さて、第2回。
箱を開けると一番上に乗っかってる(たぶん)チラシ 「Read this First」。
たいていの人はこんなん読まないんじゃね? って気もするけど、これもよくできてるんでご紹介。
この手のものってのはだいたい何見ても同じだけど、このチラシもご多分に漏れず「このBOXに何が入ってるか」「どう使うか」なんてことが書いてある。
ただ、普通なら「はじめての人は”TRPGってなに?”を読め」とか書いてあるであろうところが、このチラシでは
「君が一人なら」
→「ヒーローハンドブック(HHB)のソロプレイをやってみろ。どんな遊びかわかるから」
「遊ぶにはGMが必要だけど、とりあえずヒーローとして遊びはじめたければ」
→「どれでもいいからプレロールドPC見てみな。4種類入ってるぜ」
「ヒーローを遊びたくて、しかも自分でキャラクターを作りたければ」
→「HHBの10ページ見ろ。作り方載ってるから」
「遊ぶにはGMが必要だ」
→「ゲームマスターズガイド(GMG)読め。ヒーロー達が最初に遊べるシナリオが載ってるから」
なんてふうに、「何を知ってるか」とかじゃなく「どう遊びたいか」で次に何を読めばいいかが分けられてるんだね。
これ、初心者向けキットとしては、当然のようでいて、スゲエ核心突いてる進め方なんじゃねえと思うんですよ。
「ルールを知ってるかどうかとかよりまず遊べ」ってPaizoの姿勢が端的によく表れてる。
そんな気がするのです。
そんで、一人で箱開いてる君は、おすすめにしたがってHHBを開いてみることにしたと思いねえ。
最初の見開きには、こんな「PCの作り方」が掲載されてたり。
ちょっと画像が荒いけどわかるべえ。
①、②なんていわゆる「作る順」に、それぞれ(A)とか(B)とかって記号が振ってある。
これ、キャラシーに振ってある英字記号に対応してて、作る順とともに「どこに書き込めばいいか」がわかるようになってるのね。
こういう配慮があちこちに生きてて、ホントいいセットだと思います。
英語も比較的平易な構文で書かれてるし。
あ、ちなみに、ごらんのとおり種族は人間・エルフ・ドワーフの3種、クラスはクレリック・ファイター・ローグ・ウィザードの4職という限定っぷり。
小型種族とかは面倒だしな。
あと能力値は「4d6から3d6選ぶ」標準方式。
そんで、ソロプレイシナリオは「骸骨王の墓 Skelton King's Crypt」。
サンドポイントの市長から100gpでダンジョンの調査を請け負った君は、剣を片手にダンジョンを進んでいく。一人で。
・・・無茶しやがって・・・・・・。
というメタな視点はさておき、キャラクターシートも何もなく、いきなりゴブリンとの戦闘から始まる本編。
戦闘やなんかがあるたびにこんな感じで自分と敵の能力値が表示され、
実質D20とダメージロールだけでゲームが進められるように(かつルールに習熟できるように)できてます。
総パラグラフ23なんで、はじめればあっという間に終わっちゃうようなアレだけど、ラウンドの進行から戦闘の手順、状態異常まで覚えられるようにできてるのはいいね。
で、このソロプレイが終わってはじめて「ロールプレイングゲームって何?」みたいなコラムが。
ここでようやく「多人数でPC作って、GMのストーリーのもと遊ぶゲームだよ」って説明がされる。
ほいで、その次のページには「プレイの例」として1ページのリプレイが掲載されてる、という流れ。
この流れもまた、「まあ遊んでみなって」「おもしろかったろ? 仲間誘って遊ぶと、もっと楽しいんだよ?」みたいな感じがしていいカンジ。
そして、この後に続く「The Basic Rule」の項が白眉。
何が書いてあるかといえば
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基本ルール
ふつう、キャラクターが何か-攻撃しようとか、呪文に耐えようとか、技能を使おうとか-に挑戦しようと思ったら、君は以下のロールを行う」
1d20+修正値
何をするかによって修正値は変わる。
値が大きいほど、君は成功に近づくのだ。
この単純なダイスロールが無限に広がる冒険ファンタジーへの扉となるんだ!
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こんだけですよw
そーなんだよね。
D20システムって、結局のところ「修正値にd20足してでかい目出す」ゲームなんだよ。
たったそれだけのことなんだ、ってサラっと、それもPLが最初に読むところでいっちゃうのはうまいやり方だなーと思う。
実際、ソロプレイじゃほとんどd20でいろいろ解決してたわけだしね。
自分が初心者にインストするときにも、D&DyaPFに限らず使える示唆に溢れてる、よいサプリだと思うのですよ。
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4 件のコメント:
「Read this First」も単純だけど良くできてるんですねぇ。
これは本当に初心者対応として作られているサプリなんですね。
D&D3.0にも3.5にもビギナーセットはありましたけど、ここまで親切ではなかった気がします。
Paizoスタッフの本気が伝わりますねw
PDFを入手してざっと目を通しましたが、
赤箱に構成が似てますね、これ。
本当に初心者と言うか、“初めて”さん向けになってますね。
新規層をターゲットにして判りやすくしてるのは理解できたのですが、これを手に取らせる戦術というか、プレゼンとかもあるんでしょうねぇ、安いという以外にも。
日本でも4th、PFに係わらず底辺が広がるといいのですが。
>りょう。さん
ですねー。
PFって取っつきにくいゲムだと思うんですが、その辺のハードル超えさせるためにがんばってる感じですかね。
>がらんどさん
似てるってか、おなじですなw
わざとかどうか知らんけど。
違うのはチット立てがちゃんとあるのと、フリップマット付属ってあたりですかね。
個人的には簡易ルールが5セット(できればPC対応型の)だったら神だなーとか。
あるいはせめてルールサマリーがアレ張ってカンジですかね。
あ、prPCでそれすましてんのか?
>唯野さん
Blogに専用ページつけてたりしてんのと、フリップマットとかミニチュア代わりのチットとかでビジュアル面強化してるあたりじゃないですかいのう>手に取らせるための戦術
あとは、ゲームデイみたく世界各地で「Boxで遊べるところリスト」とか「Boxで遊ぶCON
」とかやってるみたい。
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