公式シナリオなので超ネタバレ。
Kingmakerで遊ぶ予定の人は読まないことをおすすめ。
シナリオ3『ヴァンホールドの消失 The Varnhold Vanishing』。
領主 :アルティン=ゲール子爵 パラディン(PL:ゆずる)
将軍 :騎士ジュゼッペ ファイター(PL:L-Heart)
外交官 :アイリス バード(PL:ほりび)
宮廷魔術師:マーティン クレリック(PL:扇)
執行官 :騎士マルルイス バーバ/ローグ(PL:備前屋)
諜報長官:リルカ ウイッチ(PL:うら)
***
前回、スプリガンに支配された砦を奪還するにあたり、ほとんどのリソースを使い尽くしていたPCたちは、奪還したばかりの砦の一室で一夜を明かすことに。
さて、マルルイスが夜番担当のときのこと。
〈知覚〉+26の耳が、真夜中を過ぎたにも関わらず、天井の屋根瓦を鳥の爪がこする音を聞きつけた。
敵かもしれぬと武器を片手に屋根に出たマルルイスは、そこにおおきなワタリガラスがたたずんでいるのを見いだす。
カラス『ガァー……』
カラスはマルルイスの姿を見ると、あざ笑うかのような鳴き声を上げる。
マルルイス「? カラス? こんな夜中に?」
カラス『グググ……ワガ名ハホラグナモン……』
マルルイス「うわ! しゃべった?!」
カラス『コレ以上ノ捜査ハアキラメヨ。サモナクバ、オ前達ニハ死ガ降リカカロウ。逃レエヌ死ガ!』
マルルイス「……そうかい。そりゃ怖い……食らえ!」
マルルイスは手にしていた短刀を素早く投げつける。
しかし、まるで実体がないかのように、短刀はカラスの体をすり抜け、屋根の板瓦を砕いた。
カラスは『フン、野蛮ナコトダ』と吐き捨てると、そのまま悠々と闇夜に飛び立ち、ゆっくりと砦上を二度旋回するとそのままどこかに飛び去った。
***
マルルイス「……てことがあったんだけどさ」
マルルイスはあわてて部屋に戻ると、仲間たちを起し、今あったことを話す。
リルカ「喋るカラス……使い魔ですかね」
マーティン「ホラグナモンと名乗ったと言ってましたね。その辺何かの手がかりになるかも……」
このへんの伝承なんかを調べがてら、お偉いさんに報告に行こう、ということで、一行は一旦レストヴに戻ることに。
報告を受けた紅夫人はPCたちに援助を約束するとともに、ヴァーン卿をはじめとする住民たちの捜査を依頼する。
また、行方不明の貴族のどら息子の捜索依頼や、『マエストロ』と呼ばれる民俗学の教授の捜索依頼を受けるとともに、ホラグナモンのことを調べておくよう頼んだり、そこそこたまった金で戦闘力の強化を図ったり。
その後、正義と治安の維持に燃えるアルティンの強い意向により、未探索の地域の調査を開始する一行。
GM「……いやこれ本題と関係ないよね?」
アルティン「何をバカな! わが領土の治安維持には調査は欠かせないだろ!」
マルルイス「わが領土言ったw」
とは言え血に飢えた冒険者たちが殺戮の旅を否むはずもなく。
未探索地域を移動しながら
それまでにもランダムエンカウントで超大型サイズのゾウやらマンティコアの群れに襲われていたことから相当に危険な地域であろうことは想像されていたが……
GM「あ、そこの土地の捜索ね(うれしそうに)。
えーでは、街道を進んでいるみなさんですが、なんかあちこち掘り返されたり、妙にでこぼこの多い場所にさしあたりました。
では、d6振ろうか。4? 前から4番目は……あら、リルカ! あら!」
リルカ「……なんでそんなにうれしそうなんですか」
GM「では、リルカの足下が突然裂け、馬をもひと呑みにしそうな巨大な口を開いた怪物が飛び上がります。」
GM「そいつは飛び上がった勢いでリルカを4回爪でひっかいて……48点」
リルカ「……気絶します」
GM「ちっ、生きてるか……(超大型サイズのミニチュアをリルカの横に置きながら)」
マーティン「? ブレイなら大型でしょ?」
GM「ううん、合ってるよw」
マーティン「こ……このGM、殺しに来てるッ!」
やー、だってシナリオに書いてあるしー。
しかし、一撃でリルカを昏倒させた攻撃力にあわてたPCたちがブレイを取り囲み、結果的には2Rで屠られる。ちっ。
桁外れに大きく、全身傷だらけで立派なブレイの頭*1だけ切り取り持ち帰るマルルイス。
もうすっかりスカベンジャー係です。
その後、岩の割れ目で斃れたまま朽ちた、捜索依頼の出ている貴族のどら息子とおぼしき遺体を見つけたりしつつ。
そんなある夜のこと。
キャンプの火を囲み、見張りを残して全員が休息を取っているなか、そいつは空からゆっくりと下り、リルカの真上を静かに漂うと、誰に気取られることもなくリルカにその爪を振り下ろした。
完全なる奇襲である。
もっとも感覚に優れたマルルイスでさえ気取ることも出来ぬほど静かにやってきたそいつは、リルカに爪を突き立てると、そこからリルカの魂を削り取る。
GM「ということで奇襲。ダメージ6点と、判断力に5点。」
リルカ「ギャワー!」
GM「では、リルカの悲鳴で全員が目をさましたところからラウンド進行しまーす」
アルティン「そいつ何者?」
GM「こんなー」
アルティン「うわ、見るからに悪っぽい!」
マルルイス「あの、私、出目10で〈知覚〉36なんですが……」
GM「あ、こいつ、暗闇と煙の中では〈隠密〉+30あります」
突然の極悪モンスター襲来に一瞬パニックになりかけるも、リルカは冷静にディメンジョンドアで戦場を離脱。
リルカ「ふぅ、危ないところだった……」
GM「ふむ……では次ラウンド、コイツは他からの機会攻撃も顧みず、執拗にリルカを追います」
リルカ「なぜぇ?!」
GM「移動して攻撃……ダメージ4点と判断力3点」
リルカ「ギャー! 無くなってしまうー!」
他のPCたちが追いすがり、何とかダメージを与えるも、とどめを刺すには至らない。
アルティン「くっそ!コイツ思ったより堅い!」
リルカ「仕方がない、奥の手を……5ft下がって、ロッドで最大化したライトニングボルト! 48点!」
GM「ぐ! ……それは死ぬ。では、雲のようなもやもやに包まれたそいつの体はしゅうしゅうと音を立てなから小さく爆ぜ、やがて何一つ残さず消滅します」
ルカ「なんだったんだ、アレは……〈知識:次元界〉35で」
GM「ソウルイーターってNEの来訪者ですな。アバドンあたりの出身で、召喚されて殺せと命じられた相手を地の果てまで追い続けるという性質を持ってます*2」
ジュゼッペ「なんというイヤ生物……」
リルカ「召喚? いったい誰が?」
そして、夜の闇遠く、カラスの鳴き声が一声響く。
冒険者たちをせせら笑うかのような長い鳴き声のあと、星一つ見えぬぶ厚い雲を羽織った夜の闇は、再び静けさを取り戻した。
***
ヴァンホールドの住人たちの行方は?
謎のカラス”ホラグナモン”、そして襲いかかってきた召喚獣。
その背後には、いったい何が?
というあたりで以下次号。
*1:ちなみにネームドモンスターで、「世界を食むもの World Chewer」とか「大地を食うもの Earth eater」とかって異名で呼ばれてた札付きらしい。ここでネタ的に首を狩っていったマルルイスだったが、あとでこれが功を奏したりするからTRPGってのはわからんよなあ。ああ。
*2:Bestiary2所載。流水によって妨げられないロケート・クリーチャーを常働し、移動は飛行100ft(完全)、AC21、攻撃は+18で2回、しかもそれぞれ1d6【判】ダメージを与えるうえ、【判】ダメージで敵を殺したらそいつの魂食って生き返らせるのを邪魔するとかステキ能力を持ってる。これでお値段はお得なCR7! 久々にありえねえと口走ってしまうレベルのクソクリーチャーでした。でもシナリオに書いてあるからしょうがないよね-。ちなみにリルカ狙うこともシナリオに書いてあった。マジでマジで。
1 件のコメント:
(……きこえますか…きこえますか…いしかわさん…dvampです… 今… あなたの…心に…直接… 呼びかけています…ブレイは…大型…では…ありません…ブレイの…データ上の…大きさは…大型でも…ありません…超大型です…prdjを…見るのです…prdjのデータを見るのです…)
>マーティン「? ブレイなら大型でしょ?」
>GM「ううん、合ってるよw」
http://www29.atwiki.jp/prdj/pages/350.html
http://paizo.com/pathfinderRPG/prd/monsters/bulette.html#bulette
原文でもHugeなので超大型なのです…(吐血)。
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