2017年1月29日日曜日

【PF】多島海の海賊王 第6話 帰ってきた"魔女"

第6回。
ゴブリン海賊を壊滅に追い込んだデニックス船長率いるわれわれ海賊団は、生き残ったゴブリンから彼らのボスがこの島の川のある洞窟に潜んでいることを聞き出し、討伐に向かった。

カガン「メロスとセリヌンティウスはどうする?」
デニックス「……誰って?」
カガン「メロスとセリヌンティウス。こないだ奪ったはしけを牽いてるサメ2匹いたろ? 名前つけた」
デニックス「……言葉の意味はよくわからんが、とりあえず片方は人の迷惑を顧みないドバカで、もう片方は人を疑うことを知らないドバカのような気がする」
カガン「まあサメだからね。【知】は低いよね」
【会話がかみ合ってない】

敵にカガンより上手の動物使いがいると面倒ということで、はしけは母船ともども外洋においていくことにして、われわれはカッターで件の川口あたりから上陸することに。


船長 デニックス スレイヤー PL扇
主計町 アレクサンドラ ハーフエルフのアルケミスト PLL-Heart
航海長 ライルニス エルフのウィザード PL備前屋
砲術長兼船医 アマータ ハーフエルフのクレリック PLうら
書記 ソモサン モンク PLほりび
帆布長 カガン ノームのドルイド PLいしかわ
ドームス(NPC) 甲板長。




川をさかのぼった先にはゴブリンの話通り洞窟があり、奥からはさらに清水が流れ出していた。洞窟の奥からは滝のような水の落ちる音が聞こえる。

デニックス「ゴブリン、滝のところにボスって言ってたよな? 近いぞ」

洞窟をしばらく進むと、話通りの滝が見える。滝の落ち込んだ先にはプールができており、その岩陰からはゴブリン数匹がこちらを警戒心丸出しの顔で覗いている。

GM「なんか、よく見ると背中からトンボっぽい羽が生えてたり、鱗があったりしてる」
アレクサンドラ「(知識チェック成功)あれは変異種のゴブリンですな。飛んだり酸を吐いたりします」
アマータ「アレがボスですかね……?」

???「そこまでだ」
一同「?!」

見れば、プールの真ん中あたりからサメが顔を出している。しかしよくよく見るとその頭には人間型の体が付いており、鎧や武具を装備している。しかも、しゃべったのはそいつだった。

アレクサンドラ「サハギンの変種ですね…… まずい、でかいな……」

サメ頭「お前たち、沖のゴブリンたちを倒してきたのだね。しかし、その労力は全て無駄だ。」
ライルニス「……どういうことだ」
サメ頭「お前ら、赤竜の僕の海賊どもだろう? 愚かな奴らよ。もう赤竜などおらぬと言うのに」
ソモサン「なんだと?」
サメ頭「お前らの中で、ここ10年で一度でも赤竜を見たものはおるのか? おらぬだろう。お前らは、赤竜を語る何者かにだまされ、ただ貢がされているのだ」
デニックス「……」
サメ頭「おまえたちには間違いを正す機会を与えてやる。赤竜などおらぬと認め、偉大なるイル・サーヴァン様の治世を受け入れるのだ」
ライルニス「ふん、笑わせるな。ラケシス様の治世こそが正義よ。イル・サーヴァンなどという深海のたうつ者どものみがあがめるような神と一緒にするな」
カガン「そうだ若造! 赤竜様を見たこともなかろうに、言うに事欠いて赤竜様がおらぬなど!」*1
サメ頭「理解できぬか、ならば死ね! 我が神をおとしめた罪を体で支払わせてやる!」

サメ頭が水際から出てきた*2ところで戦闘開始。

ゴブリン「(手持ちのポーションをがぶ飲みしながら)ふふふ、強化されたわれわれの素早さを見くびるな! あとお前らにアイテムは残さん!
カガン「うわー、主にGMが死ね!

トライデントを構える大型のサメ頭を中央に、変異種のゴブリンが機動力を活かして来る、いわゆる「金床と鉄槌」戦術をとるつもりだったようだ。

が。

アレクサンドラ「あ、じゃあ足止め爆弾を…… 命中。反応セーヴ失敗ですか? ならからみつきで」
GM「ギャー!」

錬金術師が科学的に身もふたもないやり口でゴブリンを止める。アマータの僕(スケルトン戦士)がトライデントの一撃で葬り去られるアクシデントがあったものの、じわじわと敵を追い詰める

どこにでもわいて出てくるレイラインの力を借りたカガンのプロデュースフレイムがクリティカルしたところで

GM「くそ、滝壺に戻ってキュアワンド振りまくるか…… では移動で水の中に。」
デニックス「そうはさせるか! ダブルバレル(銃)で撃つ! ……よし、クリティカル! 銃はダイス4倍だから…… 17点!」
GM 「……」

サメ頭の所持品*3の中に、丁寧にそろえて巻かれた昆布があり、文字に明るいライルニスが表面の傷が読み取れることに気付いた。

ライルニス「……こりゃ日記だな。筆まめ…… ”爪”まめな奴だったようだ」

書いてあった文によれば、彼女はサハギンの長から”海の魔女”のところに派遣されていたようだ。しかし本人はそれが気に入っていなかったようで、地上を選んで住む”魔女”の振る舞いや、宝飾品を集めたくて船を襲うやり口への愚痴が並べられていた。

ライルニス「……ところどころにランドマークになりそうな地形や建物の記述がある。地理に明るければ”魔女”の居所がつかめるかも」
デニックス「まあ、行くにしてもまずは船を修繕してからだ。報告もあるし、いったんラケシタニアに戻ろう」

ラケシタニアに到着後、修繕にかかる時間を利用して、先日の「昆布巻き」と海図を照合し、全員で〈知識:地理〉をがんばって”魔女”の居所の候補地を絞り込む。
加えて、”魔女”についても調べてみたところ、どうやら50年前にサハギンの部族をいくつか唆して糾合し、ラケシタニアを襲おうとしたシーハグらしい、ということがわかった。
そのときはラケシスの天候操作で大渦巻きが作られ、壊滅させられた、と短い記述だけが残されており、都にとっては大した事件ではなかったことが推測された。

カガン「……いわれてみればそんな事件もあったなあ。あんまりあっさり撃退されてて覚えてなかったわ。あんときのシーハグなんだろか」
ライルニス「懲りない奴だ。まだラケシス様に逆らう気でいるのか」

アレクサンドラ「……天候操作……ね……」
デニックス「……いわれてみれば、ここ数年使われたって話を聞かないな……」

とりあえず、”魔女”が「見たものの命を奪うほどの美貌」を持っていたとの記述を見つけたので、余った時間で遮光ゴーグル*5を人数分買っていくことに。

11/7、出航。
最初に目星をつけていた島は外れだった。大サソリと、遭難して、11/8、漂着したものとおぼしき古い住居跡、そして白骨死体が残されていた。遺体を荼毘に付して次の候補地へ向かう。

11/10
2つ目の島に到着。さっそくメロスとセリヌンティウスを駆使して上陸し、島の中央を走る川沿いに奥地へ進む。

GM「さて、川沿いに歩いていると、川向こうの森の中に、半裸の男が2人歩いているのが見える。こめかみからは羊の角が生えてるね」
カガン「(〈知識〉失敗)う……」
GM「男たちは君たちに気がつくと、首から提げたパン・パイプを吹き始めた。DC18で意志セーヴどうぞ」
カガン「ギャー! やっぱりぃぃぃぃ!」*4

あっという間に男性陣全員が”彼ら”の親切な忠告を聞き入れて船に戻ると意志決定し、女性陣は”彼ら”に「向こうでいいことしようぜ!」という提案を受け入れる感じに。”彼ら”は好色そうな笑みを浮かべ、川向こうから女性陣を手招きする。

カガン「あはははははは。……あー、じゃあ俺ら帰りますんで。どーもねー」
デニックス「いやははははははは ……どーするこれ」
アマータ「うえええええ。とりあえず、スケルトンにはサジェスチョン効かないんで、彼に全てを託すしか……」

すわ全滅か。そのときだった。

”彼ら”1「なんだあの骨、邪魔だな。さっさとやっちまおうぜ」
カガン「……ちょっとまて。いま『骨やっちまう』って言った? (サジェスチョンのルール確認)…… あの骨、仲間だよね? 仲間に危害加える、って言ったよね!?」
GM「う! ……いや、身内の会話だから森語だし……」
カガン「俺、ドルイドですが何か
ライルニス「森語習得してますが何か

そして再意志セーヴは劇的にも2人とも成功。
カガン・ライルニス「「待てやコラァ!!!」」

ここで退いたら全滅か、少なくとも女衆が産休取らないといけないハメになるのは必定である。戦闘になってやっとサジェスチョンから解放されたアレクサンドラの爆弾と、怒りに燃えたアマータのネガティブエネルギー放出(通称暗黒の波動)により1人を倒し、もう1人を撤退せしめる。

倒した方の腰には真鍮製のカギが下がっており、この島のどこかにこのカギを使える構造物があることを示唆していた。
とはいえ、かなりのリソースを消耗したためその日は休息。

翌朝川の遡上を続行し、ついに滝の裏の洞窟に、血の染みた蹄跡が点々と続いているのを発見する。

デニックス「見つけた。ここに逃げ込んだようだ」

壁は漆喰塗り、水路には鉄の格子が設えられるなど、総じてしっかりした作りの洞窟からは生臭いにおいが漂っていた。
道なりに進んだ先の突き当たりの扉にはカギがかけられていたが、昨日拾った真鍮のカギがぴったり合った。
そっと開くと、寝台に昨日逃がしたサテュロスが寝ていたため、速攻取り囲んでフクロにする。

サテュロス「待て、わかった! 降伏する!」
デニックス「魔女はどこだ?」
サテュロス「魔女? ああ、テュルク=シノエ様か。あまりの美しさに見たものの力を奪う、偉大なるお方だ。かつてラケシスに立ち向かい殺されたシノエ家の当代様だ。お前たちはシノエ様の館を汚している! 早々に立ち去れ!」
デニックス「館? てことは、ここにいるんだな。なら殺す」
サテュロス「」

無用の人質は足手まとい。まあ、海賊だしなわしら。
ということで、まあ、その、アレだ。サテュロスを処分して、部屋から続く通路を進むと下り階段と、今度は立派な両開きの扉があり、ドアの向こうからヒステリックな女の声が聞こえてきた。

女「なんでむざむざゴブリン殺されてるの? ようやく頼み込んで借り受けたサメまで殺されて。護衛までつけたのに。あんたらバカなの?」
くぐもった声「……申し訳も」
女「今がチャンスなのよ! ラケシスはもういない! 兵を集めて押せば、ラクシタニアは私たちのものになる! そう、今度こそね!」
別の声「シノエ様、どうか冷静に。赤竜不在とはいえ、あそこの海賊団の兵力は軽視できるものではありません。もう少し力を蓄えて……」
女(シノエ)「それじゃ遅いわ! タークの軍勢が大兵力であちこちの島を占領しているのよ! タークが来る前に街を奪って、早々にタークと結ばなくては!」

デニックス「おっと、そこまでにしてもらおうか」
シノエ「! 人間! 誰よあんたら!」
カガン「我ら、ヘンな眼鏡団! 貴様の陰謀などお見通しよ! おとなしく縛にかかれ!」

そこにいたのは若いシーハグと、上等な身なりをしたサファグン3匹だった。
ライルニスのグリッターダストがシーハグとサファグンのリーダーらしき1匹の視界を奪う。
シーハグ シノエの身の毛のよだつ姿により、アマータが【筋】に3ダメージを受けるものの、眼鏡の功徳かほかのPCには影響なし。

GM「くそ! 世代が変わって弱くなりやがった!」*6

さらにソモサンが無事なサファグンに突撃し、後続を食い止めている間に足止め爆弾とフロスト・フォールのコンボ*7でサファグンが落ちる。
そして、残った護衛サファグンがライルニスのカラースプレーのセーヴを落として朦朧化し、ここに勝敗は決した。

カガン「ん? 待てよ? サファグン(水棲)だよね? ”水の王”能力で威服する。意志セーヴどうぞ」
GM「(ころころ)……くそったれ!」

こうしてシーハグの魔女テュルク=シノエの野望を撃滅したわれわれは、新たなサファグンの忠実なる前衛ディオニスを仲間に、意気揚々とラケシタニアに帰還するのであった。

以下次号。



*1:ライルニスとカガンは30年前、空を飛び回る赤竜を見ている、という設定です。このとき決まった。ドンマイ。
*2:なお、この時始めてサメ頭がメスであることがわかる。超どうでもいいがw
*3:抜け目なくアイテム漁りをしたけど、大型なのでサイズが合わず、しかもハイド+1とかどうでもいいものメインだったため全て販売に回される。あとキュアモデレートのワンド持ってるのがPCたちの心胆を寒からしめた。あっぶねー、ホントに回復する気満々じゃねーかこいつw
*4:ええ、サテュロスでした。3レベルにDC18のサジェスチョンはヤバすぎる。GMがうっかり口を滑らせたのを拾えたからいいようなものの、下手したら全滅まであったぞこれ。つるかめつるかめ。
*5:UE所載。凝視攻撃へのセーヴにボーナスを得るけど、〈知覚〉が下がって、攻撃に視認困難が付く。10gp。
*6:3.5eのシーハグは【筋】に2d6ダメージで、ダイス目によってはウィザードや小型種族あたりが一瞬で無力化されるなど、低CRのわりにかなりブイブイいわせている種族の筆頭格だったものの、PFでは下方修正を受けて1d6になっていた。ざまあwww
*7:5ft爆発の範囲に2d6の[冷気]ダメージとよろめき効果を与えるほか、爆発のエリアに居続けるものに毎R1d6ダメージを与え続ける。ここでは足止め爆弾やPCの位置取りで相手が動けないようにしてから霜を降らせている。エロい。

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