船長 デニックス レンジャー PL扇
主計町 アレクサンドラ ハーフエルフのアルケミスト PLL-Heart
航海長 ライルニス エルフのウィザード PL備前屋
砲術長兼船医 アマータ ハーフエルフのクレリック PLうら
書記 ソモサン モンク PLほりび
帆布長 カガン ノームのドルイド。PLいしかわ
5/19
前回に引き続き竜絶蘭を探して丘陵地を探索する。
ドルイド能力を駆使して鳥に変身して上空から索敵していたカガン。
カガン「……ん? おい、なんでこんな山の中に船があるんだ?」
うっそうと木々茂る山の上に、衝角を空に突き上げるように、大型船がぽつんと放置されていた。
まわりに生えた木々は船を避けるように大きく曲がっているものもあり、船が置かれてからかなりの時間が経っているものと思われたが、一方で船は汚れもなく、新品のように見える。
デニックス「衝角? いまどき衝角船?*1 このあたりじゃもう作ってるところもなさそうだけど……」
偵察のために鳥に変身したカガンが近付くと、作りが非常に精巧で、浮き彫りなども美しいこと、木材が新造船のように若い木で作られていること、甲板には落ち葉が数年分と思える領積み上がっていること、甲板、特に後方の船長用の御座のあたりに複数の大型サイズの投げ槍が突き刺さっており、そのうち一本は御座に人間の骨を釘付けにしていることが見て取れた。
そして、船の横腹からは、木製ながら精巧な竜の足が4本生えており、いまもしっかりと山の岩肌を掴んでいた。
カガン「うーん、この足で歩いてきたんだろか…… ん? まだ乗員がいる……?」
よく見れば、甲板上を、半透明な姿の船員たちがうろうろしては、マストから垂れるロープを巻き取ろうとしたり、甲板をブラシで磨こうとしている。しかし、何を触っても透けてしまうため、その試みはいつまで経っても成功することはなかった。
カガン「死んでることに気付いてないヤツだなこれ……」
ライルニス(ころころ)〈知識:歴史〉成功。「そういえば、『女魔術師ラクネーの歩く船』という昔話があったな。行方不明になった夫を探すため、全財産を投げうって歩ける船を作って世界を旅していると」
デニックス「で、その話のオチは?」
ライルニス「たしか『キルケーの島に向かった』ってところで終わってるね」
ソモサン「……キルケーの島、ですか。オデュッセウスもいたことだし、まあ驚かないですよねw」
危険があるのかどうかもわからない、とはいえ、もしゴーストと戦闘にでもなったら泣きたくなるような経験になるのは間違いない。
ということで一晩休み、万端の準備を整えてから向かうことに。
5/20
対ゴースト用の呪文をいくつか用意したうえでおそるおそる近付いていくと、船の方から「止まれ! 控えよ!」と男の声がかかる。
デニックス「……じゃあ、その場にひざまづいて敵意がないことを示そう」
全員「右にならうー」
「近来にはめずらしく礼儀を知るもののようだな。我らも先を急ぐ身、さほど時間は割けぬが、用があるなら手短に申せ」
その話し言葉は古い時代のもので、オデュッセウスたちと似た癖があった。
デニックス「そのご用とやら、キルケーの館にございましょうか。魔女キルケー、わが剣にて討ち滅ぼしてございます」
男「……なんと! しばし待て!」
しばらくして、船から30代の美しい女性のゴーストが下りてきた。
ラクネーと名乗る女性は我々の話を聞き、ひどく動揺している。
ラクネー「……なんとそのような。我が船がこの峠を乗り越えられず、また時には魔物の群れを追い払う間にそんなことが……」
カガン「魔物の群れ?」
ラクネー「うむ、つい先日も赤い鱗を持つサキュバスが地獄の魔物とともに無礼を働いた故、幾人かを滅ぼしたら逃げていった」
カガン「アッハイ。無礼はいけないですね」
ライルニス「しかしラクネーさま、なぜ船は前に進まぬのですか?」
ラクネー「……わからぬ。我が魔力を元に、いかなるところへも赴けるはずなのじゃが……」
船の後部--船長の座る御座を見れば、たくさんのルーンが刻まれ、手すりのところに水晶球のはめ込まれた、いかにも魔法の操縦系といった装置が取り付けられている。そこに投げ槍で縫い付けられた白骨は、よく見れば女性のもののようだ。
カガン「肉体がないから、魔力が通らないんだ…… ここに動かないまま、一体どれだけの時を過ごしてきたのか……」
ライルニス「……ラクネーさま、私は幼きころ、ある国の王女の悲劇の物語を聞きました。”女魔術師ラクネーの歩く船”という話です。数千年も前のできごととして……」
ラクネー「言うな! 私にはそれを認められぬ! 私も部下も!
……私の身に起こっていることには、皆も本当は気がついている。
しかし、夫を取り戻す日まで、我らはそれを認められず、この船を離れることは叶わぬのだ……」
デニックス「……」
ラクネー「……私もこの旅を終わらせたい。私を夫と引き合わせてはもらえぬだろうか」
ラクネーは船の御座の死体についている腕輪を取らせる。
ラクネー「その腕輪は対になる腕輪と引かれあう。その腕輪の力を元にここまでやってきたが、ここから動けぬままに無為に時を過ごしてきた。すべてが終わればこの船を与えようほどに、どうか夫を探してはもらえぬだろうか…… 私はその腕輪に憑依していくゆえ……」
王女の願いを
向かってすぐのところでサイクロプスに遭遇するも、腕輪からするりと抜け出したラクネーにまたたく間に八つ裂きにされた。
カガン「……これ、わしらダンナを見つけるまで永遠に島を出れないヤツでは」
アレクサンドラ「ある意味キルケー級にタチ悪いよねえ……」
5/22
ダークナーガとオーガの群れに襲われる。
ダークナーガのインビジビリティからのライトニング攻撃に苦しめられるも、カガンのフェアリーファイア*2に導かれたデニックスの突撃クリティカル一撃で勝負が決まった。
5/23
キルケーの館のあったカルデラ湖に到着。
腕輪の反応はカルデラ湖を示しているが、奇妙なことに湖面の下を動き続けている。
カガンとライルニスが飛行して様子を見に行くと、見たこともないほど大きな魚が悠然と泳いでおり、その頭のあたりに腕輪が反応しているのがわかる。
ライルニス(ころころ)「たぶん”ジャイアントガー”ですけど、エントロピックとジャイアントテンプレート載ってますね」
アマータ「エントロピック? また面倒な……」*3
とはいえ、相手が1匹で戦闘準備ができる時間が十分にあればそう怖ろしいこともない。
ウォーターエレメンタルに変身し、バフをかけまくったカガンが山で獲った鹿を餌に水面あたりまでガーをおびき寄せ、サモンネイチャーズアライでウォーターエレメンタルやサメを召喚しまくりつつ袋叩きにすることで難なく退治できた。
”夫”が持つという腕輪はガーの牙に引っかかっていた。
腕輪をラクネーに渡す。
ラクネー「……うすうすわかってはいたことですが、やはり死んでいるという証を見るのは悲しいものですね。でも、これで区切りがつきました。この腕輪、私についてきてくれた船員たちにも見せてあげて…… 彼らを解放してあげてください……」
そう言い残すと、ラクネーは静かに光の中に消えていった。
***
「船」に事のあらましを伝えに向かう途中、湖畔を歩く男の姿が。
一見して美丈夫だが、角と翼があり、うなじには赤いうろこがのぞいている。
カガン「あー、『ご兄弟』だねえ……」
こちらに気づいた男は逃げようとするそぶりを見せるが、こちらに害意がないことを伝えると、慎重に距離を取りながらも会話に応じてくれる。
会話の内容をまとめると、
・彼の名はセルベルト、人間とドラゴンのハーフ
・「御父上」を相当嫌っているが、母を人質に取られ、いうことを聞かざるを得ない
・他に4人の「兄弟」がいる。どれもハーフドラゴンでクモ(殺害済)、バジリスク(殺害済)、イフリートのソーサラー女 アイアンナ、リザードフォークのクレリック シュゴ
・全員1隻ずつ御座船を与えられたが全船この島で座礁。アイアンナとシュゴは飛べるので自力でラケシタニアに向かったが、自分はなんやかやと理由をつけてなるべく遅れていくつもり
・「御父上」はすべて絶対の自信を持っているが、シュゴはラケシタニア勢の裏切りを警戒しており、毎日占術で迫る危機を調べている
この島で会ったサキュバスハーフのことを話すと
・サキュバスに手を出したことがあり、その娘だろう。父親はエネルギー吸収されるのが嫌で避けているが
とのこと。
こちらも知っている情報をいくつか伝え、森で別れる。
***
その後、例の「歩く船」まで戻り、乗組員のゴーストたちに王の冠を見せる。
ゴーストたちは冠を一目見た瞬間全てを悟り、「長かった旅も、これで終わる…… 礼を言うぞ、新しき時代の若者たちよ…… 船を頼む……」と言い残してかき消えていった。
PC一同、なぜかこの船の性能や操り方が理解できるようになっており、船長席に座って秘術呪文スロットを消費することで移動ができる仕組みになっているようだ。
足があるので陸の上を自在に移動できるが、移動速度はラウンド毎5フィート程度なので基本海路になりそうだ。
とりあえず、山の中にあっても何にもならないので、最寄りの川をたどって海に出ることにする。
以下次号
竜絶蘭:35本
PL賞:カガン
DM賞:デニックス
*1:船が大砲積んでるのがふつうな世界(時代)だから、ラム船はもう無いでしょう、ということで。そもそも魔法が遠隔攻撃として飛んでくる世界だと、衝角戦は厳しいよなー。
*2:ドルイド1レベル呪文。範囲内の対象を光らせ、ブラー、ディスプレイスメント、インヴィジビリティなどを無効化できる。1レベル呪文の中では割りとイケてるため、高レベルでもスロットに1発は入ってることの多い呪文。
*3:ベスティアリィ所載。混沌の次元界の影響を受けており、呪文抵抗やダメージ減少を得るほか、「秩序を討つ一撃」を放つ能力を持つ。脅威度+5の呪文抵抗があるため、たいていはでかいほどめんどくさい。
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