Kingmaker第7回。
公式シナリオなので超ネタバレ。
Kingmakerで遊ぶ予定の人は読まないことをおすすめ。
シュリークウォールの町は今月も大忙しです。
領主 :アルティン=ゲール男爵
評議員 :”オレグの妻”スヴェタナ(NPC)
将軍 :”一回堕ちた”アキロス(NPC)
外交官 :”筋肉外交官”アイリス
大神官 :”エラスティルの神官”カヴケン (NPC)
宮廷魔術師:”デズナの神官”マーティン
執行官 :”何でも食べる”マルルイス
処刑官:”アホの子”オークス(NPC)
諜報長官:”キルマーク製造器”リルカ
財務大臣:”商人”オレグ(NPC)
守備隊長:”ファランクス兵(でも一人きり)”ジュゼッペ
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4708年ネサスの月(11月)9日
一行が西の森の探索行から戻ってみると、町一番の酒場(といっても、2階建ての宿と50席ほどのものだが)に人だかりができている。
アルティン「お? 我が臣民たちに、新しい娯楽かな? 和やかでいいね!」
見れば、人だかりの中心には小太りのヒゲ男が。
のぞき込んだアルティンに気がついた男は、指さしながら朗々たるバリトンボイスで叫んだ。
男「見たまえ、あののんきな顔を! 月の半分も町を開けて、町を守るという大事な仕事を放棄した領主の顔だ!」
アルティン「な、なぁ? なんですと?」
グリゴリと名乗るその男は、町の人間たちを集めて酒を振る舞っては、町政を批判していたようで、まわりの市民たちの中には(顔を真っ赤にしながら調子っぱずれの声で)「そうだそうだ!」と同調の声を上げる者もある。
グリゴリ「彼らの精勤のおかげで、昨日も町外れの羊飼いが無為に殺されている! このような状況で、彼が領主のつとめを果たしているなどとはとうてい言えまい!」
マルルイス「ぇえー。ノーザンハウル退治したりしてるのにぃー。」
アルティン「・・・・・・まあいい、いわせておけ。真実は一つだ。」
とはいえ放置しておく訳にもいくまい。
ということで宿を訪ね、店主からグリゴリの素性を探る。どうやら北の方の都市ニュースティーヴン出身の冒険者ということだったが、それが本当なのかもよくわからない。うぬう。
リルカ「・・・・・・何者なのか、探りを入れた方が良さそうねぇ・・・・・・」
リルカはそうつぶやくと、手に載せたサソリ*1に何事かをささやき、そっと宿屋の裏に離した。
あわせて「町外れの羊飼い」の件をアキロスに問い合わせ。
どうも町外れで羊飼いとともに、羊数頭が殺されていたとのこと。獣の噛み跡のような傷が残されていたものの、羊も羊飼いもさほど肉が食われている様子もなく、獣の足跡ではなく人の靴跡が残されているなど不可解な点が多いとのこと。
事件以降、とりあえずアキロス率いる国防軍が毎夜のパトロールに出ているが、成果は上がっていないとのこと。
ううむ。
4708年ネサスの月10日
グリゴリについて情報収集。
町の人の話を総合するに、グリゴリは月の初めにふらりとやってきて、何をするでもなく町をふらつき、日課のように人の集まる場所で町の統治についての批判、というか悪口をたれているようだ。
最初はまじめに聞いていなかった町の者も、気前よく振る舞われる酒と、グリゴリの流れるような話術に惹かれてか、それなりにシンパも集まってきているという。
商売をするでもなく、他人に酒を振る舞って歩いてるだけとかうさんくさすぎる、ということで、PC何人かでグリゴリの周辺を探ってみることに。
グリゴリの宿の主人に小銭をつかませ、グリゴリの部屋を探ってみる。
ベッドの下や枕元まで探って見るも、めぼしいものは見あたらず。持ち物にリヴァーキングダムの都市ピタックス産のものがやや多かったのが目立つくらいか。
リルカは命じて部屋にひそませていたサソリを回収し、二言三言言葉を交わす。
リルカ「・・・・・・グリゴリは別段あやしいところはなかったけど、向かいの部屋の人間が夜中じゅううなされる声がしたって」
マーティン「向かいの部屋? なんか関係あるのかなぁ・・・」
ということで、午後は件の”向かいの部屋の男”を捕まえて話を聞くことに。
男はクンダルと名乗る冒険者で、北方出身のバーバリアンだという。
クンダルは目の下にクマを作り、明らかに憔悴していた。話を聞くに、最近奇妙な夢のせいでよく眠れないという。広い草原を何者かから逃げ回る夢で、いつも最後はそいつにつかまり、口から無理やり体の中に入り込まれるところで目を覚ますのだという。
夜中うなされているという話をすると「その夢のせいかもな」とのこと。
ふむう。
翌日、クレリックを連れてくることを約束してクンダルの部屋を出る。
翌朝、またも町外れで羊飼いが殺されたとの報があり、ジュゼッペらが現場に向かう。その間にマーティンらがクンダルの部屋を訪れるも、本人は不在。
宿の親父に聞くと「急に仕事が入った」と昨夜から出かけているらしい。
仕方がないと部屋で待っていると、昨日にまして憔悴した顔のクンダルが戻るも、マーティンたちの顔を見るなり「ち、違う! 違うんだ!」とあわてた様子で逃げていく。
しかし、いつの間にか空を飛べるようになっていたリルカが先にまわり込み、アルティンが追いつくと、クンダルはあきらめたようにその場に膝を落とした。
「違う……違うんだ……俺は……俺はやっていないんだ……」
クンダルを落ち着かせるために、城に連れて行く。
応接間で茶を飲ませながらクンダルから、グリゴリに伴われてシュリークウォールにやってきたこと、護衛といわれながら仕事らしいことはほとんどなく、昨日はじめて『仕事』だと、夜中にオオカミ退治にと郊外に連れ出されたこと、しかし、天に昇る満月を見てからの記憶が曖昧で、なんだかおかしな夢を見ていたこと、そして、ふと正気に戻ったときには目の前にずたずたになった羊飼いの姿があったことを聞き出した。
マルルイス「その……夢というのは?」
クンダル「…………俺は……おれは、オオカミなんだ。満月の光の降り注ぐ草原を、一匹で走ってて……どこまでも続く、白く光る草原を走っていくと、やがて……家が見えて……俺は……その家の前にいる男を……羊飼いを噛み殺す……食い破ったのどから溢れる血血がぱあっと口の中に広がって、俺はうわって思うんだけど、心はものすごく満たされて、それで、俺は……俺は……」
そう、震えながら話すクンダル。
「……今日死んでた羊飼いの死体の様子と、ほぼ一致しています。死体はのどを獣に食い破られていたほかは外傷がなく、なのに獣の足跡ではなく、人の足跡が残されていました。クンダルの履いているブーツと一致する足跡が。」
アキロスの耳打ちに、マルルイスが頷く。
リルカ「……ライカンスローピー、ね。」
震えてテーブルにうずくまるクンダルのために、マーティンが呼び出される。
マーティンは静かに自らの神--自由と幸運、解放を司る女神デズナに祈りを捧げると、神より下された、束縛からの解放の力をクンダルに解き放った。*2
アルティン「事情はわかった。しかし、いま彼を解放すれば口封じに殺される危険もある。ひとまず逮捕と公知を出して、クンダルには城の独房にでも隠れていてもらおう」
どうもクンダルの件はグリゴリによる不安定化工作くさいということで、グリゴリへの監視を強化する方向に。
ということで、クンダルの部屋にはマルルイスが忍び込み、向かいの部屋のクンダルを見張ることにする。
その夜、グリゴリはいつものように町民に酒を振る舞ったり、町政に関する批判を演説にして一席ぶったりした後、宿に戻ってきた。しかし、グリゴリは自室ではなく、まっすぐクンダルの部屋に、ノックもせずに入り込む。
「ああ、そのままでけっこう。お役目ご苦労。」
あわてて寝床に潜り込み、寝たふりをするマルルイスに、何もかもわかっている、といわんばかりの口調で話しかけるクンダル。
「君たちの主に伝言を頼みたい。君たちが苦々しく思っているであろう、私の仕事についての大事な話だ。
私もこの仕事をずいぶん長いこと続けているが、そろそろ続けるのもしんどくなってきてね。そろそろ田舎にでも引っ込んで、悠々自適に暮らしていこうかと思っている。
そこで、君たちの主人に、私はより高額の報酬を支払う相手に仕える用意がある、ということを伝えて欲しい。そうだな、5000gpも用意してもらえれば、私と私の仲間がここから離れてゆっくり過ごすことができるかな。
返事はいつでもかまわんが、君たちのためにも急いだ方が良いんじゃないかと思うよ。
では、良い夢を」
そう一方的にしゃべると、クンダルは今度こそ自室に入り、扉を閉めた。
アイリス「グリゴリがどっかの国のスパイだろうとは思ってたけど、裏切るつもりがある、とはね。5000gp……安定を買えるなら、高くはない額だけどね。」
そう打ち合わせをしてアルティンに上申するも、アルティンは
「騒ぎの種を播いてる本人が『騒ぎを収めてやるから金をよこせ』などという要求に応える理由はない。だいたい、その手の手合いに一度金を払えば、今後もずっと払い続けるハメになるだろう。それくらいなら、多少強引にでも根本的な解決を目指すほうがいい」
とにべもない。
まあ、パラディンだしねw
とはいえ、強権を振るって理も否もなく捕らえたように映れば、町民たちにいらぬ不信感を与えることにもなりかねない。
そこで、まずはグリゴリの”講演”に、アルティンが正面から論戦で対抗してみることに。
グリゴリが高レベルバードと見越していたPCたちは、【魅】が高いアルティンは〈交渉〉もそこそこあるし、PCが全員で援護すれば、少なくとも+8程度のボーナスも見込めることから、5分以上には戦えるのではと踏んでいた。
揚々と演説するグリゴリの前に、堂々と胸を張って現れる領主 アルティン男爵とその仲間たちは、グリゴリの主張を真っ向から否定し、自らがどれほど町の発展に寄与してきたか、そして”外出中”にいかに町の利益のために働いてきたかを証拠とともに示す。
このとき、アルティンら一行はダイス目にも恵まれ、40近い達成値を叩き出していた。
しかし--
GM「では、グレゴリはグリブネス*3を使用します」
正論ではなく、揚げ足取りと議論のすり替え、そして針小棒大な虚言により、討論はグレゴリの勝利に終わる。
アルティン「なんだそりゃ! そんなもん勝てるか!」
GM「……(イヤお前ら6人援護に付けてるやん←実は2差でしか勝ってない)」
アルティン「だいたい、何でこんな奴の言うこと聞いてなきゃいけねえんだ! もういい! 逮捕だ! あとのことは後で考える!」
変なキれかたをしたアルティンの命により、翌日の襲撃が決定した。
サイレンスとインビジビリティをかけたマルルイスが忍び寄るとともに、アルティンが逮捕状を手にグリゴリに演説の中止と出頭を命じる。罪状は国家反逆罪と騒乱罪。
しかし、同時に、演説を行う広場を見下ろす建物の窓から「グリゴリ! 後に透明化している奴がいるぞ!」との声が。協力者だ!
グリゴリは舌打ちをすると、すかさずインビジビリティを投射して姿を消し、逃亡を図る。しかし、それを予期してシー・インビジビリティを使用していたリルカが
「あなたの言葉はメッキのように上っ面ばかり!」
と叫ぶとともに、グリッター・ダストを投射。グリゴリは瞬く間に姿を現す。
グリゴリはそれでもなお呪文や件での抵抗を試みたが、マルルイスとジュゼッペの刃にかかり死亡。
協力者も建物の裏から逃亡を試みるも、自在な飛行能力を手に入れたリルカに追跡され、あえなくまどろむこととなった。
死んだグリゴリの血を触媒にしたブラッド・バイオグラフィ呪文*4と、”協力者”の証言により、グリゴリらが西の都市パイタックスPitaxの密偵であること、不安定化工作が主な任務であったこと、協力的だと思われていた宿屋の親父がじつはグリゴリの仲間であったこと(そして当然のように、彼は逃亡していた)などがわかった。
捕らえられた協力者(ローグだった)は、命を助けてもらうことを条件に、これらのことを公の場で証言し、1週間の晒し刑ののち、町外追放となった。
なお、グレゴリの死体は身ぐるみ剥がれたあと、アルティンの命により樽に塩漬けにされてパイタックスに送りつけられた。
アルティン「これでヤツらも少しは思い知るだろう」
他PC「…………」【どんびき】
その後、タスクウォーター湖畔を調査して、『沼の魔女』と呼ばれるソーサラーのベルダームの居所を発見。
緑色の肌のせいで町を追われ、一人ここに暮らしているらしい。
口と外見は悪いものの、PCたちの丁寧な挨拶に好感を持ったのか、「魔法の道具で困ったことがあったらいつでも来な。何とかしてやるから」と約束してくれる。
なんか家に立ってるカカシが常にひっそりPCの方向いてたりとか、カラスがじーーーーっと来客のこと見てたりとか、うかつに家の門くぐると爆発したりする家に住んでるけど。
ドンマイ。
4708年ネサスの月(11月)下旬
街道を北方、オレグの交易所の建つ方に向かうとともに、街道沿いに入植者を募り、農地を拡張する。
また、イベントでは町にセレブが大挙してやってきて、この国の予算の3割くらいに当たる額の金を落としていった。
何しに来たんだあいつらw
4708年ゾン・クーソンの月(12月) 上旬
ベルダームばあさんが探していたキノコを求めて湖畔の東岸を探索。
シャンブリングマウンドにまたも襲われるも、レベルが上がっていることもあって危なげなく退治。銅貨4万枚を手に入れる。
以前銅貨の重さに移動力が落ちてトロルに追われた経験から、拾い集めたところで素早く町に戻ることに。
【持っては帰るのか】
町に戻って政治フェイズ。
湖や河川を使った交易を促進するために埠頭を建築。
ゲーム的にはアイテムの購入上限があがったため、これまでレストヴまで行かないと買えなかった重軍馬が購入できるように。
アルティン「これで野外で敵に襲われて馬が死んでもすぐ補充できるぜ!」
一方、交易が増え、人の出入りが多くなったためだろうか。
町で疫病が発生しそうになったが、マーティンらが奔走し、大流行には至らず。
などとイベントを終了したところで以下次号。
*1:リルカの使い魔。昔と違ってテレパシーがないのであんまり便利ではないとはいえ、『とりあえず探りを入れる』には十分な能力を持っている。サソリが人間のやってること説明できんの? とか微妙な点は多々あるが、まあ【知力】あるからいいかーということに。かように、いしかわは「ルールで明確に否定されてたり、明らかにオーバーパワーなルール解釈だったりしない限りはなるべくPCの申し立てを取り入れる」方式でGMしてます。有効な手段ならときどき敵も使ってくるけどw
*2:地獄の能力とよばれる解放の副領域「自由」の領域パワー。セーヴできる呪文とか呪いとかを、1Rに1回、計10回のセーヴを許し、1回でも成功すればそれから解放せしめる。ミルコ「お前は何を言っているんだ(AA略)」。
*3:バード3レベル呪文。〈はったり〉に+20ボーナスを10分/レベル与える呪文。この呪文考えた奴アホだろとは思うが、これでも以前の版に比べればマイルドになっているという恐るべき事実。
*4:ブラッド・バイオグラフィ。APG所載の占術(クレ、wiz系3、バード2)。血が1滴あれば、その血について「誰の血?」「何者?」「どうやって血が流された?」「いつ流された?」って情報が壁とか床に描き出される。ミルコ「お前は何を言(ry
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