Kingmakerで遊ぶ予定の人は読まないことをおすすめ。
シナリオ3『ヴァンホールドの消失 The Varnhold Vanishing』。
領主 ：アルティン＝ゲール子爵 パラディン（PL：ゆずる）
将軍 ：騎士ジュゼッペ ファイター（PL：L-Heart）
外交官 ：アイリス バード（PL：ほりび）
宮廷魔術師：マーティン クレリック（PL：扇）
執行官 ：騎士マルルイス バーバ/ローグ（PL：備前屋）
諜報長官：リルカ ウイッチ（PL：うら）
***
前回の続き。
次元の狭間に響く奇怪な音を立てる「幽霊石」のそばに隠されたウィザードの遺品から、遙か南の山中にある「オラー＝カカンケット」から続く谷に何かが隠されていることを知る一行。
補給品も尽きつつあるし、ひとまずケンタウロスのキャンプに戻って情報を確認することに。
ノーメン・ケンタウロスの女族長イーコラに話を聞く。
イーコラ「！！ ど、どこでその言葉を！」
リルカ「これこれこういう次第で、冒険者らしいウィザードの遺品の日記に書いてあったんですが……」
イーコラ「……その言葉は、私たちの祖先が使っていた言葉。私たちの間でも、知るものの少ない、秘密の言葉です。その意味は『死の谷』。私たちが部族をあげて守ることを誓った聖なる墓所です。」
アルティン「死の谷ぃ? うへぇ……寝ない連中かぁ……」
イーコラ「谷には、南の山脈に隠された道からいくことができます。私たちにとっては立ち入ることが禁じられている聖地で、今そこがどんな状態なのかは分かりません。しかし、最近サイクロプスのゾンビが出ているという報告がありました。」
全員「うへぇ……」
イーコラ「……この事でひとつ、皆さんにお願いがあります。実は、なにが起きているを確かめるために、私の娘ザマンサが『死の谷』に向かい、そのまま行方がわからなくなっています。
部族の掟を破って調べに行かせている以上、部族のものを遣わすわけにもいかず、私が赴こうかと考えていたところです……
ゾンビの噂が本当なら、死んでしまっている可能性も否定できませんが、どうか、キャンプに連れ帰っていただけないでしょうか……」
***
翌朝、死の谷の位置を確認して、南の山脈へ。
低木と広葉樹に覆われた広大な谷は、１万年もの時を経て、言われてようやく気づくほどに風化しあるいは自然に埋もれていたが、確かに人工的なものとおぼしき盛り土や置き石、そして石敷の道が残されていた。
GM「<知識（歴史）>に成功した人は、遺された石碑やなんかを見るに、１万年以上前に栄えたと言われる古代サイクロプス文明マスマー帝国の時代の様式に近いように思います。
また、〈知覚〉か〈生存〉で、石敷の道にはちょい古めの無数の人間サイズの足跡と、比較的最近ついた馬蹄のあと、それと、人間の4倍ほどの大きさの裸足の足跡が見つかります」
アルティン「人の足跡？ ……村人がここを通った、ってことか？」
マーティン「馬蹄はザマンサとして……でかいのはなんだろ? やっぱサイクロプスかね？」
足跡を追って、道に沿って10マイルほど進んだ先で、一行は山あいの急流に突き当たる。
急流は長い年月のはてに向こう岸にきりたった崖を刻み込んでいた。
山あいのわりに幅広い流れには、岩でできた中州が見える。
奇妙なことに、すべての足跡は中州に向かっており、いずれも川岸で途切れていた。川の流れは早く、とても水深が浅いようには見えない。しかも川幅は1500ftはある。
アルティン「……この流れじゃ、一般人はみんな流されるよなぁ」
マーティン「じゃあ、使い魔を飛ばしましょう」
マーティンがいつの間にか入手していたリラキーン＊2を飛ばして偵察させたところ、中州には古い人工的な建造物があり、大きな生物の足跡が見えたとのこと。
このまま黙っていてもしょうがない、ということで、リルカとマーティンが呪術で飛行し、残りの四人がスワンボートで中州にわたることに。
そうして中州にボートがつこうとしたそのとき。
GM「では、対岸の洞穴からワイバーンが二匹飛び出してきまーす」（超大型サイズのフィギュアを並べながら）
アルティン「いやいや、ワイバーンは大型じゃん、間違ってるって」
GM「うむ、お前にだけはその言葉を言われたくないわw」＊3
しかしPCたちの対応は素早い。水上は不利と悟ったリルカは素早くアルティンをディメンジョンドアで中州にあげ、弓を取りだし戦闘姿勢を整える。
リルカの最大化ライトニングボルトがワイバーンを貫く中、なけなしの飛び道具で応戦するPCたちに、今度は中州に隠れていたサイクロプスのドレッドゾンビが襲いかかる！
とはいえ、一撃で54点ものダメージを叩き出す最大化ライトニングを毎R撃たれてはどうにもならず。また、いつのまにかスカーミッシュ能力を身につけたマルルイスが聖水による接触遠隔攻撃で30ダメージ以上を振り撒いたり、長柄持ち+《踏み込み》で15ftの間合いを誇るジュゼッペも毎打撃30-40ダメージを叩き出すなど、高hpを誇るゾンビをものともしない。
それなりの出血は強いられはしたものの、結局は全員が無事中州への上陸を果たした。＊4
中州には無数の足跡や馬蹄のあとが残されていた。
跡を辿ると水際に隠された下り階段に繋がっている。
とはいえ、移動と戦闘に消耗した現状ではアタックは危険と判断し、ここで一泊キャンプすることに。
夜営中、再びひっそりと忍び寄ってきたソウルイーターにリルカが殺されかけたりもしたけど、今となってはそれもいい思い出です。＊5
どうにか危険な一夜を乗りきったPCたちは、中州に隠されていた地下通路の探索を開始する。
地下道は非常に古い時代の造りでありながら石材は滑らかに整えられ、全体が魔法によって防護されている。床はきれいに清められているが、一方で生き物の気配はまるでないのが不気味と言えた。さらに、通路のそこここにはこれも魔法で強化された扉があり、簡単には開きそうもない。
ジュゼッペ「まあ、こういうときはファイター式〈解錠〉 ですかね？」
アルティン「デスヨネー」
《強打》強い。
ということで2Rほどであっさり開かれた（ていうか拓かれた）石の扉の先には、作動済の魔法の罠が残されていた。さらにその先のまるるい部屋の扉は内側からぶち破られていたり、部屋の中央辺りに使いふるされたポーチが落ちているなど奇妙なことが目白押し。
マルルイス「では、そのポーチを調べにいきましょう。〈知覚〉40で回りに気を付けながら移動します」
GM「罠とかはありません。が、ポーチの横の壁が突然倒れこんできます。反応セーヴどぞ」
マルルイス「ギャー！しくじった！」
GM「ではダメージに加え、壁に押し倒されて転倒します。そして壁の向こうからはサイクロプスのドレッドゾンビが2体飛び出してきます」
奇襲成功、とはいえ、後ろに控えた他のPCが素早く駆けつけ、数ラウンドで葬り去る。
ポーチには、多少の金品と日用品、そして「ペンドロット」と金文字の押してある手帳が入っていた。
アイリス「ペンドロットって、賞金のかかってる教授だよね？＊6」
マルルイス「手帳には何か書かれてますか？」
GM「探索日誌みたいなものかな。最後の方の日付を見ると、いまから一年くらい前だね。
記述によると、彼もオラー・カカンケットの秘密にたどり着き、死の谷を抜け、川を渡って例の中州にたどり着いてる。
ゾンビに会うこともなく地下への入り口を見つけ、扉を開き、明日から中の探索を開始する……という記述で終わっている」
アルティン「てことは、教授はここの中までは入ってきたってことか！ スゲエ！」
マルルイス「そして何者かに捕らわれた……一体誰が？」
部屋は隠し扉から自然洞に繋がっていた。
しばらく進むと水の流れる音が聞こえてくる。どうやら外と繋がっているようだ。やがて一行は通路の突き当たりにおおきな水溜まりを見出だす。
清んだ流水を湛えた水溜まりはかなり深い。
マルルイス「どれ、それでは私が調べましょう。息を止めて、水溜まりに頭を突っ込みます。」
GM「うぉ、マジすか。では遠慮なく。水溜まりの底に潜んでいた首長竜ががぶりと噛みつき……つかみ成功。そのまま水の中に引きずり込みます」
マルルイス「ノォーッ！」
ということで奇襲には成功したものの、マーティンの例の自由すぎるオーラでマルルイスが組みつきから解放され、リルカにウォーターエレメンタルを召喚されたあたりでほぼ勝敗は決した。ちっ。
水溜まりの底には横方向に掘られた階段が続いていた。
なぜか一度下ってから登るよう作られた階段の先には、非常にきれいに整えられた石製の通路が続く。
壁面にはサイクロプスらしき人物が世界を支配していた頃の様子や、人などの種族を奴隷にして巨大な都市を維持していたことなどが読み取れる壁画がある回廊にたどり着いた。
どうやらここからが本番のようだ。
という辺りで以下次号。
＊１：街の月間政治フェイズで降ってくるランダムマジックアイテムに『＋２タワーシールド・アローキャッチング・ゴーストタッチ・インプルーブドコールドレジスタンス・ファイアーレジスタンス・スペルレジスタンス１５ 』（14.1万gp） が！ ……とはいえただでもらえる訳ではないので、そのまま市場に流通させて地場経済の肥やしになったのだが。加えて同じ月、セレブが来訪しBP（街の発展に使う経済力）＋４ 。……領主が不在のほうが調子良くねえかこの街。
＊2：MM2所載の混沌にして善のクリーチャー。特技《上級使い魔》で使い魔にできる。飛べるししゃべれるし、しまいにゃコミューンまで使いやがる。鬼か。【天使です】
＊3：昔、同じようなシチュエーションで同じことをしたDMだったらしい。
＊4：ちなみにワイバーンの巣には銅貨二万枚が貯えられておったそうな。あいかわらずランダムトレジャーは容赦がないぜw
＊5：『ソウルイーターは秘術使いを狙う』ってシナリオに書いてあるんですものー。しかたないわよねー。【急にオカマ口調になりながら】 え？ アイリス？ なんで奇襲するのに頑丈なほうを選ぶんですか？【素に戻って】
＊6：このキャンペーンセッティングではシナリオ毎に８つずつ賞金（賞品）つきの任務が設定されており、冒険中のサブストーリー的な役割を担っている。「教授探し」もその手のミッションのひとつ。
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