ともあれ、確認は取れたということで、ラーディカの元へ戻るべく、われわれは我らがメノルカ号に乗り込んだのだった。(12/28)
船長 デニックス スレイヤー PL扇
主計町 アレクサンドラ ハーフエルフのアルケミスト PLL-Heart
航海長 ライルニス エルフのウィザード PL備前屋
砲術長兼船医 アマータ ハーフエルフのクレリック PLうら
書記 ソモサン モンク PLほりび
帆布長 カガン ノームのドルイド PLいしかわ
出港翌日、タークのガレー3隻と遭遇。船を修理できる場所もなさそうな場所で戦うのは避けたい、ということで船を風上に切り上がらせ、脱出をはかる。
例によって〈職能:操船〉勝負となり、一進一退の攻防が続いたものの、タークのしんがりの一隻が超巨大なイカに捕まるという謎イベントが発生したおかげでどうにか逃げ切る。
やれやれ逃げ切れたか、助かった。
とほっとしたのも束の間、10日ほど経ったあとで、今度はメノルカ号に件の巨大イカが襲いかかってきた。
しかし、幸いにして発見が早く、砲撃と乗組員たちの矢の一斉射撃により撃退できた。
デニックス「おっかねー! この海域危なすぎるな……」
カガン「まあ、タークが海に出てきたがらないのもわかるよねw」
1/17
計2ヵ月ほどの時間をかけ、ようやく学園島に帰還。さっそくラーディカに事の顛末を報告する。
アルバーの城に残されていた記録装置の映像を見たラーディカは、予想はしていたのだろうが、それでもデニックスの祖先--自分の思い人が死ぬ映像を見てショックを受けていたようだ。
ともあれ、アルバーが滅んだいま、彼女をこの島に縛るものは何もない。
ラーディカは約束通り、赤竜ラケシスに与えていた「杖」を再び使用可能にすべく、調整を行ってくれることを約束してくれた。
1/18
ラーディカはラケシスの娘”摂政君”ドナーリアに宛て、一通の手紙をしたためてくれた。
われわれがそれをラケシタニアの本部に届けると、明日さっそく評議会が開催されることとなった。
ラーディカの書状には、ただ「私を招待しなさい ラーディカ」とだけ書かれ、あとは署名欄があるだけであった。
ドナーリアがいぶかしみながら書状に署名を書き込むと、”それを待っていたかのように”部屋の隅からラーディカが現われる。
ドナーリア「せ、先生?! いつからそこに?」
ラーディカ「あら、あなたがたったいま『招待』してくれたんじゃない」
カガン「……ああ、招待されない部屋には入れないってことねw」*1
ラーディカは人払いを求め、ドナーリアとデニックスの3人でなにやら話し込んでいた。
あとでデニックスから聞いた話では
・ドナーリアは一時ラーディカの元で魔法を学んでいた
・が、ラケシスの死後は帰国してサボっていた(怒られました)
・今後はドナーリアがラケシスを名乗り、ラケシタニア評議会を相続する
・それに伴い、『杖』はラケシスに同調させる
・同時に、評議員のバッジ*2も新しいラケシスに同調させる
などが言い渡されたらしい。
もともと権勢を欲していたドナーリアが断るはずもなく、ラーディカの言に従って、ドナーリアはラケシスとなり、評議員たちは改めてラケシスへの忠誠を誓った。
ラケシスはさっそく、明日の正午に「杖」の力を解放するとの布告を下し、ラケシタニアのみならず、周辺の港に嵐への備えをするよう通達させた。
そして翌日、ラケシスにより「杖」の力が解放される。
海は台風の日のように荒れ狂い、遠洋には無数の竜巻が立ち上り、島を取り囲んでいたサファグンたちに一切の抵抗を許さずずたずたにしてしまった。
さらに、まえもってカガンがサファグンのディオニスから得ていた情報を元に、サファグンの居留地や産卵地が次々嵐と竜巻に襲われ、ラケシタニア近海に無数の引き裂かれたサファグンの死体が漂いつくことと成った。*3
カガン「うへえ…… こんな力、あのヒステリー嬢ちゃんに渡して大丈夫なんかね?」
ラーディカ「あ、大丈夫大丈夫。『杖』は確かに強力だけど、1回使っちゃえば再チャージにかなり長い時間がかかるものなの。そこまで怖いものではないわ。」
カガン「……」(そんな適当でいいのかそらお前は大丈夫だろうけどと思っているが怖いので口には出さない)
1/23
ともあれ任務は終わったので、メノルカ島に帰還する。
住人たちの間では、昨日突如起こった嵐の話題で持ちきりだった。
外洋からはいまもサファグンの死体が流れ着くし、高潮にさらわれた船があったり、海際の家が流されたりと被害は小さくはなかったようだが、しかし復旧作業に当たっている島民たちのほぼ全員が超自然の嵐を起こしてサファグンから島を守ってくれた赤竜ラケシスの健在を喜んでいた。
カガン「うーむ、ラケシスがいる、てのは存外民心の安定に貢献するもんだなあ。ラーディカの言うこともそれなりに正しいのかもしれんなあ」
ともあれ、一仕事終わったところなので船の乗組員に分配金を出し、しばらく休息とする。
われわれも砦に戻って久しぶりの陸の昼飯を楽しんでいると、島民たちがやって来ては酒の肴に最近の出来事を話していく。
漁民「いやあ、最近姿を現されんかったラキシス様もお戻りになられたようで。10日ほど前にも、ずいぶん遠くだったけど、島の東の方に飛んで行かれておりましたのう」
カガン「10日前? ……ドナーリアか? 竜の色は?」
漁民「なにぶん遠くだったで…… いわれてみれば、赤ってよりは緑がかっていたような……」
デニックス「……違う竜がこの島にいる、ってことか? 本当に竜かどうかも含め、確認しないとだな」
ソモサン「そういや東のはしの廃墟もまだ確認して無いですね。時間もあるし、行ってみますか」
1/25
島の東側へ移動。
山道を進む途中、曲がり角で出会い頭に馬ほどもある大きさの、紫色の奇怪な芋虫のような生物と鉢合わせする。
GM「『この節のあるクリーチャーは耀く紫色の真菌でところどころを覆われたキチン質の体を持っている。シロップ状の毒がその下顎から滴り落ちる』だって。どこにでもよくいるありふれた、かわいらしい蝶かなんか幼虫だね!」
デニックス「カガン、なにこれ?」
カガン「うん、わからんていうか、とりあえず自然じゃないw」
アレキサンドラらの〈知識〉により、こいつがサイティリピードと呼ばれる魔獣とわかるものの、達成度が足りずに能力はわからないまま戦闘がはじまる。
デニックス「とりあえず毒とかありそうなので全力で。ダブルバレルドマスケットで……おお! 21点!」
アレクサンドラ「足止め爆弾。命中でダメージ+からみつき」
ライルニス「グリッターダスト。盲目化していただく方向で」
GM「追い詰められてるなあ。これは”サイティリッシュの光”を使わざるを得ない」
カガン「……なにそれ」
GM「体に生えてるヒカリゴケがすごく光る。40フィート以内の人全員、DC22の意志セーヴして。失敗したら20フィートまでの人は朦朧化、20~40フィートの人は混乱状態ね」
前衛陣「DC22ィ?! 成功するわけねー!」
前衛陣が一斉に1d4ラウンド朦朧化する中、朦朧化の影響を受けないアマータのお供のスケルトンが踏ん張るとともに、はずれの方にいて影響を受けなかったアマータ本人のエネルギー放出によるネガティブ・エナジーが18点を叩き出し、なんとか倒しきる。
デニックス「あっぶねー。スケルトンがいなかったら1人2人やられてるわー」
GM「何者かの乗騎になっていたようで、小型サイズのハーネスとか鞍がついてる」
ライルニス「……ダークランド*7から、なにか出て来てるんだろうか……」
その後、山中の温泉でバギーニク*3のルニーと出会う。いろいろ話すうちに、飛んでいるドラゴンが緑竜であること、東の方に飛んでいったことなどを教えてくれた。
ルニー「オイラ緑竜キライだからさ、あいつやっつけてくれたら、オマエラの町に住んでやるぞ」*5
デニックス「うん、微妙にありがた迷惑な気もするけど、そのときは頼むよw」
さて、そんなこんなで東の廃墟に到着。
以前と比べ、不毛の地も減り、昔みたく虫の死骸が転がっていることもなく。*6
アマータ「……”死”の力が薄れてるんですかね?」
廃墟を町の中心に向かって進むと白亜のドームが残されており、そのあたりでは相変わらず草も生えていないことから、まだネガティブエナジーが飛んでるものと思われる。
そんな中、グリーンドラゴンがドームの前庭に降り立ち、ドームや周辺の建物からわき出すスケルトンをひたすらに倒し続けるのを見る。
ドラゴンは1時間ほどもアンデッドたちを破壊し続け、出てくるアンデッドも少なくなったころ、歩いて去って行った。
カガン「……なんぞあれ」
アマータ「目的がわかりませんねえ。なんであんなことを……」
ソモサン「……トレーニング?」
カガン「無いw」
デニックス「何にせよ、ドームにはなにかありそうだな。どうにか調べてみたいけど……」
話し合いの末、隠行能力の高いアレクサンドラにハイド・フロム・アンデッドやインビジビリティなんかの対探知系呪文をめいっぱいかけて偵察に行くことに。
さすがに諸処の呪文が効いて、アンデッドに見とがめられることなくドームに近寄ることができたが、途中で立ち止まったかと思うと大あわてで引き返してくる。
アレクサンドラ「なんかスゴイいやな幻視見えました。税金ごまかした町の人間に怒ったラケシスが、街を全て焼き払ったあと、生き残った人間全部あのドームに詰め込んで、入口からブレス吹きまくって焼き殺してました。そんで、町長らしき人間壁の外に磔にして”未来永劫呪われろ”って書き込んでました。アレは近寄ったらアカンやつだわ」
全員「うへぇ……」
じゃあ、グリーンドラゴンはそんなところでいったい何をしていたのか?
カガン「じゃあそっちは俺が行こう。歩いて行ったってことは足跡あるでしょ? 〈生存〉高いので、ここにいておかしくなさそうな生き物…… トカゲに変身して追跡しよう」
緑竜は大きく、しっぽを引きずって歩いているため、追跡はさほど困難ではない。10分も歩かぬうちに、どうやら緑竜がねぐらにしているとおぼしき、壁の崩れた大きな建物に行き当たる。
GM「で、建物からは何か話し声が聞こえてくるね」
カガン「? 話し声? そーっと顔を出してみよう」
建物の奥に緑竜がおり、その前に6人の人影が見える。
全員が墨のような真っ黒な肌の男女の内、代表者らしき一歩前に出ている。その女は黒い薄布の衣装を身につけ、銀髪の長髪から長い耳が飛び出している。ドラウだ。残りの5人は、これも漆黒のプレートメイルを纏い、足下にシールドとフレイルを置いて跪いている。
カガン「何話してる?」
GM「(カガンのキャラクターシート見て)……君にわかる言語ではない言葉でしゃべってる。でも、緑竜の方が居丈高にしてて、黒い女がそれにへりくだって応じてる感じはわかる。あと、会話の途中で何度か”ラケシス”って単語が耳に入った」
カガン「”ラケシス”? ……どうも敵が多いようだな、うちの女王様は。今度は地下の住人か」
話が終わったらしく、6人は深々と頭を下げ、建物を辞した。緑竜は満足げに大きくのびをすると、そのままそこにうずくまって体を休める。
6人は建物を出ると、外に止めてあった大型のリザードにまたがり、そのまま山の方に向かってぞろぞろと歩き出した。
***
カガン「……ということがあった」
デニックス「……なるほど。緑竜も気になるけど、真にヤバイのはドラウの方じゃないかって気もするなあ」
ソモサン「山の方に行った? どこかダークランドとつながってるところがあるんですかねえ。昨日の妙な芋虫もそうだし」
ライルニス「緑竜を連れてきたか、何か吹き込んでる可能性はありますね」
アマータ「……”死”の力が弱まってるのと関わりが?」
デニックス「……先にドラウ、というかダークランドへの入口を確認しないとまずそうだな」
ということで、明け方からドラウの追跡をはじめることに。
以下次号。
*1:ラーディカはれっきとした(スポーンではない)ヴァンパイアであり、に魔法を研究するための”永遠”の時間を手に入れたかわり、ヴァンパイアとしての数々の制約を受けている。「招かれないと部屋には入れない」とか。
*2:評議員の証として与えられるバッジ。つけてるとセーヴが上がったり、hpが0以下になると回復呪文がかけられたりと便利だが、 な ぜ か ラケシスへの忠誠心が す ご く高まる、ラーディカ謹製のマジックアイテム。
*3:これにより、威伏されているサファグン ディオニスは周辺海域でほぼ唯一の生き残りとなった。カガン「おお、これディオニス本当に王様になれるんじゃね? これからはちゃんと邪知暴虐を尽くすんだぞw」
*4:バギーニクはフェイの一種。温泉を好み、鼻から酸の蒸気を噴き出すほか、クリーチャーに火をつけて毒や病気を治すこともできる。6d6ダメージからの着火ダメージなので超痛いけど、キュアは出ても病気や毒消しは出ないからなあ……微妙w
*5:MM5によれば、バギーニクはその治療能力から一般人に請われて町に住んでたりするらしい。病気にやられてる一般人が1d6の着火ダメージに耐えられるかは知らんが、もしかしたら弱ってる人をさっさと処(以下略。
*6:第2話参照。以前は町のはずれまでネガティブエナジーが飛んできて、野生のジャイアントアントなんかがぽろぽろ死んでた。
*7:『ゴラリオン世界の下に広がる巨大な地下世界であり、独自の生態系や文化が存在する。地表に近い順にナル・ヴォス Nar-Voth、セカミナ Sekamina、オーヴ Orv と呼ばれる領域に分けられている。』だそうです。要するにアンダーダークのゴラリオン版。プレイ中はみんなアンダーダークとしか呼んでなかったw
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