エルフの地下要塞の精霊炉をどうにか、って方針は決まってるものの、具体的にどうするかは全くのノーアイデアな我々。
ジョバンニ「……ポータル使う?」
フール「いやー、ぜったい待ち伏せされてるでしょー」
ジョ「ですよねーw」
といって、ほかに地下要塞に入れそうな場所と言うと、正面突破か以前侵入したアリの巣穴くらいしか思い当たらない。
ぬむう。
エンフェアル「ところでぼっちゃん、私、実はバードでして……」
エンフェアルの知る伝承によれば、神殿そばの森の泉に隠された通路があるという。
ジョ「……森の泉……それは……緑色の何かがいたところでは……」
まあドラゴンは暗渠で倒したし、ということで、ひとまず泉に向かってみることに。
件の森の泉は、かつてより泉の水位が下がっていた。のぞき込んでみれば、内側は石造りの縦穴で、螺旋階段が作り付けられている。
階段の先にはコケに覆われた細く長い通路が続いており、突き当たりには回転扉が。
ドーマル「……なんかオークの話し声がしてますね……倉庫……なのかな? あんまり人も居なさそうですが。扉は罠なし。鍵もありませんが、なにやら荷物が積み重なってるみたいです」
ジョ「……ふん、なら押し開けるか。バルクライ、手伝ってくれ」
というわけでパーティの【筋】高いコンビが扉を押してみる。
ず……ずず……
『ガシャン、パリパリーン』……『ボン』
ジョ「……おいいま”ボン”って言わなかったか?」
「あんだぁ? 錬金術品倉庫で変な音が……」
「あんれま、荷が崩れて落ちて……」
「うわぁ! 煙が! 煙が!」
押し開けられた扉の隙間からオークたちの声が聞こえる。
ジョ「まずい! 大急ぎで開けるぞ! ぶちこわせ!」
バルクライと2人で扉を全力で押すが、ダイス目がふるわずなかなか扉が開かない。チャレンジの度に崩れる荷物とともに、何かの割れる音が。
DM「崩れる度にこぼれた錬金術物質が混ざり合って……とりあえずファイヤーボール相当の爆発が起こりまーす。10d10の[火]ダメージな」
全員「ぐはぁ。……まあでも、この程度ならこのマスターにしては……」
DM「その後、混ざり合った物質からクラウドキル相当のガスが発生したよ」
全員「うぉぉぉぉぃい!」
狭い空間でガス発生とかしゃれならん。セーヴしても【耐】1d2点とかヤバ過ぎる。
全員がガスに侵され、毎R【耐】ダメージを受けるなか、騒ぎを聞きつけたオークの兵士たちがこちらに向かってくる音もする。
ジョ「うぉ、どーするコレ」
フール「……ウォールオヴストーンで”石棺”にするとか……」
フリーダ「いや、ウィンドウォールで原因物質の拡散を防ぎましょう」
グレゴオル「とりあえずウォーターエレメンタルかなんかで”水棺”に……」
などと微妙にタイムリーな用語を交えつつ、結局「なんとか倉庫を出て扉を閉めよう」ということに。
フールは真っ先に死にそうなフリーダを連れてディメンジョン・ドアで安全圏に脱出し、フリーダがガストオヴウインドで風の通路を造る。毒ダメージを受けつつも、そこを通って全員が一気に通路まで走り、ついでにそこに居合わせたオークを何人か張り倒して扉を閉めることに成功!
ジョ「ふぅ、コレでどうにか……」
DM「そうね、今は乗り切れたね。……で、扉の向こうでは立て続けにボン、ボンと何かのはじけるような音やジュージューいう音とともにほのかな熱気が伝わってきます」
ジョ「死ねよクソマスター! くそ! 逃げるぞ!」
とりあえずオークを放流し、その後ろをついて行くことに。
したら、オークったら「火事だー!」と大声で触れ回りながら逃げるじゃないですか。
あらやだ。
【当たり前だ】
煙の出ている部屋から混乱が広がっていくなか、ヘイストで移動速度を大幅に伸ばした我々は混乱して逃げ惑うオークを仏恥義理。迅速に上層階へと向かうわれわれの前には「魔方陣」「幹部以外立ち入り禁止」などと看板の掲げられた十字路が。
とりあえずぶっこわしゃいいんじゃね? とばかりに魔方陣のほうに向かおうとしたら、突然フールがオカマ口調で叫びだす。
フール「馬鹿じゃないのあんたら、そっちじゃないでしょ! 正面に行きなさい!」
どうやらサビーナがフールをコントロールしているらしい。
そして正面はといえば、でかでかと「幹部以外立ち入り禁止」の看板が。
一瞬ひるんだものの、ほかに当てにするものもない。言われた通り正面へ。
しばらく通路を進むと、盾ほども大きな鏡の置いてある小部屋に行き当たる。
そして、鏡の前には超見覚えのあるサーベルが。
ジョ「あ、あああああ! あったー!」
自分の魂の一部ともいえる(具体的には魔法使う敵に+1d6ダメージできる)愛剣を発見したジョバンニは、PLはともかくPCは喜び勇んで愛剣へと駆け寄る。PLはともかく。
一応無駄な抵抗とは知りつつサイレンスかけてみたりしつつ。
DM「あー、そんじゃ不意打ちラウンド。天井から蜘蛛のようなクリーチャーが腕を伸ばして攻撃してきまーす」
ジョ「……ですよねー」【鬼の形相で】
さらに次ラウンドでイニシアチブを取られ、あっという間に気絶まで追い込まれてビナイン・トランスポーテーションで後送される。ぐへえ。
蜘蛛っぽい蜘蛛は攻撃回数は多いもののhpまではあんまりなかったので、バルクライとドーマルがさっくり倒す。
フール「この部屋だ! そこの鏡をどけてちょうだい」
ん?フール?
フール「ここは、あたしの部屋だったのよ。そして、ここの下に制御室がある」
あ、サビーナさんまだいたのか。
フールが壁に触れてコマンドワードを唱えると、壁が消え、魔法の昇降装置が姿を現した。
フール/サビーナの先導で乗り込んだ昇降装置は信じられないスピードで地下に降りる。
そして、フール/サビーナに率いられた一行は、球形の奇妙な部屋にたどり着いた。
部屋の中央にある水晶玉にフール/サビーナが手をかざすと、すべての壁面が輝きだし、地下要塞のあちこちを映し出した。同時に床は青白い光の揺れるプールのようなものを映し出している。光は生き物のように不規則に床下を動き回っており、秘めた魔力を持て余すかのように時折力強く震えていた。どうやらここが水の精霊炉のようだ。
フール/サビーナがモニターの一つを指差した。そこには無数のオークたちが輪になって横たわる、巨大な魔方陣が映し出されている。魔方陣をまたぐようにかけられた石製の橋の上に、4人の片目のオークと、ローブを着たドラウ、そして御子と思しき人物がなにやら話し込んでいる。
フール/サビーナが指を振ると、映像はより近いものとなり、御子とドラウの話す内容が、まるでその場にいるかのように聞こえてきた。
御子「どうなっているんだ! 流星とやらは、いつ落ちるのだ!」
ドラウ「ふうむ、まだ魔力が足りないようですな……しかしおかしい。これだけの魔力を集めてなお魔方陣が起動しないとなると、もしかしたら別に魔力源となる何かがあるのやもしれません」
御子「動力源だと?」
ドラウ「ええ、考えてみれば流星を呼ぶほどの魔方陣、いくらエルフの魔力といえど、簡単には動かせますまい」
フール/サビーナ「ふふん、いい推理ね。そのとおり、こんなんじゃだめよ」
その声に驚いたように、こちらを振り向く6人。
え? こっち見えてんの?
フール/サビーナ「こいつはね、こう使うの」
フールがサビーナに操られ、制御装置に触れると、突如として魔方陣が青白い輝きに満たされ、つながれていたオークの魔法使いたちは一斉に耳や目から血を噴き出して動かなくなる。
フール/サビーナ「あら、ちょっと多く流しすぎたかしら。ごめんねえ」
口の端に笑みを浮かべたまま、さらに制御装置を操るフール/サビーナ。
壁面の一つに、突如として超高空からみた巨大な都市の地図が描かれる。
いや、地図ではない。目を凝らしてみれば、そこには小さな人影が動きまわり、街のあちこちからは煮炊きの煙が上がっている。どうやって映しているのか、それは巨大な都市の、おそらくはリアルタイムの映像だった。
しばらく無言だった御子は、ハッと気がついて声を上げる。
御子「わ、わが王都ではないか!」
フール/サビーナ「うふふ。あ た り 」
フール/サビーナの目が細められるとともに、指が水晶球の一点をなぞる。
そして数瞬ののち一同が目にしたのは、都市のど真ん中めがけて、巨大な隕石が落下する姿だった。
まるで床に卵を落としたかのように、都市のあったところがぐしゃりと歪み、あたかも液体であるかのように四方八方に流れていくのが見えた。
続く数瞬のうちに、今度は落下点を中心に巨大な爆発が起こり、あたりのすべてが吹き飛ばされていく。
土煙が晴れた数秒後、あとに残されていたのは、大きくえぐられたクレーターだけだった。
フール/サビーナ「あははははは! そら、もうひとつ!」
画面の映像が変わる。今度はPCたちも見覚えのある、オークたちの城塞が映し出された。
片目のオークの一人が、口を大きく開くが、驚きのあまり声も出ない。
そして数秒後、流星が突き刺さった城塞は、がれきすら残さずこの世から消え去った。
さらにもう一つの流星が別の城塞に向かって放たれたが、こちらは魔力不足だったようで、砦の中央には命中しなかった。しかし、流星がまき散らした炎と残滓は、オークの一部族を殺しつくすに十分な威力を持っていた。
ジョ「……あーあーあーあーあ」
フール/サビーナ「あーすっきりした。これ、作ったっきり使ってなかったから、一回使ってみたかったのよねー」
ジョ「……キ●ガイに刃物ってのはこういうあれを言うんだろうな、うん」
フール/サビーナ「あ、そうそう。これやったのはそこの坊ちゃん、えーと、凪ガ浦のジョバンニってのだからねー」
ジョ「うぉ、お前いったい何言い出しやがる! やったの100%おまえじゃねえか!」
フール/サビーナ「そんじゃ、ここ使えなくなるんで。さっさと逃げたほうがいいわよー……バルス!」
ジョ「……ばるす?」
突如、床が明滅を始める。青白い光の動きが速くなり、目まぐるしく動き始める。
フール/サビーナ「あんたら、さっさと逃げたほうがいいわよ。この白い光がいっぱいになったら、ここ爆発するから。あと22ラウンドくらいで」
全員「うぉぉぉおい!」
ジョ「フン、こんなこともあろうかと、テレポートのスクロールを買って……」
フール/サビーナ「あ、ここはテレポートインもアウトもできなくなってるから。だってできたら危ないでしょ」
全員「うぉぉぉおおおおい!」
しかも見れば昇降装置も止まってるし。
全員「ちょ、ちょっと待てぇぇぇ!」
言ってる場合でもねえ。ということで、フール、フリーダ、ドーマルが”こんなこともあろうかと”買ってあったフライの巻物を使って全員に飛行能力を与え、まずは竪穴を上がっていくことに。
したら、上からなんかが飛んでくる音が。
ええ、チャズミーでした。
ジョ「お、お前! ここにいたら爆発に巻き込まれて死ぬぞ! 具体的には21ラウンドくらいで!」
チャズミー「そんなん、テレポートしたらいいじゃなーい?」
ジョ「できねーから言ってんだっつーの!」
なし崩しに戦闘開始。
なんかエンフィーブルメント毎ラウンド撃ってくるとかもうウゼぇの一言ですよチャズミー。
速攻たたき殺してやろうと思って近接してみたら恐怖効果とか持ってるし。
そんで余裕でセーヴ失敗するし。【お約束】
そのあとグレゴオルにリサージャンスしてもらって振り直したら出目1だし。【お約束】
まあ、俺以外の人ががんばって倒してくれたんでよかったです。
【鬼の形相で】
安心したのもつかの間、今度は縦穴の上の方から怪光線が。
遠目に見えるはいつぞやのサキュバス。
うっわー。またやな相手が……。ただでさえ時間がないのに……。
バルクライ「えーと、誰かよくわかんない(←初見)けど、とりあえず突撃……あ、クリティカル」
DM「……え?」
とか思ってたらバルクライが一撃で屠っちゃったのでなんでもなかったぜ!
バルクライ「で、今のだれ?」
うん、気にすんな。
と思いきや、通路の上の部屋にはしっかりヴロックとババウとが待ち構えていた。
が、最初の数ラウンドでヴロックがほぼ死にかけたことを受け、テレポートで逃げていく。
ジョ「あれ? てことはテレポート使えるってこと?」
というわけで、大急ぎでテレポートで脱出する……つもりが、テレポートミスでどっかの森に吹っ飛ばされてみたり。ドンマイ。
期せずして二手に分かれたPCだが、その轟音に気がついたのは、全く同時のことだった。
かつてエルフの地下要塞と呼ばれ、いまはオークたちの仮神殿と呼ばれるその場所から大きな地響きとともに、神殿のあった山が丸ごと吹き飛ばされた。
そして、山に開いた大穴からはこんこんと清水が湧き出しはじめ、それはやがて巨大な噴水のように天に向かって水をはき出しはじめた。
雲にまで届くかと思われるほど高く噴き上げられた水はやがて瀑布と化して地上に降り注ぎ、仮神殿の麓に広がる森と、そしてオークたちの居留地になっていた盆地一円を水浸しにする。
しかし、それだけでは水は止むことなく、盆地を巨大な湖と化すまで吹き出し続けた。
ジョ「……まあ、なっちまったもんはしょうがねえよな! 隕石降ってくるよりゃましってもんよ!」【スイミングアイしながら】
全員「……で、ですよねー!」【スイミングアイしながら】
その後、伯爵の城に戻ったら早速伯爵のお呼び出しが。
お褒めの言葉をいただけるものかと思ってたらいきなり怒られる。
ちぇー。
【当たり前だ】
怒り狂う伯爵にいろいろと説明している中でサビーナの名が出ると、いつも黙って座ってる伯爵夫人が取りなしてくれ、どうにか収まる。
なんで奥方が助けてくれたのかはわからないが、右耳の耳たぶが切り落とされてなくなっていることと何か関係があるのかも知れない。
伯爵「とはいえ、まずいことに変わりはない。秋の収穫がこの度の大水でダメになった以上、生き残ったオークどもに出来ることと言えばこの谷を抜き、肥沃な南方へ出て略奪する以外にはあるまい。隕石と大水で戦力は削れているものの、奴らとてむざと死ぬままにはなってはおらぬだろう。どう防いだものか……」
うはぁ……。
確認はしてないけど、御子もドラウと逃げてるっぽいし。
いよいよ、最後の決戦かのう……。
というあたりで以下次号-。
*1:
つーかCR+1で攻撃回数が増えて毒持って異形になるとか狂ってるだろコレ。
2 件のコメント:
先生!モカが!
部屋に潜んでいたのは
アンダーダークに記載の
アラクノマウザー
(例として出ているヤツ)
なので蜘蛛にテンプレつけた
わけじゃないんだぜ!
アレ? なんか蜘蛛に蜘蛛乗っけてーとかって話を聞いてメモってあったんですが。
コメントを投稿