2013年6月24日月曜日

ラスプーチン・マスト・ダイ!

ついに来た。
噂のアレが。ついに。

名作揃いと評判のアドヴェンチャーパスシリーズ史上に燦然と輝くトンチキシナリオの星!

その名も「ラスプーチン・マスト・ダイ!」


ゴラリオン大陸で展開されるファンタジーTRPG パスファインダーにおいて、ガチで19世紀の地球・帝政ロシア末期を舞台とした、あらすじだけ聞いてたらロシアにかぶれた高校生の寝言にしか聞こえない、でも戦闘はガチというオモシロシナリオである。


シナリオだけでなくこのシナリオ実現のために用意された色々があんまりにもユカイなのでご紹介ー。




【ネタバレ注意!】



■シナリオ本文
おおまかには「ゴラリオンでも指折りの暴君にして謎の人物バーバヤーガを助けるために、PCが19世紀のロシアに行ってラスプーチンと戦車とロシア兵をぬっ殺す」お話です。

な、何を言っているか(ry

とりあえずこの口絵見てどんな話か想像するがいいさ。



とりあえず手前のこっち向いてるロシア兵は「ダワイ!ダワイ!」って言ってると思います。【源文脳】


シナリオにギミックとして加えられたトループが面白いのでご紹介。
国産ゲムではちょいちょいあるけど、D&D系ではあんまりないんじゃねえかなトループ。
(マスコンバットでは使われてるけど、アレとはちょっと違う感じ)

トループは「トループ」って副種族を持ち、「クリーチャーの群れなんだけど一体として扱う」っていう、スゥオームの大きい版みたいなもの。
20ft四方を占め、群としてhpを管理し、挟撃や足払い、掴みなどいろんな効果に耐性を持つ(でもトループはグラップル可能。きたーねー)。
スゥオーム同様、対象に数をとる呪文の対象にできず、範囲呪文のダメージは五割増しになる。

で、ここではロシアライフル隊がサンプルとして出てるんだけど、hp152、近接攻撃+20(4d6+8)となかなか剣呑なほか、標準アクションで一斉射撃(200ft直線に6d10+6:4回)+移動アクションでグレネード投擲(60ft内・半径30ftに12d6)の地獄コンボを発動できる。ロシア兵パねえ。

ちなみに化学戦部隊、火炎放射隊、機関銃部隊、迫撃砲部隊がバリアントとして用意され、それぞれ追加でイヤ能力を身につけてます。


うはwww 夢(主にダメGMの)がひろがりんぐwwwwww



まーでも弱い兵士でも群れで行動させることで高レベルPCに驚異が与えられるようになるってのはよいギミックだと思うんですよ。

ちなみに、ロシア兵単体のデータもあって、「塹壕戦士trench fighter」ってファイターのバリアントクラス6レベル。《速射》でライフルをラウンド3射します。
存外あなどれねー……ていうか強いなロシア兵! 
6レベルって、国によっちゃ部隊長レベルじゃねーか!
なにこのエリート。

ほかにも戦車やライフル兵が出るかと思えば雪の精霊アリ、ゾンビアリ、歴史上有名なあの人アリあの人の幽霊アリと盛りだくさんな感じ。

いや、マジ面白いよ!


■Appendix
シナリオに出てくるNPCやアイテムの解説。
ラスプーチンさん本人のデータのほか、デュラハンのコサック騎兵(ガンスリンガー)ポルコヴニックさんのデータも。








ラスプーチンさん。
スゲエいい顔してんなオイ。

手足は大きくならない模様。
ちっ。










コザック将軍
ポルコヴニックさん
オバケ!

なお、シナリオでは満面の笑みで騎乗突撃してます。

コワイ!


他にもアイテム類の紹介がなかなか狂ってて、ディメンジョナル・グレネード(遮蔽を貫通してくるグレネード)、魔法の重機関銃、スナイパーズ・ヘルメット(つけてると1日一回、ある対象にシーインビジビリティ、霧やブラー等を見通し、闇による遮蔽を受けないなどの効果を得るほか、1日一回600ft上空から見下ろす形のマジカルなセンサーを発動できる:これで9000gp!)、スペクトラル・サーチライト(インビジやエーテル界のものも照らせるサーチライト。ラスプーチン謹製)など、19世紀の科学と魔法が融合した寝言がイイカンジに煮詰まってます。



■『銃、霊魂、革命』

この巻に出てくるアイテムとか追加のいろいろの解説。
ロシアで使われてた銃器(ピストルから重機関銃まで!)、手榴弾、マスタードガスなどのほか、塹壕戦士の解説、オラクルの新しい神秘『オカルト』が紹介されてます。


あと口絵がイカし過ぎる。


さむ・ぺきんぱああああ!




■Bestiary


とりあえずこのイラストを見てほしい。

こいつをどう思う?







「すごく…………戦車です…………」





どこが『動物誌』なのかについては本文&シナリオ参照のこと。
一応ちゃんとクリーチャーだよw



ほかにも新しいダイモンやアンデッド兵士、『塹壕に沸き上がる人を喰う霧』など、ロシアの近代民話とかフォークロアっぽいものがようけ収録されてます。

ちょっと工夫したら靴ずれ戦線そのまま出来るんじゃねえかなってカンジだ。
バーバヤーガも踊る小屋も出るしな!

しかし、アドヴェンチャーパスはいつもいつもこういう雰囲気いいクリーチャーが多くて楽しいよねー。
ここの章パラパラ見てるだけでシナリオネタになるもんなあ。


***

とまあこんな感じ。

なんつーか、ロシアに限定しなくても近代ネタやりたい時はスゲエ役立つんじゃねえかって気がする一冊でした。

上では茶化してるけどシナリオ自体もかなり練り込まれてて、実際のラスプーチンやその周辺の話なんかも上手く盛り込まれた、CoCの良いシナリオみたいな感じなんだけどちゃんとPFしてるっていうのがスゴイ。



興味がある人はいいから買っとけ!

5 件のコメント:

りょう。 さんのコメント...

あらすじもすごかったですが、実際に目の当たりにするとインパクトがすごいですよね(^^;
機会があれば是非やってみたいものですw

近代兵器+オカルト恐るべし!ですねぇ。

March Hare さんのコメント...

これ、面白そうだよね!
やりたくなりますね。

いしかわ さんのコメント...

りょう。さん

いやほんに。
本人のデータとかもよく見るとかなりアレな感じで。
これを近代兵士が守ってるかと思うともうね。


March Hare さん
とりあえずシナリオ斜め読みしただけだけど、かなり面白そうですよ!
なにげに当該レベルより、もうちょっと低めのレベルで、かわりに人数集めてやるのも面白いかも、と思いました。

ぬこアルク さんのコメント...

こいつはマストバイな逸品ですね。早速アマゾンさんをポチろうと思ったのですが・・・・・・オイラの周りにパスファインダーやってる人が居ないことに気づきましたorz
あと、誰か螺旋人先生にこれを教えてあげると良いと思うよ。

いしかわ さんのコメント...

なに言っちゃってんですか!
そんなん、プレイヤー5人集めてGOですよ!

まじめな話、CoCとかダブルクロスとかで十分遊べるくらいシナリオきっちりしてるので、いけるいける!