2014年1月15日水曜日

【PF】Kingmaker第19・20回【ネタバレ】 不死の王

公式シナリオなので超ネタバレ
 Kingmakerで遊ぶ予定の人は読まないことをおすすめ。
シナリオ3『ヴァンホールドの消失 The Varnhold Vanishing』。



領主 :アルティン=ゲール子爵 パラディン(PL:ゆずる)
将軍 :騎士ジュゼッペ ファイター(PL:L-Heart)
外交官 :アイリス バード(PL:ほりび)
宮廷魔術師:マーティン クレリック(PL:扇)
執行官 :騎士マルルイス バーバ/ローグ(PL:備前屋)
諜報長官:リルカ ウイッチ(PL:うら)

***

1万年の時を経て甦った古代帝国の王 ヴォーダカイ。
強大な力を持つリッチである彼を倒すため、一行はレストヴに戻り、財貨を惜しみ無く投入して決戦に備える。

リッチといえば高位の術者と相場が決まっている。
それだけでも厄介なのに、彼らは自らの魂を経箱に封じ込めており、仮に肉体を破壊されても時がたてば再生する。つまり、リッチを倒そうとするなら、同時に経箱も破壊しなければならないのだ。無論、リッチは二重三重の手段をもって経箱を隠し、守ろうとする。

マーティン「というわけで、ここはひとつデズナ様のお知恵におすがりしましょう」



5レベル呪文が使えるようになったマーティンはコミューン呪文で経箱のありかをさぐりだすことにした。
コミューン呪文は神格などにはいかいいえで答えられる質問をする呪文で、AD&Dの御世からDM泣かせで有名な呪文である。
マーティンはメモを取りだし、他のPCたちと想定質問をまとめると、香を焚き、聖水をあたりに振り撒きながら儀式を開始した。

やがて、どこからか現れた一頭の蝶がふらふらと部屋を飛び回り、マーティンだけに聞こえる声で話しかける。
その声は高く柔らかく、あくまでも気高い。

『天空の歌に仕えしものよ、夢を守るものの信徒よ、汝が知りたきことを述べるがいい。数多の世界を旅せし偉大なる夢見が応えよう』

「ヴォーダカイの経箱は奴のダンジョンにありますか?」『否』
「経箱はダンジョンの西側にありますか」『否』
「北側にありますか」『否』

リルカ「ふむ……ダンジョンの外で、東側で、南側か」

質問数が限られているコミューン呪文を使ってものを探すときには、こうして質問をくりかえして範囲を絞っていくのがセオリーです。

が。

「地下にありますか」『否』
「では、谷の中にありますか」『否』
「半径50マイル以内にありますか」『否』
「100マイル以内には?」『否』

アルティン「うえー、遠いところにあるのかぁ」
アイリス「場所の特定は難しそうですねぇ……ヘタすると別の次元界かも」

マーティン「……んー、この次元界にありますか?」『否』
全員「うへぇ……」
ジュゼッペ「……なんかおかしくないですか?」
マーティン「?」
ジュゼッペ「経箱があるのかどうか、聞いてみてもらえます?」

「経箱はありますか?」『否』

全員「うぉおおおい! ないんかい!」

どうやら1万年もの長きを眠っている間に失われてしまったらしい。*1

ようするに「ぶちのめせばミッションコンプリート」とわかった一行は、レストヴで購入した馬に跨がり、意気揚々と『死の谷』へ。

途中、例によってランダムエンカウントで某氏が驚きのヒキを見せ、ペリューダ二匹やグレートサイクロプスなどの地域最強レベルのエンカウントを連続で引き当てたあげく、サイクロプスの全力攻撃クリティカルでアルティンが意識を失ってみたりしたものの、一行は無事墓所に到達した。

……無事?



墓所に侵入後は前回と同じルートをたどってダンジョンの奥へ向かう。

カロンを崇える宗教画や地獄を模した意匠が施された人工的なホールを通り、硫黄の噴煙に満たされた自然洞を抜けると、大理石で作られたエリアに出た。

アルティン「……どうやらここが本丸みたいだな」

精度の高い仕上げや意匠の細密さから、こちらがより上位のものの居住区と思われた。

罠や奇襲を警戒し、これまで以上に慎重に、明らかに大型サイズの者のために作られた通路を進む。

いくつかの分かれ道を経て、一行はカタコンベらしき場所にたどり着いた。
砂岩で作られた真っ暗な通路は長く、壁には10ft毎にアルコーブが設えられており、いくつかには麻布でくるまれたサイクロプスの遺骸とおぼしきものと、花瓶や酒瓶、皿などの副葬品が納められている。

一番手前のアルコーブだけは様子が異なっており、サイクロプスに関連するものが全てアルコーブのすみに寄せられ、かわりにより小さいサイズ--人間サイズのベッドロールやバックパック、数冊の開かれたままの書籍、灯の消えたランプ、そして、この死に溢れた遺構にもっともふさわしくないもの--食料と水袋が置かれていた。
とはいえ、食料は乾いてかぴかぴになり、水も腐っていたが。

マルルイス「……生きているものがいる? いた? ってことですかね?」
GM「と、マルルイスが探索しているところに! 壁から灰色の何かが抜け出してすぅっと手を伸ばしてくる! ……ちっ、ハズレか」
リルカ「うわ! スペクター!」
GM「と同時に、君たちが入ってきた方のドアが大きな音を立てて押し開けられ、ドタドタと大きな足跡がこっちに近づいてくる! イニシアチブを!」

後ろから走り込んできたのはサイクロプスゾンビ2体と、人間の魔法使い*2のゾンビだった。
狭い通路を巨体のサイクロプスゾンビが立ちはだかったところに、魔法使いは次々と床に異次元の穴*3を開ける。
反応セーヴの低い回復役のマーティンが落ちるも、リルカの最大化ライトニングを起点にアルティンやジュゼッペが突破口を開き、狭いカタコンベから抜け出すことに成功。
撤退したウィザードのゾンビを追って大広間に飛び込んだところで追加のサイクロプスゾンビがやって来たものの、自由に動き回れるようになったPCたちの敵ではなかった。*4

大広間には巨人サイズの調度が調えられている。
清潔な白いクロスのかけられた長机には、食器はフォーク一本おかれていなかったが、かわりにたくさんの生花が生けられていた。

そして、長机の椅子についていたのは人間だった。
十人ほどの人間が、自分には大きすぎる椅子に微動だにせず姿勢正しく座っていた。
何を考えてこんなところに座っているかは、恐らく誰にも永遠にわからないだろう。

彼らは皆、眉毛より上の部分で一直線に切られ、脳をすべて失っていたからだ。

アルティン「……彼らが今夜のメニューだったって訳だ」
マーティン「死んで、まだ十日足らずというところでしょうか。……妙だな。皆、恐怖や苦痛の様子もなく死んでますね。」

短い祈りを唱えながら、マーティンが死体を確認して回る。

マーティン「……いました。マエガー・ヴァーン卿です。」*5

自らと同じく冒険者から身を立てた『仲間』の、失踪の果ての残酷な死に様に、一行は戦慄する。

大広間には巨大なサイクロプスの肖像画が飾られていた。
魔法によって保護された油絵具は描かれた当時の鮮やかさをそのままに保っており、絵の左右に設えられた消えずの松明が、サイクロプスの萎びて灰色になった肌、そして顔の中央で赤々と輝く単眼を写し出していた。

アルティン「こいつがヴォーダカイか……」
アイリス「なんか目がおかしくない?」
マルルイス「……嫌な予感しかしないw」

部屋を探索した一行は、広間の奥の小部屋に隠し扉を見つける。

サイクロプスにはやや狭そうな通路の先には、金でぞうがんの施された立派な両開きの扉があった。

壁画や装飾は地獄の中を流れるというステュクス川やその周辺を模しているようで、建物の中にもか変わらす設えられた噴水からは、強い異界の気が感じられる。*6

扉を開くと膝ほどの高さに立ちこめていた霧が、冷気とともに流れ出してきた。
豪華に飾られた祭壇や部屋の様子から、この部屋がカロンを信仰するものの神殿であろうことがわかる。
そして一行は、その部屋の奥に備えられた玉座に、ついに赤く輝く単眼を持つリッチの姿を見いだすのだった。

近づいてくるPCの姿を見て、玉座の脇に控える黒い鎧の巨人が杖にしていた大斧を振り上げるのを身ぶりで制しながら、古代のサイクロプスのリッチ、ヴォーダカイが気だるげに話しはじめる。

ヴォーダカイ「1万年…………1万年の時が過ぎておった。儂が戦いに破れ、この地で眠りについてからの事だ。長い眠りから目覚めてみれば、大陸の半分を統べておった我が帝国はいまや人々の記憶にすらなく、地形すらも我の知らぬものに変わり果てている。
目覚めてから、儂は世界の事を調べて回った。しかし、地上はなべて貴様ら小さきものどもの支配下に置かれ、我らがサイクロプスの氏族も力を誇るしか能のない劣等種のみが残されるばかり。」

ヴォーダカイは部屋の隅に無造作に並べられた数十本のクリスタル製の瓶を指差し、小さく呪文を唱えた。
するすると瓶の一本の蓋が開き、噴き出す乳白色の煙とともに、裸の中年男が出現した。
それは恐怖に顔を歪め、意識を失ってはいるものの、間違いなくペンドロッド教授だった。

ヴォーダカイ「眠っていた間に何があったかを知るために、近くの村……ヴァンホールドから村人を連れてきて、持てる知識を譲り受けた。その際、ちょっといた行き違いから数名の命を奪ってしまったが、残りはこやつのように魂を瓶に封じ込めておる。そやつらは全て瓶を開けば甦るし、死したものもそこにある財宝を使えば生き返らせる事もできよう。」
「儂はもうこの変わり果てた現世に未練などない。もう少し時を経て力を取り戻したら、次元界に横たわりしスティクスに赴き、そこにおわすカロンに仕えるつもりでおる。そこの財物も魂封じの瓶も全て持っていくがいい。じゃから、儂をこのままそっとしておいてくれ。儂は疲れた……もうなにもかもが虚しい……」

大きなため息とともに言葉を吐き出すと、ヴォーダカイはぐったりと玉座にもたれ掛かり、静かに俯く。*7

マルルイス「どうします、これ……?」
ジュゼッペ「個人的には、やらなくてもいいような……いや僕、属性中立ですし」
アイリス「私も、彼がこういうなら無理に戦う必要もないように思いますが……」

伝説にうたわれた姿とはかけ離れたその寂しげな様子、またすっかり落ち込んでいるリッチへの同情と、強敵と戦わずに済むという安堵感からか、PCたちは戦わずにこの地を去ろうという空気に流れつつあった。*8

しかし。

アルティン「黙れ!我が神エラスティルの名において貴様を滅ぼす!!罪もない人々を殺し、その魂を穢し使役した貴様は私が神の元へ送ってやる!
……いやほらパラディンだからさ、僕、悪と交渉できないんだよねw 
というわけで、わが剣を受けよ!

いつになくパラディンらしさを発揮したアルティンの宣言から、kingmaker第三章の最終戦闘は始まった。

ヴォーダカイ「愚か者が! 苦痛にのたうつがよい!」

イニシアチブを取ったヴォーダカイはファンタズマル・ウェブ呪文で、特に意思セーヴの弱い前衛を狙う。*9
蜘蛛の群れを潜ませた蜘蛛の巣の幻覚がアイリスとジュゼッペを捉え、2人は他人には見えぬ毒蜘蛛を払うのに必死になる。

と同時に、部屋の入り口の噴水から超大型サイズのウォーター・エレメンタルが立ち上がり、幻と戦うアイリスを殴り付ける。

アイリス「……この水、スティクスの水って言ってませんでしたっけ?」
GM「ああ、そんなことも言ったっけ。それがなにか?
【黒い笑みを満面に浮かべながら】*10
アイリス「ギャー!」

アイリスが幻影に苦しめられつつエレメンタルと対峙する中、足元の霧に隠された落とし穴にマルルイスが嵌まり、戦場から姿を消す。ウカツ!
一方、アルティンはヴォーダカイのカバーに回った黒い騎士に対し、残った"癒しの手"を全て《輝ける突撃》に注ぎ込み、突撃を敢行する。
神の祝福を受けたその一撃はなんとクリティカル! 
信仰の絆によるアンデッド・ベインに《輝ける突撃》を加え、ダメージ減少を無視する100ダメージを叩き出す!

GM「おおっと、いきなりhp半減か! では騎士は、その手の大斧を振り上げて反撃を……(コロコロ)……あれ? こっちもクリティカル?」*11

ご存じのかたも多いかと思いますが、グレートアックスはクリティカル時のダメージが3倍です。
いきなり105点ものダメージを受けたアルティンは即死する。

マーティン「マズイ! ブレス・オヴ・ライフが届かない!」

ブレス・オヴ・ライフは死んだ直後のクリーチャーを即座にペナルティなく蘇生するが、接触呪文なのだ! ナムサン!

リルカ「マーティン、手番を私のあとに遅らせて!」

火急の危機に、黒騎士の目の前に走り出すリルカは、倒れたアルティンの手を取りすかさずディメンジョン・ドアを発動、マーティンのすぐ横に転移する。
マーティンは遅延していたアクションでブレス・オヴ・ライフを使い、さらに残った移動アクションで正のエネルギー放出、危機を脱する*12。ワザマエ!

さらに、幻影を振り払ったジュゼッペが黒い騎士に全力攻撃して大ダメージをたたき出したものの、部屋の中央の水盤の側にいたマルルイスが、突然水の中から現れたヴォーダカイに襲わる。

リルカ「しまった! 玉座の方は幻覚か!」*13
マルルイス「ギャー! エネルギー吸収!」
ヴォーダカイ「ちっ、麻痺らせ損なったか……無念!」

さらにヴォーダカイはジュゼッペをヒディアス・ラフターで動けなくしたり、向かってきたアルティンに打撃を加えてエネルギーを吸収するなど、じりじりとPCを追い込んでいく。
さらにはウォーター・エレメンタルがついにアイリスを気絶させ、後から迫る!

リルカは素早くセレスチャル・ライオンを召喚して突撃させ*14、さらにはおなじみ最大化ライトニングボルトでエレメンタルを消滅させる。

その間にマルルイスがヴォーダカイをアルティンと挟撃するも、ヴォーダカイは意に介さず、その邪悪な爪でアルティンからもエネルギーを吸収する!

アルティン「くっ! じゃあ、2回目の悪を討つ一撃をヴォーダカイに。で、攻撃! (ころこころ)よし! 20! 確定ロールは……(ころこころ)……あー、4かよ!」
GM「あぶねー、じゃあ通常命中な」
マーティン「いえ、そのダイス振り直してください」*15
GM「げ、ゲェェッ! まだ振り直し残ってたのか!」
アルティン「おっけ! (ころころ)……よし! 20!
GM「うっわー! うそくせー!」
アルティン「ダメージが……全部足して60点! どうよ!
GM「…………くっそー! 納得いかねー!」

かくして、1万年の昔、強大なる死霊術で世界の半分を我が物としていたリッチ、ヴォーダカイはここに倒れた。
その体は砕け、薄茶けた塵となって舞い、やがてその塵も虚空に溶けるかのように見えなくなった。
あとにはヴォーダカイの着けていた装備と、そして彼の眼窩に赤く輝いていた直径10cmほどの宝石が、今はその輝きを失い、球の中にか黒い闇を湛えたまま転がっている。

その後、村人たちを封じた瓶*16の他、残された財宝や古代の記録を記した石板などめぼしいものを回収した一行は瞬間移動でレストヴに戻り、女領主”紅夫人”ジャマンディ・アルドーリ卿に事の顛末を報告する。

ヴァーン卿は間に合わなかったものの、四十人以上の村人を救い、ヴァンホールドを解放したこと、そして古代からの恐るべき驚異を殲滅した功績から、アルティンはヴァンホールドを含むヴァーン卿の領地を引き継ぐこととなった。

紅夫人「不幸にも早逝したヴァーン卿の遺志を守ってほしい。」
アルティン「ありがたき幸せ。彼の崇高なる遺志、必ずや守りましょう(…………計 画 通 り)」
マーティン「なんか漏れてるw」

その後、正気を取り戻したペンドロット教授の供述から、事件の様相がが明らかとなった。
ペンドロッドはヴァーン卿とともに古代の遺物を調査していたが、セレン川で見つけた銀の腕輪(実際にはサイクロプスの指輪)を見つけたことがきっかけとなり、川を遡っての調査を開始した。
その結果、ついに死の谷の奥の遺跡にたどり着く。
当時はまだ封印が『生きて』いたが、ペンドロッドが遺跡の入口に施された封印を解除したことでヴォーダカイが眼を覚まし、侵入してきたペンドロッドらを捕らえた。

ヴォーダカイは状況を知るため、呪文でペンドロッドを支配下に置き、まずは言語を、ついで今の世界の状況を学びとった。1万年の時を眠り続けたことに衝撃を受けながら、復活への第一歩として、ヴォーダカイは自らの『眼』ーーカロン神に連なるアーティファクト オキュルス・オヴ・アバドンの魔力を解放した。半径1マイルの生物全てをチャームモンスターするという強大なオキュルスの力でヴァンホールドの住人は全て魅了され、ヴォーダカイの墓所まで連れ去られた。
彼らの一部はヴォーダカイの魔力を取り戻すための素材に、また一部はアンデッドの素材として使われ、一部は"瓶"に保存されるか、あるいは単に楽しみのために拷問され殺された。
ヴォーダカイは魔力の回復を待ちながら、周囲の生き物をアンデッドに変えて防護と成し、使い魔を通じて周辺の情報を集めた。ヴォーダカイの策動に気がついたPCたちにはカラスの群やソウルイーターを向かわせながら、人語を解する使い魔を使ってその弱点を探っていた(結局その試みは失敗に終わったが)。

こうしてアルティン=ゲール子爵はヴァンホールドを含む新しい領土とともに、紅夫人の信頼と、そして西方統治に重要な役割を果たすノーマン=ケンタウルスとの友誼を得ることができた。


順風満帆のアルティン子爵。
しかし、彼の封土を狙うものが蠢きはじめているとは、今は誰も気づいていなかった。


というところで第3部終了。
次回、第4部をお楽しみに!


[オマケ:後日譚]

シュリークウォールに帰還後、アイリスとリルカの調査によりオキュルス・オヴ・アバドンの素性と破壊方法を知ったアルティンは、一瞬の躊躇もなくそれを打ち壊した。

それまでいかなる打撃にも傷ひとつつかなかった宝玉は、アルティンの振るう戦槌の下に音もなく割れ、粉雪のような破片を飛び散らせながら一片の破片も残さず砕け散った。

砕けたあとには闇が蟠り、その場に渦を巻いて、あたかも瞳のような形を成し、自らを破壊した者--アルティンを睨み付けていたが、やがて闇にとけるようにして消えていった。

「……アルティン……おのれ、我が目を……アルティン……その名、忘れぬぞ……」

地獄の奥底から這い上るような低い声は、しかし誰の耳にも届くことなく、ただ虚ろに次元界の間隙に谺した。


**************


*1:まあ、これくらいのハンデがないと9レベルパーティじゃきついよねー>リッチ退治 シナリオにある通りの展開ではあるんだけど、面白いから経箱アリにしようかと思ったのは秘密だ。
*2:ドレッドゾンビなので普通の人間同様全ラウンドアクションできるし、呪文も普通に使えるよ! ……イヤソレ有利なとこしかないやん。ちなみに彼は消えたヴァンホールド村の住民の一人で冒険者。なので現代の呪文も使ってきますという設定。
*3:このレベルでも十分通用する辺り、やっぱ凶悪だよねクリエイト・ピット呪文。当たればしばらくリムーブゲームってのが強力。なお、あまりに凶悪なのでアシッド・ピットは自粛しました。DC上がってダメージ倍増して毎Rダメージ入ってアイテム溶けてって誰だこの呪文考えたの。
*4:実プレイではここで時間切れとなり、翌月に持ち越しとなっていた。
*5:ここでアルティンのプレイヤーがすごく嬉しそうに「よし!」と小さくガッツポーズをとっていたような気がするが、PCの行動ではないので僕は気にしません。ええ、気にしませんとも。
*6:実際にステュクス川の水が流れているため、これを飲んだり浸かったりすると記憶を失うなどいらん効果がついているため世界中のGMが好んで使いたがる。
*7:もちろん嘘だーっ!!【大社長の引退宣言っぽく】 ヴォーダカイはカラスの使い魔を介してPCたちを長く観察した結果、PCたちが情に流されやすいと判断、自分の目として使用しているアーティファクトである”Oculus of Abaddon アバドンの目”(https://kingmaker-chronicles.obsidianportal.com/items/oculus-of-abaddon)の魔力が回復するまでの時間稼ぎのために<はったり>をフル活用している。”アバドンの目”を使えば週一回ソウルイーターを召喚できるし、殺され損なったピスコデーモン回復したり、近くの知的生命体ぬっ殺して魔力源にしたりできるし。この企みを成功させるため、ヴォーダカイはグリブネスまで使っている(予想通り疑われもしなかったので描写はしなかったが)。
*8:ちなみにここでPCたちが見逃していれば、数ヵ月後に”アバドンの目”の魔力で有効半径1マイル、人数制限なし(!)のDC21のチャーム・モンスターでレストヴないしシュリークウォールもろともぐだぐだにしてやる予定でした。ちぇー。
*9:ヴォーダカイはカラスの使い魔を介して(ry ヴォーダカイ的にはそれなりのレベルのPCの魂を美味しくいただきたいという気持ちととるに足らぬ人間相手なら心術で無力化すれば十分と侮る気持ちもあった、という設定。ガチでいくならマインド・フォッグからのドミネイトとかもやれるけど、あんまりハメっぽくなるのもねえ。
*10:いしかわはやさしいのでエレメンタルに飲み込みつけて、飲み込みが成立したときに限り記憶を失うセーヴを課すことにしてました。これがコーデルあたりなら触れた瞬間にセーヴとか言い出すんだろうなーとか思ったけど、よく考えたらそんなシナリオはとっくに(しかも複数)あるのでメリケンすげえ。
*11:なお、いしかわはやさしいのでPFサイクロプスの超常能力「1日1回出目を好きな数にしていい」は使用してません。いやアレやり過ぎやって。振り直しとか、防御的能力だけに限定するならともかく。まあ、昔の「戦闘前にd20して、好きなときにそれと出目を交換していい」がいいかっつーとそれもないけどさw
*12:《エネルギー放出高速化》が出てから、ホントにPC死ななくなったよな-。敵も負のエネルギー放出2回討てるようになったけどなケケケ。
*13:誰も疑わなかったので、いまここではじめて幻覚の看破のための意志セーヴが行えた。なお、いしかわ卓のヴォーダカイは部屋中央の水盤(幻覚)の下の穴に隠れており、玉座の方には手下に制御させたメジャー・イメージを座らせていた。いま思うとかなりいじましいが、姿をさらしてたら突撃で1Rで殺されてるのでたぶん正解w
*14:余談だが、セレスチャルライオンヤバイ。飛びかかりもってやがるせいで、出現したラウンドに悪を討つ一撃→突撃(飛びかかり)で100点くらい(しかもDR無視)出してきやがる。
*15:運命の副領域の”印付きの綴れ織り”。他者の判定のふり直しをさせられる。敵にも味方にも使える汎用性は異常。いつもこれとウイッチの”運命”の呪術には心を折られる。
*16:その後の調査からマジック・ジャーの亜種であることが判明。実は結構な総額の財宝であることが発覚するも、もう使用されてたため換金できないというイヤガラセ度の高い宝物だった。



3 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

いつも楽しく拝読しています。
セッションのマスタリングについて質問させて下さい。
一連の「Kingmaker」のキャンペーン・リプレイを通して気になっていたのですが、今回のようなヴォーダカイの幻像や潜んでいる敵、仕掛けられた罠をPCが気付くために行う〈知覚〉判定などはプレイヤーが能動的に宣言しなければGM側から判定を促すようにはマスタリングされていないのでしょうか?
プレイヤーのプレイ経験値にもよるとは思いますが、仕掛けられた罠などに対して事前にプレイヤーが警戒をして能動的に〈知覚〉判定などを宣言するのはなかなか難しいかと思います。
従って、PCに相応の能力を付与しておかなければ仕掛けられた罠などをほぼ作動させてしまう(引っかかってしまう)ことになるでしょう。
このような場合、GM側から事前に判定を促すべきなのでしょうか?
アドバイスを頂けると嬉しいです。

いしかわ さんのコメント...

こっちで回答しましたん。
よかったら見てやってください。
http://4thcage.blogspot.jp/2014/01/pfgm-q.html#more

匿名 さんのコメント...

質問した者です。
拝見しました。
ご丁寧にありがとうございます!