン
プロテクション・フロム・エナジー(雷)
レジスト・エナジー(酸)
フィクル・ウィンズ
フライ
ヘイスト
プロテクション・フロム・イービル
・必要な人にメイジ・アーマー&シールド
ついでにアルティンはデッドリー・ジャガーノート、リルカはシー・インヴィジビリティアーケン・サイトをかけた上で、仕上げにサイレンスのかかった小石*4を準備し、インヴィジビリティ・スフィアに入ってテレポート

***

転送先は、前もって念視していた丘巨人のねぐら--馬小屋だった。食い散らかされた馬の死体もそのままに、一行はいびきをかいて横になっている夜行性の丘巨人たちに忍びよる。

アルティン「じゃあクーデグラで」
ジュゼッペ「クーデグラで」
マルルイス「クーデグラで」

瞬く間に三人の丘巨人が命を落とすも、通りがかった警備兵がインヴィジビリティが解けたPCたちを見て呼子を鳴らす。

GM「じゃあ、呼子に反応して何体かの丘巨人が目を覚ましま……」

リルカ「ではまどろみを≪呪術分枝化≫で2体に、DC23で」

GM「……成功するわけねー!」

アルティン「じゃあクーデグラで」
ジュゼッペ「クーデグラで」
マルルイス「クーデグラで」

なんだお前ら、死刑執行人かなんかか。

やがて呼子に呼応して警備の鐘が打ち鳴らされ、城門の方から大勢が駆けつける足音が聞こえてくる。

アイリス「数が来ますね……では、標準アクションでグッドホープ使って、移動アクションで筋肉を誇示します。*3これで全員命中とダメージに+4ですよ!
全員「お、おう…………」

+4/+4与えても反応が微妙な女、アイリス。
外見はこんな。
(イメージ画像)



駆けつけてきた兵士たちは休息中だったこともあってほとんどが鎧をつけておらず、バフでほぼ最大級に強化されているPCたちには草を薙ぐがごとし。矢を射かけてくる兵士もいたが、全てフィクル・ウィンズの風に逸らされ無効化される。

さらには先程買い込んだネックレスから放たれたファイヤーボールやおなじみ最大化ライトニングボルトにより、戦況は終始PCに有利に進んでいく。

しかし、敵の幹部たち--ドレレヴ卿とその部下たちが駆けつけてからは状況が変わった。

透明化し、ヘイスト、フライをかけた状態で城から飛来する幹部たちには、唯一シー・インヴィジビリティがかかっていたリルカだけが気がつく。

リルカ「城から敵! 飛んでます!」
マーティン「まずいな……とりあえず、インヴィジビリティ・パージ!」

姿を現したのは、豪奢ながらよく使い込まれた鎧に身を包んだ領主ドレレヴ卿とその腹心にして義兄であるウィザード イメッカスや、冒険者仲間のクレリック、騎士とおぼしき兵士たちだった。さらに、窓からはバードとおぼしい美しい女性が歌を歌うとともに、呪文でのサポートを行う。
同時に、リルカやアイリスが控える後方からは、アイスデヴィルとスピリット・ナーガが姿を現す!

アイリス「げぇっ! 関羽!」
リルカ「言ってる場合か!」

あわててジュゼッペが術者たちの護衛に回る。

実はこの2体はイメッカスによる幻影であり、ジュゼッペが移動・攻撃した3ラウンド後にはその事実に気づかれるのだが、イメッカス的にはそれで十分な時間を稼げたと言えるだろう。

距離をつめてきたイメッカスに向けてマルルイスが攻撃するも、ディスプレイスメントの確率の壁に阻まれ、攻撃の多くが無効化される。
それに対し、イメッカスはホールド・モンスターで対抗するも、これは抵抗されて終了。


そして、ついにドレレヴ卿とアルティンが激突する!

アルティン「さあ、年貢の納め時だな、ドレレヴ卿!」
ドレレヴ「ぽっと出のひよっこが! 侮るなよ!」

アルティンが真正面から降り下ろした剣に対し、ドレレヴは流れるように受け流すと、そのまま絡めとるように刀身を捻り、アルティンの剣を15ftも弾き飛ばす。*5

ドレレヴ「ふふふ、他愛もない。終わりだな。」

ドレレヴはとどめとばかりに長剣を振るう。

しかしアルティンはパラディンであった。
一騎討ちから逃げることを恥とする彼は、諦めることなく拳に植えられたスパイクで戦闘を続ける

アルティン「悪を討つ一撃で命中上げて…(ころころ)…お、出目19で命中

ドレレヴ「ふん、無駄なあがきを!」

アルティン「次、…(ころころ)…お、また出目19

ドレレヴ「ふ、ふん、しつこいな」

アルティン「最後…(ころころ)…また19全部にスマイト載るから……計62点。」

ドレレヴ「……お前ちょっとそのダイス見せろw」

アルティン「くっそー、剣落としてなきゃ全部クリティカルで勝負決まってたのに!」

ドレレヴ「ええい、構わぬ! 者共、かかれ!」

ドレレヴ配下の騎士たちがアルティンの背後に回り込んで援護し、実はローグ持ちのドレレヴによる急所攻撃+ヒューマンベインソードの連撃が襲って、アルティンは気絶に追い込まれる。*6

イメッカス「ははは、さすがドレレヴ卿! では次は私が!」
マーティン「まずい! 奴に呪文を使わせるな!」

イメッカスが空中で呪文の準備に入ったのを見て、アイリスが動く。
くねるように体を動かし、筋肉を律動させながら、アイリスは呪文を紡ぎだす。
やがて呪文は不協和音を帯びた調子外れの歌となり、不気味にうつろう音となってイメッカスの聴覚を責め苛む。

イメッカス「ぐ、ぐぶっ…………おぇええええっ!

アイリス「バード奥義、カコフォナス・コール*7」

GM「……吐き気のする状態……ちなみに何R続くの?」

アイリス「たったの9Rですw」

GM「無理ィィィ! 逃げる!」

幸いフライヘイストがかかっていたため60ftは移動できる。耳元で響きつづける怪音に吐き気を催しながら、イメッカスはようよう美しい女の立つ城壁の窓にたどり着く*8。その女はイメッカスを掴むと、人間ばなれした力で城壁内に引きずり込み、そのまま呪文による転位でどこかに消えた。

その間に、ジュゼッペやマルルイスは呪文で男爵をサポートしていたクレリックや、護衛の兵士を次々と斬り殺す。

ドレレヴ「不甲斐ない! 見ておれ、こやつにとどめを刺したら、次は貴様らよ!」

ドレレヴ卿が倒れたアルティンの首筋をめがけ、剣を降り下ろそうとしたその時。

マーティン「おっと、そうはいきませんよ。ホールド・パーソン!」

GM「ぐ、意思セーヴでDC18か……ふん!(ころころ)よし、出目19!

マーティン「それ、降り直してください。」【氷のような声で】

GM「……知ってたよ! ドラァ!……(ころころ)……そんな都合よく何度も出るか! ギャー!

マーティン「よし。では、残った移動アクションで正のエネルギー放出。全員19点回復。」

アルティン「目覚めた! ので、目の前のドレレヴ卿にとどめの一撃! 寝転がったまま股間をぶん殴る! ……22点!」

ドレレヴの両目が微かに見開かれ、次いで血走った白眼がぐりんと裏返ると、呪文で硬直したままの体は枯れ木のようにばったりと倒れた。
残された兵士たちの間に動揺が走る。

と、その時。
固く閉ざされていた砦の門が、大きく軋みながら開いた。

姿を現したのは、豪奢な装束に身を包んだ中年の女であった。女は低いながらよく通る声で、その場の全員に向かって告げる。

「男爵夫人の名のもとに命ずる! 皆のもの、剣を納めよ!」

戦意を失いつつあった兵士たちが、威厳のある声に打たれたかのように剣を下ろす。

男爵夫人を名乗った女はアルティンの前に進み出ると、倒れ伏したドレレヴ卿を一瞬だけ横目で見た。マルルイスには、夫人のその視線には、悲しみと哀れみ、そして憎しみの炎が宿っていたように見えた。
夫人は夫の死に動じるそぶりも見せず、手にした大きな鍵をアルティンに捧げる。*9

「ドレレヴ男爵夫人パヴェッタ・ストローン=ドレレヴ、死したハニス・ドレレヴに代わり、ドレレヴ砦の降伏を申し出ます。この上は卿の慈悲深き御心におすがりするばかり、寛大なるご処置をお願い致します」

斯くしてドレレヴ砦の奪還は果たされ、西からの蛮族、そしてパイタックスの脅威は退けられた。

そう、いまこの瞬間だけは。




という見え見えのフリを残して以下次号!




*1:先の砦での攻防時に、PC一行を見ていた砦の術者は、一行の中で見た目一番意思セーヴの弱そうなジュゼッペを対象にスクライを使用。位置を特定したのでインビジビリティで姿を消した後、テレポートでPCの近くまで転位、プレイナー・バインディングで支配下に置いていたボーン・デヴィルを引き連れ、死角になる位置からサモンモンスターを連打して砦に帰った。
*2:PCが高レベルになると、単に強い敵を出しても脅威となりにくいので、時々こういう『味方の姿をした障害』を加えたりしてます。「殺されてはいけないNPC」を置くことでPCの行動を制限したり、範囲呪文を撃ちにくくしたりとか。ここではさらに、NPCに「非力なのに勇敢(逃げない)」という特性を加えることで、足枷としての効果を高めています。
*3:アイリスは呪芸としてビルドアップされた筋肉を見せつけることで仲間の攻撃力を上げる『勇気鼓舞の筋肉美』を使用する。PC間では「キモいからさっさと戦闘を終わらせたくなるため」攻撃力が上がると言われていたが、最近はレベルアップにともない攻撃+2/ダメージ+2に向上して「以前よりもっとキモ(以下略)。
*4:老害御用達アイテムの1つ。サイレンスは物にかけられる「放射」の呪文なので、手に握りこんだりポケットに入れれば完全遮蔽になるため外に作用が漏れなくなる。なので、手を開く→無音、握りこむ→無音状態キャンセルが可能となる。そらまあ、フリーアクションだろうしねえ。強い。
*5:なんか《上級武器落とし》とか持ってたんで使ってみたら、存外強烈だったw。やっぱ15ft飛ばされるってのが凶悪だよね。
*6:シナリオデータでは+2ディフェンディングとか意味のわからない装備をしてたので、+1キーン・ヒューマンベインに変更。ついでに強打するでもないくせに片手を開けてたのでヘヴィ・シールド持たせたりとか。それでも結構厳しかったが。ドンマイ。
*7:カコフォナス・コールは対象を術者レベルR間"吐き気のする状態"に陥れる激ヤバ呪文。"吐き気のする状態"はただでさえ治しにくいのに、移動アクションしかできなくなるからポーションも飲めないし、テレポートもできない。しかもレベルR続くとか。これで2レベル呪文はヤバい。バード専用呪文だけど。超常でグレーター・テレポート持ってても転移できなくなるため、擬似的なディメンジョナル・アンカーとしても使える。まあ、SR通ればだけどな!
*8:彼女はクインテッサ・マーレイ。自称リバーキングダムから落ち延びた没落貴族の娘。現在はドレレヴ卿に保護されており、ドレレヴ卿が自室と彼女の部屋を繋ぐ隠し通路を使って密会しているとの設定のある愛人キャラ。シナリオの《ランダム噂表》に「正体はサキュバスとの噂がある」って書いてあったので、せっかくだからハーフサキュバスにしときました。その目的は、続くシナリオ#5とかで明かされるかも。明かされないかも。ドンマイ。
*9:城の鍵はその支配権の象徴として、城主の任命等の際に受け渡されたほか、降伏の際には儀式的に引き渡されたりしてたそうですよ? まあ知ってると思いますけど。【ウッゼマン先輩ッツラで】

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